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 ヒートショックの疑問にお答えします

[2023.12.17]

ヒートショックってなに?

寒暖差の激しい場所を行き来すると、血圧が急に上がり下がりし身体に悪影響を及ぼし心臓や脳の病気を引き起こします。寒い場所では、熱を奪われないように血管が縮み、血圧が上がります。 逆に入浴など暖かい場所では、血管が広がって急に血圧が下がります。 これは環境の変化に合わせて体温を一定に保つための体の働きのためです。急激な血圧低下により、意識を失う失神での転倒によるケガ、溺水、急な血圧上昇による脳卒中や心筋梗塞を発症する危険が高まリます。

ヒートショックの現状、特徴は?

消費者庁の資料によると、高齢者の家および居住施設の浴槽における死亡者数は、令和元年の調べでは1年に4,900人以上もいるといわれています。その数は1年の交通事故の死者数、3,215件よりも多い数値です。

特に 75 歳以上の年齢層で、10年前よりも大きく増加しています。高齢者の増加に伴いさらに増えることが予想されます。

ヒートショックになりやすい人、状況はあるのでしょうか?

・高齢者、65歳以上(特に75歳以上)
・心臓や膿卒中などの病気を過去に患ったことがある方
 狭心症、心筋梗塞、脳出血、脳梗塞の既往で治療中の方

・その他、心血管疾患のげんいんとなる、不整脈、高血圧、糖尿病など持病をお持ちの方
・注意すべきヒートショックを起こしやすい状況
 飲酒直後に入浴する
 食直後に入浴する
 薬を飲んだ直後に入浴する
 一番風呂
 深夜に入浴
 熱い湯(42℃以上)に、首まで長くつかる
 浴室・脱衣所・トイレに暖房設備がなく、冬場は寒い
 浴室がタイル張りで窓があり、冬場は寒い
 居間と浴室、トイレが離れている

ヒートショックを防ぐにはどうしたらよい?対策は?

 

ポイント①
対策として、まずは、入浴前の湯はり時に、浴室を暖めましょう。
ヒートショックは温度差が原因となるため、やはり入浴前に余裕を持って浴室を暖めておくことがポイントです。
お風呂を沸かすときに、浴室暖房乾燥機をONにする習慣がつくとヒートショック対策になりますね。

ポイント②
次に、脱衣室も事前に暖めておきましょう。
浴室と脱衣室の温度差も、ヒートショックにおいて注意が必要になります。
こちらも、対策するために、入浴前にしっかりと暖房をいれておきましょう。
脱衣室用の暖房もたくさん種類がありますが、安全性を考えると、天井や壁上部に設置できるようなものがよさそうです。

ポイント③
3点目は、お風呂のお湯はりの温度です。お風呂を沸かす際には、41度以下に設定しましょう。
自動お湯はり機能がある給湯器なら、リモコンで設定が可能です。また、温度計を使って自分で調整するのもよいですね。
一緒に住んでいる家族の中に高い温度に設定したい人がいる場合も、ヒートショック対策のためということで声をかけましょう。

ポイント④
続いて、入浴前には家族に一言かけましょう。
先ほどの湯温の設定と同じように、一緒に住んでいる家族の中で声をかけ合っていくことで、何かあった場合にも助け合うことができそうです。
離れて暮らす家族では、ヒートショックを気にして、入浴の前後で電話やメールをし合う、ということも聞いたことがあります。
ヒートショック対策をきっかけに、家族とのコミュニケーションが増えると、さらによいですね。

ポイント⑤
5点目は、入浴前に水分を取ることです。
入浴していると、意外と知らない間に汗をかいています。
入浴後に牛乳を…というのは昔ながらの習慣でやったことがある方もいるのではないでしょうか。
入浴前にも水分を取っておくことで、熱中症(熱いお風呂に長時間入ると熱中症になる恐れもあります)などの予防にもつながります。
麦茶など、体にやさしい飲み物を選んできちんと対策していきましょう。

ポイント⑥
次は、入浴中の対策ポイントです。いきなり湯舟に入らず、かけ湯をしてから入りましょう。
銭湯や温泉では、体を洗ったりかけ湯をしてから湯舟につかりますよね。
普段の入浴でも、かけ湯をして体をお湯に慣らすことがヒートショック対策につながっていきます。
湯舟のお湯やシャワーで、手足からお湯をゆっくりかけ、体を入浴に向けて準備しましょう。

ポイント⑦
対策で気を付けたい点の最後は、入浴時間です。入浴時間は、10分以内にしましょう。
気持ちの良いお風呂は、ついつい長居してしまうかもしれません。
のぼせないようにも、なるべく10分以内にあがれると安心ですね。
41度のお湯に10分しっかりと浸かることで、体もリフレッシュできそうですね。

ヒートショックと高血圧について教えて

高血圧の治療中の方は、ヒートショックを防ぐため、入浴前に血圧測定をすることもお勧めです。

血圧上昇だけでなく、高齢者では入浴後の血圧低下による体調不良も起こりやすいからです。

体調によって入浴に配慮したほうが良いでしょう。体調が悪い時には、無理して入浴しないほうが良いでしょう。

特に、収縮期(最大)血圧が、180mmHg以上、拡張期(最小)血圧が110mmHg以上の場合、入浴は控えて下さい。

冬場は、しっかりと血圧管理を行うことが望まれます。若年、中年、前期高齢者(75歳未満)では家庭血圧 125/75mmHg未満、75歳以上の後期高齢者では、それより高い135/85mmHg未満を維持できるように治療をお受けください。

よりわかりやすく漫画での説明

 

 

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