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【胸やけ=がんのサイン?】逆流性食道炎から始まる「バレット食道」のリスクとは

[2025.05.03]

【逆流性食道炎はがんの前ぶれ?】胸やけの奥に潜む「バレット食道」と腺がんのリスクとは

 

「胸やけ」や「のどのつかえ感」は、ただの不快な症状で済ませてはいけません。
近年注目されているのが、逆流性食道炎の慢性化によって起こる「バレット食道」、そしてそこから進展する**「食道腺がん(バレット食道がん)」**です。

本記事では、逆流性食道炎とがんの関係性、バレット食道のリスク、早期発見のための内視鏡の重要性について、わかりやすく解説します。

 

 


🔍 バレット食道とは? 〜逆流性食道炎から始まる“粘膜の変化”〜

通常、食道は「扁平上皮」という構造で守られていますが、**長期間にわたる胃酸や胆汁の逆流(=逆流性食道炎)**があると、粘膜がダメージを受け、胃や腸のような“円柱上皮”に置き換わることがあります。

これが「バレット食道」です。

バレット食道は、胃酸に強くなるための“環境適応”とも言えますが、一方でがんの発生母地となる危険な変化でもあります。

 


⚠️ バレット食道の主な原因とリスク因子

主な原因 解説
逆流性食道炎 胃酸や胆汁が繰り返し食道に逆流することで、粘膜が損傷・変化
肥満 腹圧上昇により逆流を助長し、バレット食道のリスク増加
食道裂孔ヘルニア 胃の入り口がゆるみ、逆流が起きやすくなる
喫煙 食道がん全般のリスク因子として知られる
バレット粘膜の長さ(3cm以上) がん化リスクが約2倍に上昇
 

📊 バレット食道の分類と日本人での頻度

種類 バレット粘膜の長さ 日本人の頻度
SSBE(ショートセグメント) 3cm未満 約15%に認められる
LSBE(ロングセグメント) 3cm以上 約0.3%と少ないが、がんリスク高

バレット食道を持つ人の多くは無症状です。
そのため、「胸やけがあっても内視鏡を受けていない方」は、知らない間にバレット食道が進行している可能性もあります。

 


🔥 バレット食道と「食道腺がん」の関係

バレット食道が進行すると、「腸上皮化生」と呼ばれる細胞変化が起き、**バレット食道がん(食道腺がん)**が発生することがあります。

欧米では、バレット食道を持つ人のがんリスクは30〜125倍とされており、日本でもLSBEの人はSSBEの約2倍の発がんリスクがあると報告されています。

💡 発がんリスクを高める因子

  • バレット粘膜の長さ(LSBE)

  • 細胞異型の存在(異形成)

  • 喫煙(非喫煙者の2倍)

  • 男性、肥満、高齢

 


🩺 バレット食道の診断と管理

🔹 診断方法

  • 胃カメラ(上部消化管内視鏡)で発見可能

  • 粘膜の色調・構造・境界の変化を確認

  • 組織生検で腸上皮化生や異形成を判定

🔹 治療と管理

治療法 目的
PPI(プロトンポンプ阻害薬) 胃酸分泌を抑えて炎症を予防
生活習慣改善 食後すぐ横にならない、肥満解消、禁煙など
定期内視鏡検査 状態に応じて半年〜年1回程度
 

✅ まとめ:胸やけを甘く見ないで。がんの前段階かもしれません

バレット食道は、逆流性食道炎の“その先”にある危険な状態であり、放置することでがん(食道腺がん)へと進行する可能性があります。

特に以下の方は、一度胃カメラ検査を受けることを強くおすすめします:

  • 胸やけが週に数回以上ある

  • 逆流性食道炎と診断された

  • 肥満・喫煙の習慣がある

  • 過去にバレット食道を指摘された

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