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「鳥肌胃炎とは?ピロリ菌感染と胃がんリスクについて知っておきたいこと」

[2024.09.23]

鳥肌胃炎とは?

鳥肌胃炎は、胃の前庭部(胃の出口に近い部分)に小さな隆起が密集し、内視鏡で見ると鳥肌のように凸凹して見える状態を指します。この名称は、内視鏡所見が鳥肌のように見えることから名付けられました。病理学的には、ピロリ菌感染により引き起こされる過剰な免疫反応で、リンパ濾胞が増生することでこの状態が生じます。特に若い女性に多く見られます。

ピロリ菌感染と鳥肌胃炎の関係

鳥肌胃炎の原因の多くはピロリ菌感染です。ピロリ菌に感染したすべての人が鳥肌胃炎を発症するわけではありませんが、特に若年層や女性に多く見られるのが特徴です。この状態は、リンパ濾胞が慢性的に増殖し、胃粘膜に顆粒状の隆起が生じることで発生します。

胃がんリスクと鳥肌胃炎

鳥肌胃炎は未分化型胃がんやスキルス胃がんのリスクが高いとされています。特に、スキルス胃がんは粘膜の下に広がりやすく、発見が遅れることもあります。20代の若年層にも発症するケースが報告されているため、注意が必要です。

ピロリ菌除菌の重要性

鳥肌胃炎と診断された場合、まずはピロリ菌の除菌が推奨されます。除菌を行うことで、鳥肌状の粘膜は数年かけて平坦化し、萎縮した粘膜に移行します。しかし、除菌後も胃がんのリスクがゼロになるわけではなく、定期的な内視鏡検査が推奨されます。年齢、家族歴、胃粘膜の萎縮の程度に応じて検査間隔を調整しながら、1年に1回の検査が理想的です。

特定のピロリ菌以外による鳥肌胃炎

鳥肌胃炎の中には、ピロリ菌とは異なるHelicobacter heilmanniiという菌によって引き起こされるケースもあります。この場合、犬や猫との接触歴がある方に多く見られ、人畜共通感染症です。Helicobacter heilmanniiによる感染は、H. pylori感染よりもMALTリンパ腫との関連が強い可能性が報告されています。

経過観察と内視鏡検査

ピロリ菌除菌後でも、胃がんのリスクは残ることが知られています。そのため、年齢や家族歴、胃粘膜の状態を考慮しながら、定期的な内視鏡検査が必要です。特に、1年に1度の検査を行うことで早期発見が可能になり、胃がんのリスクを減らすことができます。

まとめ

鳥肌胃炎は、ピロリ菌感染が原因で発生する一つの胃炎の形態です。胃がんのリスクが高まる可能性はありますが、適切な除菌と定期的な内視鏡検査を受けることで、リスクを管理できます。過度に心配する必要はなく、まずはピロリ菌感染があるかどうかを確認し、必要に応じて除菌治療を行いましょう。

当院では、患者様一人ひとりに合わせた丁寧な検査と治療を行っておりますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください

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