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睡眠時無呼吸症候群の疑問にお答えします

[2024.09.08]

いびきが止まらないあなたへそれは睡眠時無呼吸症候群かもしれません

 

「いびきをかいているあなた、実は重大なサインかも?」

 

いびきは誰にでも起こり得るものですが、いつもいびきをかいている方は注意が必要です。慢性的にいびきをかく方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のリスクが高く、今はまだ症状がなくても、SAS予備軍である可能性があります。

 

「なぜいびきが起きるのでしょう?」


いびきは、鼻から気管支まで続く「上気道」と呼ばれる空気の通り道が狭くなることで発生します。空気が狭い場所を通るとき、速く流れることで粘膜が振動し、それがいびきの原因となります。特に口の奥にある軟口蓋(やわらかい部分)がよく振動するため、多くのいびきはここが原因です。

 

「どうしていびきをかくの?」


実は、健康な人でもいびきをかくことがあります。仰向けに寝ると重力の影響で気道が少し狭くなったり、眠っている間に筋肉がリラックスすることで、空気の流れが悪くなることがあるのです。また、お酒を飲んだり、疲れていたり、風邪をひいていたりする時には、筋肉がいつもより緩んで、いびきをかきやすくなります。

 

「でも、慢性的ないびきは要注意!」


長期間いびきをかいている方は、SASのリスクがさらに高まります。これは、肥満や加齢による筋肉の衰え、顔の構造などが原因で、上気道が常に狭くなっていることが多いためです。もしこの状態が悪化すると、気道が完全に塞がって呼吸が止まってしまうこともSASは放置すると、心臓病や高血圧などの深刻な病気につながる可能性もあります。

 

眠りが浅い、疲れが取れない?睡眠時無呼吸症候群を疑いましょう

 

「日中の眠気、大きないびきもしかして、それは睡眠時無呼吸症候群?」

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)でよくみられる自覚症状のひとつが、強い日中の眠気です。眠気がひどくなると、日常生活に支障をきたし、集中力が低下してしまいます。たとえば、仕事中に居眠りをしてしまったり、大事な会議中にうっかり寝てしまうことも。また、「いびきがうるさい」と周囲の人に指摘されることがあるかもしれません。

 

特に危険なのは自動車の運転です。SASの患者さんは運転中に眠気を感じやすく、交通事故のリスクが非常に高くなります。安全運転が難しくなるため、長時間の運転や夜間の運転は大きな危険を伴います。

 

この他に、睡眠中に頻回に目が覚めたり、朝起きた時に頭痛やだるさを感じたり、また、夜中に「呼吸が苦しくなる夢」を何度も見ることがあれば、それもSASのサインかもしれません。さらに、朝起きたときに体がむくんでいる、不眠が続く、気分が沈む(うつ状態になる)、性格が変わる、さらには性機能の低下など、心や体にさまざまな影響が現れることがあります。

これらの症状が続いている場合、SASの可能性が考えられます。放置せずに、ぜひ一度専門医に相談してみてください。

 

危険な睡眠障害睡眠時無呼吸症候群を今すぐチェック

 

睡眠時無呼吸症候群セルフチェックリスト

 

次の項目に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。1つでも該当する場合は、専門医の診断をおすすめします。

 

  1. いびきをよくかく、もしくは家族や友人に「いびきが大きい」と言われたことがある
  2. 睡眠中に呼吸が止まっている、または「息が詰まるような音」を指摘されたことがある
  3. 昼間に強い眠気を感じることが多い(会議中や運転中など)
  4. しっかり寝たはずなのに、日中に疲れやだるさ、集中力が欠けてやる気が出ない
  5. 血圧が高い、または血圧の薬を飲んでいても血圧が安定しない
  6. 夜中に何度もトイレに行くことがある
  7. 最近、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)だと言われた
  8. 顎が小さい、または二重顎が目立つ

 

放っておくと危険!睡眠時無呼吸症候群のリスク

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると、こんなに危険!」

 

睡眠時無呼吸症候群(SAS)をそのままにしておくと、私たちの健康に深刻な影響を与えるリスクが高まります。具体的には、以下のような危険が考えられます。

 

1. 命に関わる病気のリスクが上昇

SASを放置すると、心筋梗塞脳卒中などの深刻な病気を引き起こす可能性があります。睡眠中に呼吸が止まり、体が何度も酸素不足に陥ることで、血管がダメージを受け、動脈硬化が進行します。その結果、突然死のリスクも高まるのです。

 

2. 交通事故のリスクが増加

SASの患者さんは、日中に強い眠気を感じやすく、特に運転中に居眠りをしてしまうことがあります。これにより、交通事故のリスクが大幅に上がり、自分や他人の命を危険にさらす可能性があります。

 

3. 高血圧や糖尿病などの合併症

SASは、高血圧糖尿病などの生活習慣病とも深い関わりがあります。呼吸が止まるたびに体はストレスを感じ、血圧が上がったり、インスリンがうまく働かなくなり、糖尿病のリスクが2にもなると報告されています。

 

4. 子どもの発達にも影響

SASは大人だけの病気ではありません。子どもにも発症することがあり、放置すると発育障害学力低下注意散漫など、成長に悪影響を及ぼすことが指摘されています。

 

SASが引き起こすさまざまな合併症」

 

SASは、放置すると以下のようなさまざまな合併症を引き起こす可能性があります。

 

  • 心臓病(心筋梗塞、狭心症、心不全、不整脈など)
    SAS
    は心臓にも大きな負担をかけ、心筋梗塞や狭心症、不整脈を引き起こすリスクが高まります。
  • 脳卒中
    SAS
    を持つ人は、健常者に比べて脳卒中のリスクが3高くなることが分かっています。血管が詰まったり、血栓ができやすい状態になるためです。
  • メタボリックシンドローム
    SAS
    は肥満やメタボリックシンドロームと深く関連しており、心臓や血管に負担をかけるため、心筋梗塞や脳梗塞のリスクがさらに高まります。
  • 糖尿病
    SAS
    と糖尿病は密接に関わっており、無呼吸による低酸素状態がインスリンの働きを悪化させ、血糖値をコントロールしにくくします。
  • その他の合併症
    SAS
    は、高血圧慢性腎臓病動脈硬化胃食道逆流症、さらにはうつ病認知症のリスクも高めることが分かっています。

 

SASは放置せず、早めの対策を!」

 

自覚症状が少ない場合もありますが、放っておくと命に関わる病気につながることがあります。大きないびき日中の強い眠気を感じる場合は、専門の医師に相談しましょう。早期発見・治療が、あなたの健康を守ります。

 

いびきは病気のサインかも睡眠時無呼吸症候群の診断

 

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断の流れ」

 

1. 自覚症状や家族の指摘が診断のヒントに


睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診断は、患者さんの自覚症状やご家族の指摘、そして関連する病気などを詳しくチェックして進められます。SASの代表的な症状には、**「いびき」「日中の強い眠気」「睡眠中に息が止まる感じがして目が覚める」**といったものがあります。とくに、**睡眠中の「窒息感」や「息苦しそうな呼吸(あえぎ呼吸)」**がある場合は、SASが強く疑われます。

 

「いびきが大きい」「呼吸が止まっている」といった家族の指摘も、SAS診断の重要な手がかりです。自分では気づきにくいことが多いので、家族の観察が大切です。

 

2. スクリーニング検査で初期チェック


SAS
が疑われる場合、まずは自宅で簡単にできるスクリーニング検査を行います。この検査は、携帯型装置を使って睡眠中の無呼吸や低呼吸の回数を測定し、精密検査が必要かどうかを判断します。場合によっては、この検査だけでSASと診断されることもあります。

 

3. 精密検査で確定診断


スクリーニング検査でSASの可能性が高いと判断された方には、入院して行う精密検査が必要になります。これは、終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)と呼ばれる検査で、睡眠中の呼吸の状態や脳波、血中酸素濃度などを詳細にモニタリングし、医師が正確な診断を行います。PSGは、SASを確定診断するための非常に重要な検査です。

 

4. 自覚症状がない場合でも注意が必要


一部のSAS患者さんは、長年の習慣により、いびきや日中の眠気に慣れてしまい、問題に気づかないことがあります。しかし、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がある方は、SASのリスクが高く、診断と治療が非常に重要です。自覚症状がなくても、SASが原因で健康を害する可能性があるため、適切な診断を受けることをおすすめします。

 

「睡眠時無呼吸症候群(SAS)のスクリーニング検査(簡易PSG)」

 

もしいびき日中の強い眠気が気になる場合、あなたは「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」かもしれません。最初に行う検査は、簡易PSG検査です。この検査は、自宅で簡単にできるもので、携帯型の装置を使って**睡眠中の呼吸状態、心拍数、酸素飽和度(SpO2**などを測定します。これにより、SASの疑いがあるかどうかを確認できます。

 

1. 簡易PSG検査のメリット


この検査の最大の利点は、自宅で普段通りの環境で検査できることです。病院に行く必要がないので、リラックスした状態で睡眠中のデータを取ることができます。装置は簡単に装着でき、自分で装置をつけて、いつも通りに眠るだけで検査が完了します。必要に応じて、23晩のデータを取る場合もあります。

 

2. スクリーニング検査と精密検査の違い


簡易PSG検査は、あくまでスクリーニング(ふるい分け)検査です。この検査でSASの可能性が高いと判断された場合には、さらに詳しい精密検査が必要です。しかし、簡易検査だけでSASと診断されるケースもあります。

 

「精密検査で確定診断入院して行う終夜睡眠ポリグラフィー(PSG)」

 

もし簡易PSG検査でSASの可能性がある場合、次に行うのは**精密検査(終夜睡眠ポリグラフィー:PSG**です。これは、病院に一晩入院して行う本格的な検査で、睡眠中の脳波、呼吸、心拍数、筋肉の動き、酸素濃度などを詳しく測定します。

 

1. 確定診断の流れ


精密検査では、頭や身体に電極をつけて眠りますが、痛みや不快感はありません。SASの患者さんは、普段から睡眠の質が悪いため、検査当日もすぐに寝られる方が多いです。この検査により、**1時間あたりに何回無呼吸や低呼吸が起こっているか(AHI**を正確に測定し、SASの有無を確定診断します。

 

2. 睡眠の質もチェックできる


精密検査では、呼吸だけでなく睡眠の質も評価できます。脳波や眼球の動きなどをモニタリングし、**深い睡眠(ノンレム睡眠)浅い睡眠(レム睡眠)**のバランスもわかります。レム睡眠が長すぎると、疲れが取れにくくなることも確認できます。

 

「診断結果と治療の重要性」

 

SASの診断には、AHI(無呼吸低呼吸指数)が重要です。AHI5以上で日中の眠気などの自覚症状があれば、SASと診断されます。特にAHI30以上の場合、心臓病や高血圧、糖尿病などの重大な合併症のリスクが高くなるため、早めの治療が必要です。

睡眠時無呼吸症候群は、放置すると健康に深刻な影響を与える可能性があるため、気になる症状がある場合は、早めの検査と治療をお勧めします。

この文章では、検査の流れやメリットを簡潔に説明し、患者さんが検査を受けることに対する安心感を持てるように工夫しました。また、精密検査の重要性と早期診断の必要性を強調しています。

 

いびきは病気のサインかも睡眠時無呼吸症候群の治療

 

「自分に合った治療法を選ぶ症状に合わせたアプローチ」

 

SASの治療には、症状を和らげる対症療法と、SASの原因そのものを取り除く根治療法2つのアプローチがあります。どちらが優れているかということではなく、あなたの重症度や原因に合わせて最適な治療法を選ぶことが大切です。

 

「生活習慣の改善も治療の一部」

 

治療に加えて、生活習慣の改善も重要なポイントです。特に、肥満が原因で喉まわりに脂肪がついて気道を狭くしている場合、減量が効果的な治療の一環となります。また、鼻づまりがある方は、まず鼻の症状を改善して呼吸を楽にすることが必要です。

 

「代表的な治療方法—3つの選択肢」

 

  1. CPAP療法
    SAS
    の治療として、最も広く使われているのがCPAP(シーパップ)療法です。寝ている間に専用のマスクを装着し、気道に空気を送り込んで無呼吸を防ぐ方法です。
  2. マウスピース
    軽度なSASの場合、マウスピースを使用して、寝ている間に下あごを前に出すことで気道を広げ、呼吸をスムーズにする治療が行われます。
  3. 外科的手術
    重度のSASや、気道を塞いでいる部位が明確な場合は、手術で気道を広げることも選択肢の一つです。手術により根本的にSASの原因を取り除くことを目指します。

 

「治療で期待できる効果」

 

SASの治療をしっかり行うことで、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを大幅に抑えることができます。治療を受けたSAS患者さんは、心臓や血管に関する深刻な問題が減少したという報告もあり、命を守る治療としても非常に重要です。

SASの治療は、単に「よく眠る」ことだけでなく、長生きし、健康で過ごすための大切なステップです。健康に長生きするためにも、治療を始めることをおすすめします。

以下、当院で対応可能なCPAP療法について説明いたします。

 

CPAP治療とは?」

 

CPAP(シーパップ)治療は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有効な治療法のひとつです。CPAPとは「経鼻的持続陽圧呼吸療法」の略で、専用のマスクを使って寝ている間に空気を加圧して気道に送り込み、呼吸を助ける治療法です。これにより、無呼吸状態を防ぎ、安定した呼吸が続けられます。

CPAP治療の健康保険と費用について」

CPAP治療は、健康保険が適用される治療法です。診断後、簡易検査で1時間に40回、精密検査で1時間に20回以上の無呼吸や低呼吸が確認された場合に適用されます。自己負担額は、毎月5,000円程度3割負担の場合)で、レンタル形式で装置を使用します。

 

CPAPのメリット効果を実感できる治療法」

 

CPAPを使い始めると、翌朝から効果を実感する方も多いです。いびきや無呼吸が軽減されることで、質の高い睡眠が取れるようになります。特に、重症の方ほど効果がはっきりと表れることが多いです。
治療によって、昼間の眠気や疲労感が軽減され、集中力や注意力が向上します。さらに、高血圧や糖尿病などの生活習慣病の改善にもつながるため、心筋梗塞や脳卒中のリスクも減少します。

 

CPAPのデメリット使い始めに注意すべき点」

 

一方で、マスクのフィット感や空気圧が合わないと、不快感を覚えることもあります。以下のような症状が出た場合は、医師に相談しましょう。

  • マスクによる肌荒れやかぶれ
  • 鼻や喉の乾燥感
  • お腹の張りや耳鳴り(空気を飲み込んでしまうことが原因)

これらの症状は、マスクの装着方法や空気圧の調整で改善できることが多いので、気になることがあれば遠慮なく医師に相談してください。

 

CPAP治療はいつまで続けるの?」

 

CPAP治療は、SASの根本を治す治療法ではなく、対症療法です。そのため、症状が改善しても自己判断で治療を中断することは避け、毎日継続的に使用することが大切です。治療を止めると、再び無呼吸やいびきが戻り、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高まることがあります。

 

「減量によってCPAPが不要になることも」

 

SASの原因が肥満である場合、減量に成功すれば治療が不要になることもあります。しかし、適正体重になっても再び体重が増加すると、症状が再発する可能性があるため、定期的な体重管理が重要です。
CPAP
の治療を続けながら、生活習慣の見直しや減量を行うことで、将来的にCPAPが不要になることを目指すこともできます。

 

CPAP治療で、安心して眠れる毎日を」

 

CPAPは、正しく使えば無呼吸やいびきをしっかり抑えることができ、質の高い睡眠を取り戻す手助けをしてくれます。最初は少し不快に感じることがあっても、調整しながら続けていけば、効果を実感できるはずです。気になる症状があれば、早めに医師に相談し、快適な治療を受けましょう。

 

当院での対応について

 

当院では、スクリーニング検査として簡易PSG検査を実施しています。検査の結果、1時間に40回以上の無呼吸が確認され、重症のSASと診断された場合、CPAP療法を開始することができます。40回未満の場合は、CPAP療法の導入には精密検査が必要となるため、入院での精密PSG検査が可能な病院(三友堂病院、舟山病院、置賜総合病院様)へご紹介いたします。

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