【要注意】血便・便秘・腹痛…その症状、大腸がんのサインかも?早期発見の重要性とは 大腸がん【第一弾】
[2025.02.11]
大腸がんについて一般的な情報
大腸がんの罹患率と死亡率
日本では2人に1人が生涯のうちに何らかのがんを発症するといわれています
その中でも近年、特に増加が顕著なのが大腸がんです。新たに大腸がんと診断される人の割合(罹患率)は、男女合わせて1位に上昇しており、男性では3位、女性では2位と高い順位を占めています。
また、大腸がんによる死亡者数も増加傾向にあります。年間5万人以上が大腸がんで命を落としており、その死亡率は男女合わせて2位に上昇しました(男性3位、女性1位)。これは、胃がんの死亡率が大きく減少しているのとは対照的な動きです。
こうした状況を踏まえると、大腸がんの早期発見と予防がますます重要になってきています
- 大腸がんの罹患率は、50歳以降から上昇します。
- 男性の方が女性よりも罹患率・死亡率ともに高い傾向があります。
- 大腸がんは、日本人のがんによる死亡原因のうち、男性で3位、女性で1位を占めています。
大腸の構造と機能
- 大腸は、長さ約1.5~2mの臓器で、結腸と直腸に分けられます。
- 結腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸に分かれます。
- 直腸は、直腸S状部、上部直腸、下部直腸に分類されます。
- 大腸の主な役割は、小腸から送られてきた液状の便から水分を吸収し、固形の便を形成して肛門に運ぶことです。大腸は1日に最大6Lの水分を吸収するとされています。
大腸がんとは
- 大腸がんは、大腸の粘膜から発生する悪性腫瘍の総称です。
- 大腸がんは、周囲の組織への浸潤や転移を起こす可能性があります。
- 大腸がんの発生経路には、良性のポリープである腺腫ががん化するものと、正常粘膜から直接がんが発生するものの2つがあると考えられています。
大腸がんの発生要因
- 大腸がんの発生には、遺伝的要因と環境的要因の両方が関与しています。
- 環境的要因には、高タンパク食、高脂肪食、低繊維食、飲酒、喫煙、運動不足などが挙げられます。
- 遺伝的要因としては、リンチ症候群や家族性大腸腺腫症(FAP)があります。
- リンチ症候群:DNA修復遺伝子の異常により発生し、50歳未満で発症することが多く、右側大腸に多いとされています。
- 家族性大腸腺腫症(FAP):大腸に多数の腺腫ができる病気で、大腸がんを発症する可能性が非常に高いとされています。
大腸がんの分類
- 肉眼的分類(0型~5型)
- 0型(表在型):粘膜または粘膜下層にとどまるがんで、隆起型と表面型に分かれます。
- 1型(腫瘤型):腫瘍が塊状で、腸の内側に出っ張っているもの。
- 2型(潰瘍限局型):腫瘍の中央が陥凹し、境界が明確なもの。
- 3型(潰瘍浸潤型):2型よりも周囲の盛り上がりが崩れ、正常な粘膜との境界が不明瞭なもの。
- 4型(びまん浸潤型):がんが周囲に不規則に広がるもの。
- 5型(分類不能型)。
- 深達度分類
- 粘膜内にとどまるものを粘膜がん、粘膜下層まで浸潤するものを粘膜下層浸潤がんとし、これらを早期がんと呼びます。
- 固有筋層以下に進行したものを進行がんとします。
- 病理組織学的分類
- 大腸がんの大部分は腺がんであり、高分化型腺がんが多いです。
大腸がんの進行と転移
- 大腸がんの広がり方には以下の種類があります。
- 浸潤:がんが腸壁を破壊しながら周囲の臓器に広がる。
- リンパ行性転移:がん細胞がリンパ管を通じてリンパ節へ転移。
- 血行性転移:がん細胞が血流に乗り、肝臓や肺へ転移。
- 腹膜播種:がん細胞が腹腔内に散らばり、腹膜に広がる。
- 大腸がんのステージ分類
- ステージ0:がんが粘膜内にとどまる。
- ステージ1:がんが固有筋層までにとどまる。
- ステージ2:がんが固有筋層を超えて浸潤する。
- ステージ3:がんがリンパ節に転移している。
- ステージ4:がんが他臓器に転移している。
大腸がんの症状
- 早期:症状がほとんどないことが多い。
- 進行すると:下血、血便、便秘・下痢、便が細くなる、貧血、腫瘤、腹痛、腸閉塞などの症状が現れる。
- 右側大腸がん:症状が出にくく、貧血や腫瘤として発見されることが多い。
- 左側大腸がん:出血や便の異常(便秘・下痢の繰り返し)が現れやすい。
大腸がんの検査
- 検診法:便潜血検査
- 診断法:
- 大腸内視鏡検査(最も確実な方法)
- 注腸造影検査
- 病理検査
- 画像検査(CT、MRI、PETなど)
大腸がんの治療法
- 内視鏡治療(早期がんに適応)
- 手術治療(進行がんに適応)
- 化学療法・放射線治療(進行度に応じて実施)
- 緩和医療(生活の質向上を目的とした治療)
まとめ
大腸がんは早期発見が鍵となります。40歳以上の方は、定期的な検査を受けることが大切です。
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