【脂肪肝を早期改善】MASLD・MASHとは?放置で肝硬変・肝がんリスク|きだ内科クリニック
【専門医が解説】脂肪肝(MASLD/MASH)とは?放置すると肝がんリスクも|早期発見・治療は当院へ
脂肪肝(MASLD/MASH)が急増中!肝がん予防のために知っておきたい基礎知識
近年、日本では「非B型・非C型の肝がん」が急増しています。
その大きな原因のひとつが、**脂肪肝(MASLD)**です。
脂肪肝を放置すると、肝硬変や肝がんへ進行する危険性があり、早期の対策がとても重要です。
当院では、脂肪肝の早期発見から、生活改善指導、必要に応じた専門的治療まで、トータルでサポートしています。
肝機能異常を指摘された方、生活習慣が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。
脂肪肝(MASLD)とは?MASHとの違いもわかりやすく解説
脂肪肝とは、肝臓に脂肪が過剰にたまった状態です。
特に、肥満や運動不足、糖質・脂質の多い食生活などが原因で起こる脂肪肝を、
現在は**代謝機能障害関連脂肪肝疾患(MASLD:Metabolic Dysfunction Associated Steatotic Liver Disease)**と呼びます。
いわば「メタボ型脂肪肝」です。
さらに、脂肪肝に炎症や線維化が進んだ重症型をMASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)と呼びます。
MASHは、将来的に肝硬変や肝がんへ進展するリスクが高く、特に注意が必要です。
脂肪肝を放置するとどうなる?
脂肪肝(MASLD/MASH)は、初期には症状がほとんどありません。
しかし、放置していると、以下の深刻な病気に進行する可能性があります。
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肝硬変
だるさ、むくみ、食欲低下、黄疸、腹水などの症状が出ます。元に戻すことは非常に困難です。 -
肝がん(肝細胞がん)
肝硬変を経て発生するケースが多く、早期発見が難しいため死亡率も高くなります。
だからこそ、脂肪肝の段階でしっかり対策を取ることが重要なのです。
脂肪肝(MASLD/MASH)の主な原因
脂肪肝を引き起こす主なリスクは、次のとおりです。
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肥満(BMI23以上、腹囲:男性94cm以上、女性80cm以上)
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2型糖尿病(空腹時血糖100mg/dL以上、HbA1c5.7%以上)
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高血圧(130/85mmHg以上)
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脂質異常症(中性脂肪150mg/dL以上、HDLコレステロール低値)
さらに、
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糖質・脂質過多な食生活
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運動不足
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アルコール過剰摂取
も脂肪肝を悪化させます。
生活習慣病と脂肪肝は、密接に関連しているのです。
脂肪肝の診断はどうする?当院で行う検査
当院では、脂肪肝・MASHの診断のために以下の検査を実施しています。
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血液検査
GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP(GGT)など、肝機能を見る指標をチェックします。 -
線維化マーカー検査
FIB-4 index、M2BPGiなどで、肝臓の線維化の進行度を推定します。 -
腹部エコー検査(超音波検査)
脂肪蓄積の有無を確認し、肝臓の形態、内部所見から線維化に有無を想定します。
肝線維化の進行が、肝がん発生に関係し重要な指標
肝線維化の進行を評価するためには、いくつかの検査方法が用いられます。
1. 線維化マーカー検査
肝線維化が進行し、肝硬変に近づいているかどうかを推定するための血液検査です。
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M2BPGi(Mac-2結合タンパク糖鎖複合体)
脂肪肝が進行して肝硬変に近づくと高値になります。
- M2BPGiが1を超えると肝硬変への進行が始まっている可能性
- 2以上では、多くの方がすでに肝硬変に進展している可能性があります。 -
FIB-4 index
GOT(AST)、GPT(ALT)、血小板数、年齢をもとに算出される数値で、一般的に普段から測定されることが多い検査項目です。
- 65歳以上:2.0を超えると要注意
- 35〜65歳:1.3を超えると要注意
- 35歳未満:精度が低いため、他の検査で判断します
FIB-4 indexは、インターネット上の専用サイトで簡単に計算できます。
【FIB-4 indexの結果解釈(35~65歳の場合)】 - 1.30未満:肝硬変への進行リスクは低い - 1.30〜2.67:NASH(非アルコール性脂肪肝炎)の可能性あり。肝硬変への進行リスクもあるため、肝臓専門医の受診を推奨 - 2.67以上:肝硬変または肝硬変に近い状態の可能性が高いため、定期的な専門医の受診と治療が必要
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NAFLD fibrosis score
年齢、BMI、耐糖能異常・糖尿病の有無、GOT(AST)、GPT(ALT)、血小板数、アルブミン値から算出される指標です。これもウェブサイトで計算できます。
【NAFLD fibrosis scoreの結果解釈】 - -1.455未満:肝硬変リスクは低い - -1.455〜0.675:肝硬変へ進行する可能性あり - 0.675以上:すでに肝硬変、または肝硬変に近い状態の可能性あり
2. 血液検査
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血小板数
脂肪肝が進行し肝硬変が近づくと、血小板数が減少してきます。
特に、18万/μL以下の場合は要注意とされます。
3. 腹部エコー検査(腹部US)
超音波で肝臓の状態を観察します。脂肪が蓄積すると、肝臓が白っぽく見えるのが特徴です。
さらに、**SWE(Shear Wave Elastography:シアウェーブエラストグラフィー)**という技術を使用し、**肝臓の硬さ(肝硬度)**を数値化して評価できます。
【SWEの基準】
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SWE値が1.5以上:将来的に肝硬変へ進行するリスクあり
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SWE値が1.9以上:すでに肝硬変に進展している可能性が高い
4. 肝生検(組織診断)
右脇腹から針を刺し、肝組織を採取して顕微鏡で観察する検査です。
他の検査で診断が難しい場合や、肝硬変への進行が強く疑われる場合に実施されます。
2~3日の入院が必要です。
肝硬変と診断された場合は?
肝硬変と診断された患者さんには、定期的な肝がんスクリーニングが推奨されます。
通常は、
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腹部超音波検査(腹部US)
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血液検査(AFP:アルファフェトプロテイン)
を6ヶ月ごとに行い、異常があればさらに詳しい診断に進みます。
糖尿病患者さんに対しても要注意
糖尿病患者さんにおいても、FIB-4 indexを活用し、線維化の進行を早期に囲い込む対策が重要とされています。
脂肪肝は「生活改善」で予防・改善できます!
脂肪肝の最大の治療は、生活習慣の見直しです。
【食事療法】
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総摂取カロリーを適正に
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糖質制限(特にジュースやお菓子、糖度の高い果物に注意)
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飽和脂肪酸(肉の脂・バターなど)を減らし、良質な脂(魚・ナッツ・オリーブオイルなど)を摂取
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アルコールは週2日以下、1回量も適度に
【運動療法】
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ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動
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筋トレ(レジスタンス運動)を組み合わせて筋力アップ
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継続がカギ!無理せず、楽しく行いましょう
【体重管理】
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肥満がある場合、体重の5〜7%減少を目標に
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正常体重でも、3〜5%減量で肝機能改善が期待できます
必要に応じて薬物治療もサポートします
生活改善だけでは効果が不十分な場合、当院では以下の薬物治療も併用します。
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ビタミンE補充(酸化ストレスの軽減)
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生活習慣病の治療薬(高血圧・糖尿病・脂質異常症の管理)
患者さん一人ひとりの状況に応じて、最適な治療プランをご提案しますのでご安心ください。
脂肪肝(MASLD/MASH)は早期発見・早期対策がカギ!
脂肪肝は、早めに気づき、正しく対策すれば改善できる病気です。
逆に、放置すれば肝硬変・肝がんという重大な疾患に進行するリスクがあります。
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健康診断で肝機能異常を指摘された方
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体重増加やメタボが気になる方
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糖尿病・高血圧・脂質異常症を指摘されている方
こうした方は、ぜひ当院でご相談ください。
専門医による丁寧な診察と、生活指導・治療サポートを行っています。
💬 脂肪肝が心配な方は、お気軽にご予約・ご相談ください!