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肛門疾患

肛門疾患には、3大疾患である痔核(いぼ痔)・裂肛(切れ痔)・痔瘻(あな痔)をはじめ、肛門ポリープ、肛門掻痒症、直腸肛門痛、直腸脱、肛門狭窄、肛門閉鎖不全などがあります。成人の3人に1人が痔の病気で悩んでいるともいわれています。

痔核(いぼ痔)

痔疾患でもっとも多く、肛門の血管が腫れてイボ状なったもの。

痔核には、歯状線という、直腸と肛門の境界部よりも上の直腸粘膜の部分にできる内痔核と、歯状線より下の肛門の部分にできる外痔核があります。普通、痔核というと内痔核をさします。

外痔核は、主として血栓性外痔核であり、急激な血行障害のため肛門部に血栓(血豆)ができます。はじめはかなり痛みがありますが、数日で痛みはひいてきます。腫れがひくのは数週間かかります。

内痔核は直腸下端の内痔静脈叢という血管の腫れの事です。運動・便秘・妊娠など除々に血液の循環が悪くなり、内痔静脈叢が血液のたまりのためにふくれてきます。最初は痛みのない出血程度ですが、大きくなっていくと、排便時や腹圧がかかったときなど肛門の外に脱出します。脱出初期では自然と戻ってきますが、悪化してくると指で押し戻さないといけなくなります。痛みはほとんどありませんが、脱出が大きくなると肛門に傷ができて、痛みが出てくることがあります。

内痔核の分類(ゴリガー分類)

  • Ⅰ度:肛門管内でわずかに膨らんでいる程度の痔核
  • Ⅱ度:排便時に肛門外に脱出するものの、排便が済めば自然に戻る程度の痔核
  • Ⅲ度:排便時に脱出し、指で押し込まないと戻らない痔核
  • Ⅳ度:常時、肛門外に脱出している状態の痔核

裂肛(切れ痔)

強いりきみや硬い便で裂けたりして傷がついたもの。いわゆる切れ痔ですが、痔疾患のうち10−15%にみられます。肛門が狭い人では硬い便を出 すと便と仙尾骨に挟まれて肛門の6時の方向がよく切れます。そのために出血と痛みを生じます。出血量はあまり多くなくチリ紙に付く程度のことが多いです。慢性化すると肛門ポリープや見張り疣を形成します。

痔瘻(あな痔)

細菌感染が原因で肛門周辺に膿が溜まり、膿の出口と肛門をつなぐ道ができたもの。肛門周囲膿瘍では、急に肛門の回りが腫れてきて激しい痛みを伴い、発熱もみられます。放置しておくと自然に破れて血の混じった膿がでてきます。可及的に外科的切開し排膿する必要があります。排膿にて症状はとれますが、傷口が塞がらないで残った状態を痔瘻といいます。肛門周囲膿瘍は、クローン病の副病変のことがあります。クローン病の初期症状で診断の手掛かりになることもあります。

当院では、痔疾患に対し保存療法として注入軟膏や坐薬などを用います。外科的治療が必要と判断した場合は、肛門外科へ速やかに紹介いたします。

肛門掻痒症

原因は・便の付着による皮膚炎 ・細菌や真菌感染 ・直腸・肛門疾患の合併 ・ウォッシュレットでの洗浄過剰
などです。

近年、温水便座の使い過ぎや強くかけ過ぎが原因で、皮膚本来の皮脂成分まで流されてバリア機能が破綻して発生するものや、トイレットペーパーで擦り過ぎでかゆみが生じる方が多いようです。長期間に及ぶと、肛門皮膚は肥厚して白っぽくなるのが特徴です。
治療は、局所の物理的化学的刺激を避け、一時的にステロイド軟膏または抗真菌薬による局所治療や、痔坐薬を併用します。

肛門の痛み、排便時の出血、便に血が混じる等の症状が一般的な痔の症状のため、放置してしまい大腸がんを見過ごしてしまう場合があります。血便を、痔だと自己判断することなく、早めに大腸内視鏡検査を受けていただくことをおすすめします。

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