メニュー

健康診断で要精密検査と言われたら何科へ行く?受診先の目安と放置リスクを医師が解説

[2026.04.04]

健康診断で「要精密検査」と書かれていると、重大な病気ではないかと不安になる方は少なくありません。ですが、健診のようなスクリーニング検査には、病気がなくても陽性になる偽陽性があります。つまり、「要精密検査」は必ずしも病気の確定を意味するものではありません。一方で、生活習慣病の多くは自覚症状がほとんどないまま進行するため、結果を自己判断で放置するのも避けるべきです。大切なのは、慌てずに必要な追加検査につなげることです。

 

結論から言うと、健康診断で要精密検査になったときに何科へ行けばよいか迷ったら、まずは内科かかりつけ医、または地域で受診しやすい総合診療の窓口に相談するのが基本です。厚生労働省は、気になることがあればまずかかりつけ医に相談する受診行動を勧めており、総合診療科は「どの科にかかればよいかわからない」ケースの入り口として機能します。

 

 

 

健診結果で「要精密検査」が出た際の正しい判断基準

 

最初に確認したいのは、健診結果票の異常を指摘された項目判定区分コメント欄です。健診機関によっては、受診を勧める診療科が書かれていることがあり、その案内があればまずはそれを優先して問題ありません。自覚症状がなくても体の変化のサインである可能性があるため、先延ばしにせず早めに相談しましょう。

 

ただし、大病院の総合診療科や専門外来は、紹介状が前提になっていることがあります。実際に、国立国際医療研究センター病院では総合診療科・初診ともに原則紹介状が必要と案内されています。まずは近くの内科やかかりつけ医で相談し、必要なら専門科へ紹介してもらう流れが現実的です。

 

項目別・受診すべき診療科の目安一覧

 

指摘された項目ごとに、受診先の目安をまとめました。自分の結果に照らし合わせて確認してください。

 

指摘された項目 受診先の目安
肝機能(AST、ALT、γ-GT) 内科、消化器内科、肝臓内科
血圧高値・心電図異常 内科、循環器内科
血糖値・HbA1c 糖尿病内科、内分泌・代謝内科、内科
脂質異常(コレステロール等) 内科、糖尿病内科、内分泌・代謝内科
尿たんぱく・腎機能低下 腎臓内科
尿潜血 泌尿器科、腎臓内科
胸部X線異常 呼吸器内科
便潜血陽性 消化器内科、胃腸内科

 

例えば肝機能に異常がある場合、日本肝臓学会の資料でも、かかりつけ医の受診に続き、必要に応じて消化器内科で詳しい検査を受ける流れが示されています。また、便潜血陽性の場合は、再度便を調べるのではなく大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることが推奨されています。

 

病院選びのポイントと受診までの手順

 

受診先の選択肢は、大きく分けて健診を受けた医療機関かかりつけ医総合病院の3つです。CT、MRI、内視鏡、専門的な心臓検査などが必要になりそうな場合は、以下のステップで受診を進めるとスムーズです。

 

  1. 近隣のクリニックやかかりつけ医を受診
    まずは身近な医療機関で健診結果を提示し、現在の状況を相談します。
  2. 紹介状の発行を依頼
    専門的な検査が必要と判断された場合、適切な総合病院への紹介状を書いてもらいます。
  3. 紹介先の専門病院を受診
    紹介状を持参して総合病院を受診します。これにより選定療養費の追加負担を抑えられるメリットもあります。

 

紹介状なしで大病院を初診受診すると、現行の制度では選定療養として7,000円以上の負担が求められることがあります。また、病院によっては健診結果票だけでは紹介状として扱われないこともあるため注意が必要です。

 

スムーズな診療のために持参すべきもの

 

受診当日は、以下のものを準備しておきましょう。特に過去のデータとの比較は診断において非常に重要です。

 

健康診断の結果票一式 今回の精密検査の根拠となるため、必ず原本を持参してください。
保険証・マイナカード 医療機関の受診に必須です。
お薬手帳 現在服用中の薬がある場合、検査内容に影響することがあります。
過去の健診結果 数値の推移を比較することで診断の精度が上がります。
紹介状・画像データ 他の医療機関から発行されている場合は必ず持参しましょう。

 

精密検査を自己判断で放置してはいけない理由

 

「症状がないから大丈夫」と放置すると、本来なら早期に見つけられた病気が進行する可能性があります。厚生労働省によれば、生活習慣病は無症状のまま進行することが多く、国立がん研究センターも便潜血陽性者には早期の精査を強く勧めています。

 

一方で、精密検査の結果、治療不要な経過観察で済むと分かり安心できるケースも多々あります。自己判断で結論を出すのではなく、専門家の診断を受けることが、将来の健康を守るための最も重要なステップです。

 

自覚症状がある場合は結果を待たずに早期受診を

 

健診結果を待っている間であっても、以下のような症状がある場合は早急に医療機関を受診してください。

  • 胸の痛みや息切れ:循環器内科または呼吸器内科へ。
  • 血便・腹痛・便通異常:消化器内科へ。
  • 目に見える血尿:一度でもあれば泌尿器科へ。

 

日本呼吸器学会などは、症状が軽くても放置せず受診することを勧めています。特に進行したがんは症状が出てからでは治療が難しくなることもあるため、早めの行動が大切です。

 

健康診断の再検査に関するよくある質問

 

要精密検査と言われたら何科に行けばいい? 迷ったらまずは内科かかりつけ医で問題ありません。適切な専門科へつないでくれます。
便潜血が陽性なら、もう一度便検査をすればいい? いいえ。精密検査には大腸内視鏡検査が必要です。再度同じ便検査をしても代わりにはなりません。
紹介状なしで大病院を受診できますか? 可能ですが、選定療養費がかかるほか、病院によっては紹介状が必須な場合もあります。

 

まとめ:健診結果を活かして健康を守りましょう

 

健康診断で「要精密検査」と判定されたら、まずは内科・かかりつけ医に相談するのが第一歩です。そのうえで、項目に合わせて消化器内科、循環器内科、糖尿病内科などの専門科を検討しましょう。

症状がないからと先延ばしにせず、健診結果票を持って早めに受診し、必要な検査を受けることが、ご自身の健康を維持するためのいちばん確実な方法です。

 

執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

ご予約はこちら

HOME

ブログカレンダー

2026年4月
« 3月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

chatsimple