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多汗症・汗かきの原因と治療法|ワキ汗・手汗・顔汗にも対応|山形県米沢市のきだ内科クリニック

[2025.08.10]

 

多汗症の治療について|山形県米沢市のきだ内科クリニック

 

多汗症とは?

 

多汗症は、体温調節に必要な量を超えて異常に発汗が増える病気です。手のひら・足の裏・脇・頭部など特定の部位に大量の汗が出てしまい、仕事・勉強・人間関係など日常生活に支障をきたすことがあります。
単なる「汗っかき」とは異なり、本人の意思ではコントロールできず、生活の質(QOL)を大きく低下させることもあります。

 

治療の目的

 

多汗症の治療は「汗を完全になくすこと」ではなく、日常生活で困らないレベルまで発汗を抑えることを目指します。
症状の部位・重症度・ライフスタイルに応じて治療法を選びます。

 

【部位別】多汗症・汗かきの種類と治療

 

1. ワキ汗(腋窩多汗症)

ワキ汗は衣類の汗ジミやニオイの原因となり、仕事や日常生活に影響します。
原因:交感神経の過剰な働き
治療

  • 保険適用の外用薬

    • エクロックゲル5%

    • ラピフォートワイプ2.5%

  • 必要に応じて内服薬や生活指導
    重度の場合は皮膚科でのボトックス注射も選択肢になります。

 

2. 手汗(手掌多汗症)

手汗は書類やスマホが濡れる、握手を避けるなど社会生活に影響します。
治療

  • 保険適用薬:アポハイドローション20%(就寝前に塗布)

  • 内服薬(抗コリン薬)や自律神経調整薬の併用も可能

 

3. 顔汗(顔面多汗症)

顔汗は見た目の印象に直結し、人前での発表や接客業の方に大きな悩みとなります。
治療

  • 保険適用薬はなし

  • 内服薬(プロ・バンサイン)

  • 自律神経調整薬(トフィソパム)

  • 漢方薬(加味逍遥散など)
    緊張時のみ頓服として使用する方法もあります。

 

4. 全身的な汗(全身性多汗症)

全身に大量の汗をかく場合は、原因が体質だけでなく病気によることもあります。
主な原因

  • 原発性(体質・自律神経の働き)

  • 続発性(甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害、感染症、薬剤など)

治療

  • 原因疾患の治療

  • 原発性の場合は内服薬・自律神経調整薬・漢方薬
    当院では血液検査で病気の有無を確認した上で治療を提案します。

 

当院で対応できる多汗症の治療

 

当院では、ボトックス注射やイオントフォレーシス療法は行っておりませんが、患者さんから多汗症について相談を受ける機会が多いため、外用薬・内服薬など内科的治療法についてもご案内可能です。
外用薬は皮膚科の専門領域ですが、お困りの場合は当院でも相談・処方に対応します。

 

1. 外用薬(塗り薬・シート)

 

エクロックゲル5%

  • 商品名(販売名):エクロック®ゲル5%

  • 一般名:ソフピロニウム臭化物

  • 保険適用:原発性腋窩多汗症(12歳以上)

  • 特徴:日本初の保険適用外用抗コリン薬。アプリケーター付き容器で手を汚さずに塗布可能。

  • 使用方法:1日1回、両脇に塗布。就寝前または日中でも可。

  • 効果発現:およそ2週間で発汗量が減少

  • 副作用:皮膚刺激、乾燥、口渇、目のかすみなど

  • 注意点:閉塞隅角緑内障や前立腺肥大症では禁忌

 

ラピフォートワイプ2.5%

  • 商品名(販売名):ラピフォート®ワイプ2.5%

  • 一般名:グリコピロニウムトシル酸塩

  • 保険適用:原発性腋窩多汗症(9歳以上)

  • 特徴:使い切りシートタイプ。外出先でも使いやすく衛生的。

  • 使用方法:1日1回、1枚で両脇を拭く

  • 効果発現:1~2週間で発汗減少を実感

  • 副作用:皮膚刺激、口渇、便秘、視覚障害など

  • 注意点:緑内障・前立腺肥大症の患者では使用不可

 

アポハイドローション20%

  • 商品名(販売名):アポハイド®ローション20%

  • 一般名:グリコピロニウムトシル酸塩

  • 保険適用:原発性手掌多汗症(12歳以上)

  • 特徴:国内初の手汗用保険適用薬。寝ている間に成分が浸透しやすい設計。

  • 使用方法:1日1回、就寝前に両手に塗布し翌朝洗い流す

  • 効果発現:1~2週間で改善を実感しやすい

  • 副作用:皮膚乾燥、かゆみ、口渇など

  • 注意点:皮膚炎がある部位や傷口への塗布は避ける

 

高濃度塩化アルミニウム液(院内製剤/保険外)

  • 商品名(例):特定の商品名はなく、医療機関ごとの院内製剤

  • 一般名:塩化アルミニウム

  • 保険適用:なし(自由診療)

  • 特徴:古くからある制汗剤。汗孔を物理的に塞ぐことで発汗を抑える

  • 使用方法:就寝前に塗布→翌朝洗い流す

  • 副作用:皮膚刺激・かぶれ

  • 注意点:刺激が強い場合は濃度・使用頻度を調整

外用薬は直接皮膚に塗布して発汗を抑えます。
皮膚刺激や乾燥などの副作用が出る場合があるため、症状や肌の状態を見ながら使用方法を調整します。

 

2. 内服薬(飲み薬)

 

プロ・バンサイン

  • 商品名(販売名):プロ・バンサイン®錠15mg

  • 一般名:プロパンテリン臭化物

  • 保険適用:原発性多汗症(限局性)

  • 特徴:多汗症に保険適用が認められている唯一の内服薬

  • 作用機序:副交感神経を遮断し、全身の発汗量を減らす

  • 使用方法:通常は1日3回食後服用(必要に応じて調整)

  • 副作用:口渇、便秘、視覚障害、排尿困難、動悸など

  • 注意点:緑内障、前立腺肥大症、心疾患がある場合は使用不可

 

オキシブチニン

  • 商品名(販売名):ポラキス®錠5mg/10mg ほか(後発品あり)

  • 一般名:オキシブチニン塩酸塩

  • 保険適用:多汗症には適用外(過活動膀胱などで適用)

  • 特徴:欧米では多汗症治療に広く使用されており有効性報告多数

  • 副作用:口渇、便秘、眠気、熱中症リスク

 

ソリフェナシン

  • 商品名(販売名):ベシケア®錠2.5mg/5mg

  • 一般名:コハク酸ソリフェナシン

  • 保険適用:多汗症には適用外(過活動膀胱などで適用)

  • 特徴:持続時間が長く、1日1回投与で効果が続く

  • 副作用:口渇、便秘、視覚障害、熱中症リスク

 

プロ・バンサインの効果

 

1. 発汗を抑える

  • 発汗は、自律神経のうち交感神経が末梢の汗腺に「発汗指令」を送ることで起こります。

  • この指令はアセチルコリンという神経伝達物質を介して汗腺に伝わります。

  • プロ・バンサインはアセチルコリンの作用を遮断し、汗腺からの発汗を抑えます。

  • 効果は全身性で、特定の部位だけでなく全身の汗を減らす作用があります。

 

2. 効果発現の目安

  • 内服後、30分〜1時間程度で効果が現れ、4〜6時間持続します。

  • 緊張時や外出時など、「汗をかきたくない時間」に合わせて服用する方法も可能です。

 

3. 多汗症での使用例

  • 原発性局所多汗症(ワキ汗・手汗・顔汗)で、外用薬や他の治療が効果不十分な場合

  • 全身性多汗症(更年期、甲状腺機能亢進症など原因除外後)で、汗の量を抑えたい場合

  • イベントやプレゼン、接客など、一時的な使用にも向く

 

4. 副作用と注意点

  • よくある副作用

    • 口の渇き

    • 便秘

    • 目のかすみ(特に近くが見えにくい)

    • 排尿困難

    • 動悸

  • 注意が必要な方

    • 閉塞隅角緑内障

    • 前立腺肥大症

    • 重い心疾患

  • 夏場は汗が抑えられることで熱中症リスクが高まるため、水分補給と温度管理が重要です。

 

5. 当院での位置づけ

  • 外用薬で効果不十分な場合や、複数部位の発汗が問題になる場合に処方を検討

  • 必要に応じて「ここぞという時だけ飲む頓服服用」も可能

  • 長期連用は副作用や耐性のリスクを考慮し、定期的に効果と安全性を確認

 

3. 自律神経調整薬・漢方薬の併用

 

■ 自律神経調整薬(精神的緊張型の多汗症に使用)

多汗症の中には、**人前・会議・面接・試験など緊張する場面で急に発汗する「精神性発汗」**が強く出るタイプがあります。
この場合、交感神経の過剰な興奮を抑えて自律神経のバランスを整える薬を併用することで、症状の軽減が期待できます。

 

トフィソパム(商品名:グランダキシン®)

  • 薬効分類:自律神経調整薬(抗不安薬に分類されるが眠気や依存性がほぼない)

  • 作用機序:脳の神経活動を安定させ、交感神経と副交感神経のバランスを整える

  • 特徴

    • 精神的緊張に伴う動悸・発汗・手の震えを軽減

    • 鎮静作用が弱いため、日中の活動を妨げにくい

    • 長期使用でも依存性のリスクが低い

  • 適応:神経症に伴う自律神経症状、更年期障害など(多汗症は保険適応外)

  • 副作用:軽い眠気、胃部不快感、頭痛など

  • 注意点:肝障害や腎障害のある方では投与量を調整

 

その他の併用薬例

  • β遮断薬(例:プロプラノロール/インデラル®)
    緊張時の動悸・手汗を抑える効果があり、舞台恐怖症や発表前の一時的な使用に有効(多汗症は保険適応外)

  • 抗不安薬(例:エチゾラム/デパス®)
    強い不安を伴う場合に短期的に使用するが、依存性の可能性あり長期使用は慎重に

 

■ 漢方薬(体質改善を目的)

 

漢方医学では、多汗症は**「気虚(エネルギー不足)」「陰虚(体内の潤い不足)」「湿熱(体内の熱と水分の停滞)」**などの体質に分類されます。
発汗の原因となる体のバランスの乱れを整えることで、長期的に症状を軽減します。

 

よく使われる漢方薬

  1. 桂枝湯(けいしとう)

    • 体質:虚弱傾向で、風邪を引きやすく、少しの運動で汗をかく

    • 作用:体表の「衛気(えき)」を整えて、過剰な発汗を抑える

    • 対象:寝汗、微熱、風邪後の体力低下

  2. 防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)

    • 体質:色白で疲れやすく、むくみやすい、汗をかきやすい

    • 作用:気を補い、余分な水分を排出して発汗を正常化

    • 対象:軽い運動や日常動作で汗が多いタイプ

  3. 加味逍遥散(かみしょうようさん)

    • 体質:ストレスや情緒不安定で汗が出やすい

    • 作用:気血の流れを整え、自律神経の乱れを改善

    • 対象:精神的緊張・更年期症状を伴う多汗

  4. 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)

    • 体質:体に熱がこもりやすく、口渇や多汗が目立つ

    • 作用:体の熱を冷まし、潤いを補う

  5. 五苓散(ごれいさん)

    • 体質:水分代謝が悪く、むくみやめまいを伴う

    • 作用:水分循環を改善し、体内の余分な水を除く

 

漢方薬の特徴

  • 即効性は西洋薬に劣るが、根本的な体質改善を目指せる

  • 副作用は比較的少ないが、まれに肝障害・発疹・胃腸障害が起こる

  • 患者さんの**証(体質・症状のパターン)**に合わせた処方が必須

 

これらの「自律神経調整薬+漢方薬」は、単独で使うよりも外用薬や内服抗コリン薬と併用することで、発汗コントロール効果が高まるケースが多いです。

 

ボトックス注射(局所注射療法)

  • 強力に発汗を抑える効果があり、脇の重度多汗症は保険適用

  • 手のひら・足・頭部は保険外だが高い有効性

  • 効果は約半年持続、代償性発汗のリスクなし

 

イオントフォレーシス療法

  • 手足の多汗症に有効(保険適用)

  • 通院または家庭用機器で継続治療が可能

 

当院のスタンス

  • 専門的治療(ボトックス注射・イオントフォレーシス)は行っていません

  • 外用薬は皮膚科の方が専門ですが、患者さんからのご相談に応じられるよう情報を整備しています

  • 「まずは相談だけしてみたい」「皮膚科に行く前に話を聞きたい」という方も歓迎します

 

受診を検討されている方へ

多汗症は「体質だから仕方ない」と諦める必要はありません。
保険適用の薬も増えており、適切な治療で生活の質を改善できます。
山形県米沢市で多汗症の症状にお困りの方は、きだ内科クリニックまでお気軽にご相談ください。

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