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「食後の腹痛や体重減少の原因かも?正中弓状靭帯圧迫症候群(MALS)とは」

[2025.01.30]

正中弓状靭帯圧迫症候群(MALS)とは?

 

原因不明の腹痛や体重減少に悩んでいませんか?

 

正中弓状靭帯圧迫症候群(Median Arcuate Ligament Syndrome:MALS)とは、横隔膜の一部である「正中弓状靭帯」が腹腔動脈を圧迫することで、血流障害や神経症状を引き起こす病気です。

 

この病気は、機能性ディスペプシア(FD)や過敏性腸症候群(IBS)と診断されて治療しても改善しない腹痛の原因となることがあります。特に、食後に強い腹痛が続く方原因不明の体重減少に悩んでいる方は、MALSの可能性を考慮することが重要です。

 

 

MALSの主な症状

 

食後に発生し、2〜3時間ほどで軽快する鋭い腹痛
食後の吐き気・嘔吐、食欲低下、体重減少
運動時やストレス時にも腹痛が出現
機能性ディスペプシア(FD)や過敏性腸症候群(IBS)の治療で改善しない腹痛

MALSでは、腹腔動脈が圧迫されることで胃や肝臓、膵臓などの上腹部の臓器に十分な血流が行き届かなくなります。この影響で、他の動脈からの血流補助(側副血行路)が発達し、場合によっては動脈瘤が形成されるリスクもあります。

 

MALSの診断方法

 

🔍 超音波検査(エコー)

 

MALSの診断には**腹部超音波検査(エコー)**が有効です。

  • 腹腔動脈の血流測定を行い、呼吸時の血流速度の変化を観察します。
  • 呼気時に血流の乱流や狭窄が認められる場合、MALSの可能性が高まります。
  • 総肝動脈や胃十二指腸動脈の逆行性血流が見られる場合も診断の手がかりとなります。

 

🩻 その他の検査

  • 腹部造影CT検査(3D血管構築による腹腔動脈の圧迫評価)
  • 上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)(胃がん・胃潰瘍など他の疾患の除外)

 

MALSの治療法

 

**💡 腹腔鏡手術による「正中弓状靭帯切離術」**が標準的な治療法です。

 

🔹 腹腔鏡手術の特徴

小さな傷で手術が可能(腹腔鏡による低侵襲手術)
拡大視野で精密な操作が可能
手術時間は約2〜3時間、出血量は少量
術中の超音波検査で血流改善を確認

手術後の症状改善率は85%以上と報告されており、ほとんどの患者さんが腹痛や食後症状の軽減を実感できます。
ただし、一部のケースでは手術後も症状が残ることがあり、その場合は**血管内治療(ステント治療)**が検討されます。

 

「原因不明の腹痛」にお悩みの方へ

 

食後の腹痛や体重減少が続く
機能性ディスペプシア(FD)やIBSの治療を受けても改善しない
胃カメラやCTで異常がないと言われたが、腹痛が続く

このような症状がある場合、MALSの可能性が考えられます。

当院では、超音波検査(エコー)による診断を行い、必要に応じて専門医と連携した治療を提供しています。
MALSが疑われる方は、ぜひ一度ご相談ください。

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