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脂肪肝の最新の病名、分類について

[2024.09.21]

脂肪性肝疾患(Steatotic Liver Disease: SLD)

脂肪性肝疾患(SLD)は、肝臓に過剰な脂肪が蓄積する病気です。肝臓は体の中で代謝を担う重要な器官で、健康な状態では脂肪がほとんど蓄積しません。しかし、食生活の乱れやアルコール摂取、生活習慣病などにより肝臓に脂肪が溜まると、肝機能に悪影響を及ぼすことがあります。

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)

MASLDは、以前「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」として知られていた病気の新しい名称です。食生活や生活習慣、肥満、糖尿病などの代謝機能の問題が原因で肝臓に脂肪が蓄積し、肝炎や肝硬変へと進行することがあります。MASLDは、アルコールが原因ではなく、主に代謝機能の問題に関連しています。

代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)

MASHは、MASLDが進行し、肝臓に炎症が起こる状態です。以前は「非アルコール性脂肪肝炎(NASH)」として知られていました。MASHは放置すると肝硬変や肝臓がんに進行する可能性があるため、早期発見と治療が重要です。

アルコール関連肝疾患(ALD)

ALDは、アルコールの過剰摂取が原因で起こる肝疾患です。長期間にわたるアルコール摂取が肝臓に負担をかけ、脂肪の蓄積や炎症、さらには肝硬変を引き起こします。禁酒と適切な治療が必要です。

代謝機能障害アルコール関連肝疾患(MetALD)

MetALDは、アルコール摂取に加え、代謝機能の障害が重なることで起こる肝疾患です。代謝機能の問題とアルコールが共に肝臓に影響を与えるため、治療には両方のリスク因子に対処する必要があります。

成因不明脂肪性肝疾患(Cryptogenic Steatotic Liver Disease)

この病気は、はっきりした原因が特定されない脂肪性肝疾患です。患者には肝臓に脂肪が蓄積しているものの、従来のリスク因子(アルコールや代謝機能障害)が確認できない場合に診断されることがあります。

特定成因脂肪性肝疾患(Specific Aetiology Steatotic Liver Disease)

このタイプの脂肪性肝疾患は、特定の原因が明確に判明している場合に診断されます。たとえば、特定の薬剤や遺伝的要因などが関与する場合が該当します。

まとめ

脂肪性肝疾患は、アルコール摂取や代謝機能の問題、その他の要因により肝臓に脂肪が蓄積する疾患群です。2023年には、病名や分類法の見直しが行われ、これまで「脂肪肝」として知られていた病気がより詳細に分類されました。早期の診断と治療が肝機能を守るために重要です。症状やリスクについて気になることがあれば、ぜひ当クリニックにご相談ください。

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