メニュー

多汗症の治療は何が効く?ワキ汗・手汗・顔汗の薬と対策を医師がわかりやすく解説

[2026.04.01]

多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて、汗が過剰に出る状態を指します。手のひらや足の裏、脇、顔、頭など特定の部位に症状が現れることもあれば、全身に汗をかくこともあります。単なる汗っかきとは異なり、日常生活に大きな支障をきたすことも少なくありません。日本皮膚科学会のガイドラインでも、生活の質(QOL)を著しく低下させる疾患として認識されています。

 

 

多汗症治療の目標

 

当院における多汗症治療のゴールは、汗を完全にゼロにすることではありません。日常生活で困らないレベルまで発汗を抑え、患者様の生活の質を改善することを目標としています。症状の重症度や年齢、肌の状態、ライフスタイルに合わせて、最適な治療法を提案いたします。

 

 

多汗症の種類と原因

 

多汗症には、大きく分けて原発性続発性の2種類があります。全身に大量の汗をかく場合や、夜間の発汗、動悸などの症状を伴う場合は、背景に別の病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。

 

原発性多汗症 特別な病気などの原因がなく、特定の部位や全身に多くの汗をかく状態です。
続発性多汗症 他の病気(甲状腺機能亢進症、糖尿病、感染症など)や薬剤の影響で起こる発汗です。

 

全身性の汗が気になる方には、必要に応じて血液検査などで原因を確認したうえで、適切な治療方針を決定します。

 

当院で提供可能な多汗症の内科的治療

 

当院では、外科的な処置やボトックス注射、イオントフォレーシス療法は行っておりません。その代わりに、外用薬や内服薬を中心とした、体への負担が少ない内科的アプローチで治療を行います。

  • 脇汗・手汗:保険適用の外用薬(塗り薬)による治療
  • 顔汗・頭汗・全身:内服薬(飲み薬)によるコントロール
  • 精神的緊張:自律神経を整える補助的なお薬の検討

 

ワキ汗(腋窩多汗症)の治療

 

ワキ汗は衣類の汗ジミやにおいの原因となりやすく、精神的なストレスを感じやすい部位です。現在は保険適用の外用薬が登場しており、治療の選択肢が広がっています。

 

エクロックゲル5%

 

有効成分 ソフピロニウム臭化物
使用方法 1日1回、両脇に塗布します。
主な副作用 塗布部位の赤み、かゆみ、口の渇き、目のかすみなど。
使用できない方 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大による排尿障害がある方。

 

ラピフォートワイプ2.5%

 

有効成分 グリコピロニウムトシル酸塩水和物
特徴 使い切りシートタイプで、外出先でも衛生的に使用可能です。
使用方法 1日1回、1包のシートで両脇を拭きます。使用後は必ず手を洗ってください
使用できない方 閉塞隅角緑内障、排尿障害がある方。

 

手汗(手掌多汗症)の治療

 

手汗は書類を濡らしたり、デバイスの操作を妨げたりするなど、仕事や学業に影響を与えます。手汗専用の保険適用薬としてアポハイドローションが使用可能です。

 

アポハイドローション20%

 

有効成分 オキシブチニン塩酸塩
使用方法 就寝前に、1回5プッシュ程度を両手のひらに塗布します。
注意点 塗布後は翌朝まで手を洗わず、目を擦らないように注意してください。
使用できない方 緑内障、排尿障害、重篤な心疾患、重症筋無力症など。

 

顔汗・頭汗(顔面・頭部の多汗)の治療

 

顔や頭の汗は見た目の印象に直結するため、接客業や面接などで悩まれる方が多い症状です。現在は有効な外用薬が限られているため、内服薬による治療が中心となります。

 

プロ・バンサイン錠15mg

 

全身の発汗を抑える作用があるため、顔や頭、あるいは複数箇所の多汗に高い効果を発揮します。

  • 用法:通常、成人は1回1錠を1日3〜4回服用します。
  • 副作用:口の渇き、便秘、目のかすみ、眠気などが現れることがあります。
  • 注意体温が上がりやすくなるため、夏季の水分補給には十分注意が必要です。

 

グランダキシン錠50

 

緊張や自律神経の乱れが発汗に影響している場合に、補助的な治療として使用します。

  • 適応:自律神経失調症や更年期障害に伴う発汗。
  • 特徴緊張すると一気に汗が出るという方に適しています。

 

全身の多汗や体質に合わせたアプローチ

 

全身に汗をかく場合は、まず原因となる疾患(甲状腺疾患など)がないかを精査します。特定の原因がない場合は、プロ・バンサインなどの内服薬による治療を検討します。

 

また、患者様の体質(冷え、のぼせ、疲れやすさ等)によっては、漢方薬を補助的に併用することで、症状が緩和されるケースもあります。お一人おひとりの症状の現れ方に合わせた処方を心がけています。

 

当院での治療の流れと相談について

 

多汗症は「体質だから」と諦めてしまう方も多いですが、現在は保険診療でコントロールが可能な疾患です。当院では患者様の悩みに寄り添い、以下のステップで診療を進めます。

 

  1. カウンセリングと原因確認
    どの部位の汗で、どのような場面で困っているか、背景に病気が隠れていないかを詳しく確認します。
  2. 治療法の選択
    症状の部位や程度に合わせ、エクロック、ラピフォート、アポハイド、プロ・バンサインなどの最適な薬を選定します。
  3. 経過観察と調整
    お薬の効果や副作用の有無を確認しながら、必要に応じて漢方薬などの補助療法を組み合わせます。
  4. 専門機関への連携
    外用薬や内服薬での改善が難しい場合、皮膚科などの専門医療機関へスムーズにご紹介いたします。

 

山形県米沢市周辺で、脇汗、手汗、顔汗などの多汗でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。快適な毎日を取り戻すためのお手伝いをさせていただきます。

 

執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

ご予約はこちら

HOME

ブログカレンダー

2026年4月
« 3月    
 12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

chatsimple