尿でがんリスクを調べる「マイシグナル」|高リスク時の精査まで解説【山形県米沢市】
がんが心配だが、どの検査を受ければよいかわからない、家族にがんになった人がいる、人間ドックに詳しいがん対策を追加したい、といった悩みをお持ちではありませんか。当院ではマイシグナルを通じて、がんリスクを早めに把握し、必要な検査につなげる体制を整えました。
マイシグナル・スキャンは、尿中のマイクロRNAを解析し、部位ごとのがんリスクを評価する検査です。がん細胞が放出する特定の物質に着目することで、精度の高いリスク判定を目指しています。
マイシグナルとは
マイシグナルは、尿に含まれるマイクロRNAをAIで解析し、現在のがんリスクをがん種別に評価する検査です。
マイクロRNAは、細胞の遺伝子調節に関わる微細な分子です。2024年のノーベル生理学・医学賞の対象となった研究分野でもあり、医学・生命科学において非常に重要な研究対象となっています。
従来のがん検診や腫瘍マーカーは、がんが進行してから反応することがありました。一方、マイシグナルは尿中の発現パターンを解析するため、新しいアプローチでがんリスクを評価します。なお、この検査は画像検査などと併用することで、より効果的な健康管理に役立てられます。
検査対象となる10種類のがん
マイシグナル・スキャンでは、以下の部位のがんリスクを同時に評価することが可能です。
| 男女共通のがん | 肺がん、胃がん、大腸がん、食道がん、すい臓がん、腎臓がん、膀胱がん |
|---|---|
| 男性のみ対象 | 前立腺がん |
| 女性のみ対象 | 乳がん、卵巣がん |
がん種ごとに個別のリスク判定が出るため、高リスクと判定された部位に絞って精密検査を検討できるのが大きな特徴です。
マイシグナルの科学的根拠と精度
マイシグナルは、国内外の研究機関との共同研究や学会発表、論文掲載が積極的に行われています。
国立がん研究センターなどが関わった研究では、ナノワイヤ技術を用いることで、尿1mLから1000種類以上のマイクロRNAを検出することに成功しました。これにより、従来は難しかった尿からの情報収集が高い精度で可能となっています。
特にすい臓がんに関しては、2024年の医学誌eClinicalMedicineにて、早期段階でも高い感度でリスクを検出できたとの研究結果が報告されました。研究条件下では、ステージIやIIの早期すい臓がんにおいても、従来の血液検査より高い有用性が示されています。
確定診断ではないことへの理解
検査を受けるにあたって、最も重要な点があります。マイシグナルはがんの有無を確定する検査ではなく、あくまでスクリーニング検査です。
高リスクと判定された場合は、医療機関で追加の精密検査を受ける必要があります。また、低リスクであっても「がんが100%ない」と断定はできません。がん検診には必ず限界があるため、通常の検診と組み合わせて活用することが大切です。マイシグナルは、がんリスクを早期に知り、適切な医療につなげるための有力な選択肢となります。
高リスク判定時の当院の対応
高リスクと判定された場合でも、すぐにがんと決まるわけではありません。当院では、結果に基づき、患者さまの症状や背景を考慮して最適な次の一手を判断します。
| 状況 | 当院での対応 |
|---|---|
| 自覚症状がない方 | リスクの高い部位に応じて、自由診療での人間ドックや内視鏡検査をご案内します。 |
| 自覚症状がある方 | 医師が診察を行い、症状や身体所見に基づき、保険診療での精査を適切に判断します。 |
| 対応困難な部位 | 必要に応じて、適切な専門医療機関への紹介を速やかに行います。 |
症状がない方へのドック案内
自覚症状がない場合、高リスク判定のみでは保険診療が適用されないことがあります。その際は、当院の各種ドックをご活用ください。
胃・大腸・食道のリスクが高い場合は、胃カメラや大腸カメラを検討します。当院では鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査を行っており、専門医による精密な診断が可能です。すい臓や腎臓などのリスクに対しては、腹部エコーや血液検査などを組み合わせ、多角的に評価します。
症状がある方への保険診療対応
すでに気になる症状がある方は、単なるスクリーニングの枠組みを超えた対応が必要です。血便、腹痛、体重減少、長引く咳などの症状がある場合は、医師の判断により保険診療での精査を行います。
当院で実施可能な検査のほか、必要であればCTやMRIを保有する提携病院、あるいは乳腺外科や泌尿器科といった専門診療科へご紹介します。不安な症状がある方は、検査結果をお持ちの上でまずはご相談ください。
他の尿がん検査との違い
尿を用いたがん検査には他にも種類がありますが、マイシグナルの最大の特徴はがん種別の評価ができる点です。
例えば、全身の反応を見る検査では「どこにリスクがあるか」までは分かりません。マイシグナルは10種類のがんを個別に評価するため、次に受けるべき精密検査が明確になるというメリットがあります。効率的にがん対策を進めたい方に適した検査といえます。
マイシグナルをおすすめしたい方
以下に該当する方は、検査の検討をおすすめします。
- 40歳以上でがんのリスクが気になり始めた方
- 家族や親族にがんの既往歴がある方
- 喫煙や飲酒の習慣がある方
- 身体への負担が少ない検査から始めたい方
- 特定の部位(すい臓や胃など)が特に気になる方
検査の流れ
当院で検査をご希望の場合は、以下の手順で進めてまいります。
-
ご予約とご相談
来院時またはお電話にて「マイシグナル希望」とお伝えください。 -
検査説明と採尿
医師またはスタッフが注意事項を説明し、院内にて採尿を行います。 -
解析と結果の送付
検体を専門の検査所へ送り解析します。結果が出るまで約1カ月ほどかかります。 -
結果の確認と事後相談
お手元に届いた結果を確認し、不安な点や高リスク判定があった場合は当院へご相談ください。
費用と注意事項
マイシグナルは自由診療となるため、健康保険は適用されません。
| 検査費用 | 当院規定価格(詳細は窓口へお問い合わせください) |
|---|---|
| 対象外の方 | 妊娠中の方、20歳未満の方 |
| 留意事項 | 血尿は結果に影響するため、生理中の採尿は避けてください。 |
検査料金
マイシグナル・スキャン(尿中マイクロRNA がんリスク検査)
- 料金:63,000円(税抜)
- 税込価格:69,300円
- 自費診療(健康保険適用外)となります。
検査は尿を採取するだけで受けられます。検査結果は通常、採尿後数週間でお知らせします。結果に応じて必要な精密検査や今後のフォローについて、消化器内科・内視鏡専門医が丁寧にご説明いたします。
がんの早期発見につなげるためには、検査結果を適切に解釈し、必要に応じて胃カメラ・大腸カメラ・CT・MRIなどの精密検査へ進むことが重要です。当院では検査後のご相談から精密検査まで、一貫してサポートいたします。
よくある質問
Q. 高リスクであれば「がん」ということですか?
いいえ、確定ではありません。高リスクは精密検査を受けるべき目安です。確定診断には画像診断や内視鏡、組織検査が必要です。
Q. 低リスクなら100%安心ですか?
低リスクは現時点でのリスクが低いことを示しますが、がんを完全に否定するものではありません。定期的な検診との併用を推奨します。
Q. 症状がないのに高リスクでした。どうすればいいですか?
当院の人間ドックや内視鏡ドックでの精査をご案内します。部位に合わせて最適な自費検査を提案し、早期発見につなげます。
Q. 通常のがん検診の代わりになりますか?
代わりにはなりません。各検査には得意・不得意があります。マイシグナルは既存の検診を補完する新しいツールとしてご活用ください。
まとめ
マイシグナルは、身体への負担が少ない尿検査でがんリスクを知ることができる、画期的な選択肢です。
特に早期発見が難しいすい臓がんなどのリスクを把握するきっかけとして、非常に有用です。最も大切なのは、高リスクという判定を放置せず、適切な精密検査へつなげることです。米沢市および置賜地域でがんリスク検査をご検討の方は、ぜひ当院へご相談ください。
執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)
