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食中毒

食中毒とは、病原菌や毒素が含まれた食品を摂取したことによって、急性の腸管炎症状が現れる疾患のことを指します。主な原因として、細菌(サルモネラ、ウエストナイル菌、O157など)、ウイルス(ノロウイルスなど)、寄生虫(アニサキスなど)、食品中の毒素(ボツリヌス毒素、ウェルシュ菌、ストレプトコックス毒素など)が挙げられます。

  • サルモネラは、腸管内に生息するグラム陰性の細菌で、感染症を引き起こす原因となります。主に食品からの感染が多いとされており、生肉や生卵などの加熱不十分な食品、生野菜などが感染源となります。
    サルモネラ感染症は、下痢や発熱、腹痛、吐き気などの症状が現れることがあります。また、重症化すると敗血症や脳炎などの合併症を引き起こすこともあります。
    感染症の治療には、一般的には抗生物質が使用されます。ただし、感染症の予防には、手洗いや調理器具の衛生管理、加熱処理などが重要とされています。感染症を引き起こすサルモネラ菌は、熱に強く、70℃以上で30分以上の加熱処理をする必要があります。
  • カンピロバクターは、グラム陰性の細菌で、動物の腸管内に多く生息しています。主に家禽や家畜の飼育場から食品中に汚染されたものを介して、食中毒の原因となることがあります。
    カンピロバクター感染症は、下痢、腹痛、発熱などの症状を引き起こします。症状は軽度の場合もありますが、重症化すると、敗血症や全身性痙攣などの合併症を引き起こすことがあります。
    治療には、抗生物質が用いられますが、カンピロバクター感染症の予防には、食品の十分な加熱や、調理器具や作業場所の衛生管理が重要です。また、特に高齢者や免疫力の低下した人は、感染症にかかりやすいため、注意が必要です。
    食中毒は、悪寒、発熱、下痢、嘔吐、腹痛、食欲不振などの症状が現れます。また、重篤な場合には、脱水症状や血液中の電解質の異常、腎不全などの合併症が発生することもあります。
  • O157は、腸管出血性大腸菌(E. coli O157)の一種で、食中毒の原因の1つです。E. coli O157は、家畜や野生動物の腸内に生息しており、肉や乳製品、生の野菜などに汚染されることがあります。また、感染者の排泄物や接触感染によっても感染が広がることがあります。
    O157感染症は、主に下痢や腹痛を引き起こします。重症化すると、腎不全や脳症などの合併症を引き起こすことがあります。特に、高齢者や免疫力の低下した人、子どもなどは重症化しやすく、命に関わることもあります。
    O157感染症の予防には、食品の十分な加熱や、調理器具や作業場所の衛生管理が重要です。また、感染者との接触を避けることも必要です。O157感染症にかかった場合は、早期の診断と治療が必要です。治療には、主に症状の緩和や脱水症状の補充が行われます。
  • ウェルシュ菌による食中毒は、ウェルシュ菌が産生する毒素が原因となります。主に、調理された肉類や野菜、豆類が原因となることが多く、生肉や生野菜などの食品から感染することはほとんどありません。ウェルシュ菌による食中毒の症状は、吐き気、腹痛、下痢、発熱などがあり、場合によっては重症化することもあります。感染を予防するためには、食品を十分に加熱し、適切な温度で保管することが大切です。また、食器や調理器具の衛生管理にも注意が必要です。
  • ボツリヌス菌は、環境中に広く存在する細菌の一種であり、ボツリヌス毒素を産生します。この毒素は、摂取すると筋肉を麻痺させることがあり、中毒症状として、口の周りから始まって全身にわたる筋肉の弱さや麻痺、呼吸困難、視力障害、吐き気、嘔吐、下痢などが現れます。症状が重くなると、呼吸不全や心停止に至ることもあり、重篤な合併症を引き起こす可能性があります。
    ボツリヌス菌に感染する原因としては、不十分に加熱された食品(特に缶詰や瓶詰)、傷ついた肉類、腐った魚介類、蜂蜜などが挙げられます。また、環境中に存在するボツリヌス菌が、腸内細菌として体内に入り込んで中毒を引き起こす場合もあります。
    ボツリヌス菌中毒を予防するためには、加熱不十分の食品を避け、加熱処理を十分に行うことが重要です。また、腐った食品や傷ついた肉類、腐った魚介類、蜂蜜を摂取しないようにすることも大切です。
  • ノロウイルス
  • アニサキス

食中毒の予防には、食品の安全管理が重要です。具体的には、食品を保存する際の温度管理、十分な加熱、調理器具や調理環境の清潔な維持、手洗いやうがい、食材の選別などが挙げられます。また、外食時には、衛生的な店舗の選択や、生ものの摂取を控えるなどの予防策も重要です。

食中毒が疑われる場合には、早期に医師の診察を受け、治療が必要です。治療には、症状に応じた薬物療法や、脱水症状の改善、栄養補給が行われます。重症の場合には、入院治療が必要となることもあります。

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