【要注意】咽頭がん・食道がんを見逃さない!NBI内視鏡での早期発見とは?
【咽頭がん・食道がんの早期発見に】NBI(狭帯域光観察)による先進内視鏡診断とは
「のどの違和感」や「つかえ感」が続く方へ――
その症状、早期の咽頭がんや食道がんのサインかもしれません。
本記事では、がんの早期発見に革命をもたらした「NBI(狭帯域光観察)」について、最新の知見をもとにわかりやすく解説します。
🔬 NBI(狭帯域光観察)とは?
NBI(Narrow Band Imaging)は、特殊な光を使って粘膜表面や毛細血管の構造を鮮明に映し出す内視鏡観察モードです。
2つの短波長の光(青と緑)を照射することで、通常では見逃されがちな微細な病変や血管の異常を強調し、早期がんの発見精度を格段に高めます。
✅ なぜNBIが早期がんの発見に有効なのか
がん組織は正常組織と比べて血流が豊富であるため、NBIによって粘膜表層の血管パターンが際立ちます。
従来は医師の経験や勘に頼る部分が多かった早期診断ですが、NBIは**「色調の違い」や「血管のパターン」**を視覚的に明確化し、客観的な診断が可能となりました。
特に早期の食道がんや咽頭がんは、色の変化が極めて微細で通常観察では見落とされやすい病変です。NBIでは、がんに特徴的な茶色の不整血管や粘膜色調の変化を捉え、発見率を大幅に向上させます。
🆚 通常観察との比較
以前の内視鏡はハイビジョンに対応しておらず、光量も不足していたため、小さながん病変の発見は非常に困難でした。
ある報告によると、従来の通常光による早期咽頭がんの発見率はわずか8%程度に留まっていたのに対し、NBIを用いた観察では100%に達したという研究結果もあります。
同様に、早期食道がんの発見率も**従来55% → NBIでは99%**まで向上しています。
🔍 NBI × 拡大内視鏡で精密診断
NBIは、拡大観察と組み合わせることでその真価を発揮します。
100倍ズーム機能付きのスコープを使用することで、粘膜の微細な模様や血管構造を詳細に観察でき、がんの広がりや深さ(深達度)、悪性度まで評価可能です。
当院では、NBIと拡大内視鏡を組み合わせた先進的な内視鏡診断を実施しており、必要に応じてその場で迅速に切り替えることが可能です。これは大学病院を含めても実施可能な施設は限られており、極めて専門的な技術です。
🧪 他の診断法との併用
NBIと併用される代表的な補助診断法として以下があります:
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ヨード染色(ルゴール法):がん細胞はヨードで染まらず、不染帯として可視化。
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インジゴカルミン染色:病変の輪郭や表面構造を強調。
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組織生検:NBIで異常を検出し、病理診断により確定。
🩺 まとめ:NBI内視鏡でがんを「早期」に見つける重要性
咽頭がん・食道がんの多くは初期に自覚症状がなく、発見が遅れると治療の選択肢も限られてしまいます。
NBIは、微細な血管や色調の変化を視覚的に捉え、がんを早期に発見・診断できる画期的な技術です。
早期に発見すれば、内視鏡による切除など体への負担が少ない治療も可能です。
のどの違和感や胸のつかえが気になる方は、ぜひ当院でのNBI内視鏡検査をご検討ください。