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いびきは何科を受診すべき?耳鼻科・内科・睡眠外来の違いと受診の目安を医師が解説|米沢市 きだ内科クリニック

[2026.03.10]

いびきは、単なる寝ているときの音ではありません。空気の通り道である上気道が狭くなっているサインであり、背景に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が隠れていることがあります。睡眠時無呼吸症候群は、日中の強い眠気や集中力低下を起こすだけでなく、放置すると高血圧、脳卒中、心筋梗塞などのリスク上昇とも関連します。問診で疑われる場合には、簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)などの客観的な評価が勧められます。

 

 

 

いびきが発生する仕組みと主な原因

 

いびきの主な原因は、鼻からのどにかけての空気の通り道が狭くなることです。以下の要素が複雑に関係して発生します。

 

身体的要因 肥満、扁桃肥大、アデノイド、舌やあごの形態
疾患的要因 鼻炎、鼻中隔弯曲症
習慣的要因 飲酒、睡眠薬の服用、仰向けでの就寝

 

とくに鼻づまりが続くと口呼吸になりやすく、いびきを悪化させることがあります

 

症状や目的に合わせた受診科の選び方

 

鼻やのどの症状が強い場合は耳鼻咽喉科

 

いびきの主な悩みがそのもので、鼻づまり、アレルギー性鼻炎、片側だけの鼻閉、口呼吸、扁桃の大きさなどが気になる方は、耳鼻咽喉科が適した受診先です。耳鼻咽喉科では、鼻からのどまでの上気道を直接診察でき、最適な治療法を選ぶうえで重要とされています。

 

無呼吸の指摘や日中の眠気がある場合は呼吸器内科・睡眠外来

 

大きないびきに加えて、寝ている間の無呼吸を家族に指摘される、日中の眠気が強い、起床時の頭痛がある、夜間頻尿がある、肥満や高血圧を伴うといった場合は、睡眠時無呼吸症候群の精査が重要です。呼吸器内科睡眠外来では、簡易検査やPSGで診断を行い、重症度に応じてCPAPなどの治療を判断します。質問票や自己判断だけで確定診断することは勧められていません。

 

多角的な診断を希望するなら睡眠外来・睡眠センター

 

睡眠外来睡眠センターでは、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、検査部門などが連携して診療する体制が整っていることがあります。原因が鼻・のどの構造にあるのか、内科的治療が必要なのか、マウスピースや手術が適しているのかを、横断的に判断しやすいのが利点です。

 

マウスピースによる治療なら歯科・口腔外科

 

マウスピース(口腔内装置)は、下あごを前方に保って気道を広げる治療です。軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸や、CPAPが合わない方で検討されます。まず睡眠時無呼吸症候群がないかを評価したうえで、歯科でカスタム装置を作製・調整し、定期的にフォローすることが推奨されています。

 

お子さんのいびきは耳鼻咽喉科での評価が大切

 

子どものいびきは、アデノイド口蓋扁桃の肥大が原因のことが多く、睡眠中の呼吸障害があると成長や集中力に影響することがあります。夜間のいびき、口呼吸、苦しそうな呼吸がみられる場合は、早めに耳鼻咽喉科で相談することが大切です。

 

早期受診が推奨されるいびきのサイン

 

以下のような症状がある場合は、いびきを放置せず早期の受診を検討しましょう。

  • 家族から呼吸が止まっていると言われる
  • 日中の眠気が強く、仕事や運転に支障がある
  • 起床時に頭痛やだるさを感じる
  • 夜間に何度もトイレに起きる
  • 子どもが口呼吸や苦しそうな寝方をしている

 

いびきの精密検査の流れ

 

診察ではまず問診を行い、鼻やのどの状態を確認します。その後の検査は一般的に以下のステップで進みます。

 

  1. ステップ1:問診と物理的診察
    症状の聞き取りに加え、鼻やのどの構造に異常がないかを視診で確認します。
  2. ステップ2:自宅での簡易検査
    寝る前に専用の装置を装着し、睡眠中の酸素飽和度や呼吸の状態を簡易的に測定します。
  3. ステップ3:睡眠ポリグラフ検査(PSG)
    より詳しい解析が必要な場合、医療機関に宿泊して脳波や心電図を含めた包括的な呼吸状態を評価します。PSGは診断の標準検査です。

 

いびきと睡眠時無呼吸症候群の主な治療法

 

検査結果に基づき、患者さんの症状やライフスタイルに合わせた治療法が選択されます。

 

生活習慣の改善 肥満の解消(減量)や就寝前の飲酒制限は治療の基本です。
CPAP(持続陽圧呼吸療法) 中等症から重症の方に対する標準的な治療で、マスクから空気を送り込み気道を確保します。
マウスピース 下あごを固定して気道を広げます。携帯性に優れ旅行時にも便利ですが、改善効果は個人差があります。
手術治療 鼻中隔の矯正や扁桃摘出など、上気道の構造的異常が明らかな場合に検討されます。
専門的な治療 特定の条件を満たす場合に、舌下神経電気刺激療法などが検討されることがあります。

 

まとめ:適切な診療科選びが健康への第一歩

 

いびきで受診先に迷ったときは、鼻づまりや口呼吸など鼻・のどの問題が気になるなら耳鼻咽喉科、日中の強い眠気や無呼吸の指摘があり睡眠時無呼吸症候群が疑われるなら呼吸器内科・睡眠外来、マウスピース治療を考えるなら歯科・口腔外科、という考え方が実用的です。いびきと睡眠時無呼吸症候群は原因が重なりやすいため、複数診療科が連携できる体制があるとより安心です。

 

よくある質問(FAQ)

 

Q. いびきだけでも耳鼻咽喉科を受診してよいですか?

はい。いびきの背景には鼻炎、鼻中隔弯曲症、扁桃肥大など耳鼻咽喉科で評価しやすい原因が少なくありません。とくに鼻づまりや口呼吸がある方は、耳鼻咽喉科での診察が役立ちます。

 

Q. 耳鼻科と内科で迷ったら、どちらが先ですか?

鼻づまりやのどの狭さが気になるなら耳鼻咽喉科、無呼吸の指摘や日中の眠気、肥満・高血圧があるなら呼吸器内科睡眠外来が向いています。迷う場合は、睡眠医療を広く扱う医療機関で相談する方法もあります。

 

Q. 市販のいびき対策グッズだけで様子を見ても大丈夫ですか?

軽いいびきに見えても、背景に睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。自己判断だけでは危険な場合もあるため、客観的な睡眠検査を受けることが大切です。

 

当院の診療について
当院では内科として睡眠時無呼吸症候群の検査・治療に対応しています。一方、鼻づまりや扁桃肥大など耳鼻咽喉科的な原因が主と考えられるいびきでは、適切な耳鼻咽喉科受診をご案内しています。いびきに加えて日中の眠気、起床時頭痛、夜間頻尿、無呼吸の指摘がある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるためご相談ください。

 

執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

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