【医師監修】マンジャロ(ゼップバウンド)の正しい使い方と安全な自己注射のポイント
【医師監修】マンジャロ(ゼップバウンド)の正しい使い方と安全な自己注射のポイント
はじめに
マンジャロは、2型糖尿病の治療薬として使用される注射剤で、週に1回の自己注射によって投与します。投与曜日は毎週同じにすることが推奨されており、注射時間(朝・昼・夜)や食事とのタイミングには制限がありません。
注射の準備と注射部位の選び方
1. 準備
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手を洗い、清潔な環境で準備を行います。
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専用注入器「アテオス」には薬液と注射針がセットされており、必要な準備品はアテオス本体とアルコール綿のみです。
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使用前に薬液の異常(変色や浮遊物など)や針の状態を確認してください。
2. 注射部位の選択
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推奨部位は、腹部(おへそから指2〜3本離れた位置)、太もも(前面)、**上腕部(外側または裏側)**です。
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自己注射の場合は、腹部や太ももが使いやすい部位です。
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皮膚の硬化や炎症を防ぐため、注射部位は毎回ローテーションすることが重要です。
3. 痛みを軽減するコツ
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脂肪が豊富で神経が少ない部位(腹部側面や太もも前面など)を選ぶと痛みが少なくなります。
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注射前に冷却パックで冷やす、リラックスした状態で素早く注射することも効果的です。
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マンジャロの針は細く短く設計されており、痛みが軽減されるよう配慮されていますが、痛みの感じ方には個人差があります。
注射手順(アテオスの使用方法)
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キャップを外す:灰色のキャップをまっすぐに引き抜き、すぐに注射に進みます。
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消毒・ロック解除:注射部位をアルコール綿で消毒し、注入器のロックを解除(紫のボタン側を緑のマーク方向へ回転)します。
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皮膚に当てる:透明な底面を注射部位に垂直に押し当てます。
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注入開始:押し当てた状態で紫色の注入ボタンをカチッと音が鳴るまで押します。
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注入中の待機:最初のカチ音が鳴ったら注入開始。そのまま数秒間保持します。
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注射完了:2回目のカチ音で注射完了です(約10秒以内)。音が聞こえない場合は、透明部分を確認し、灰色のピストンが見えていれば注射は完了しています。
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針を抜く:ゆっくりと注射器を引き抜き、消毒綿で軽く押さえます。
使用後の処理と保管方法
使用済み注射器の処理
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注射針は家庭ごみに出さず、医療廃棄物として処分する必要があります。
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可能であれば、医療機関や薬局の回収ボックスを利用してください。
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一時的な代替手段として、フタがしっかり閉まる固い容器(牛乳パックや薬の空容器など)に針を入れて密閉し、医療機関へ持参しましょう。
保管方法
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保管温度は**冷蔵(2〜8℃)**が基本です。
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冷蔵庫が使えない場合は、直射日光を避けて室温(30℃以下)で21日以内に限り保管可能です。
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注射前に常温に戻す必要はありません。
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高温・直射日光・冷凍は厳禁です。
用法・用量と増量の目安
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初期用量:週1回 2.5mg
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維持用量:4週間後から週1回 5mg
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最大用量:週1回 15mgまで(4週間以上の間隔で2.5mgずつ増量)
※ マンジャロは半減期が約5〜6日と長く、4週間の使用で血中濃度が安定します。効果や副作用を確認しながら、医師の指導のもとで段階的に増量しましょう。
よくあるトラブルとその対処法
症状 | 対応方法 |
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注射部位からの出血 | 数秒間圧迫し止血。 |
強い痛みがある | 別の部位に変更、または医師に相談。 |
腫れ・赤み | 冷却し、続くようであれば受診を推奨。 |
まとめ
マンジャロは強力な血糖値コントロールおよび体重減少作用を持つ注射薬ですが、安全に使用するためには正しい注射手技と保管管理が欠かせません。
初めての自己注射に不安を感じる方も、使い方をしっかり学べば問題なく扱える設計になっています。必要に応じて医師や看護師のサポートを受けながら、継続的な治療を行いましょう。