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膀胱炎についてお答えします

[2024.09.16]

 

膀胱炎とは?

 

膀胱は、体内で尿を蓄える役割を持ち、尿が十分にたまると排出する(排尿)臓器です。膀胱炎とは、膀胱に細菌が侵入し、炎症を引き起こす病気です。多くの場合、女性に多く見られ、特に2040代の女性の約2535%が一生のうちに急性膀胱炎を経験すると言われています。膀胱炎にはいくつかの種類があり、最も一般的なものが「細菌性膀胱炎」です。これは、通常、大腸菌などの細菌が尿道から膀胱内に侵入することによって発症します。

 

膀胱炎のタイプについて

 

膀胱炎には、いくつかのタイプがあり、それぞれ異なる原因や治療法が必要です。当院では、膀胱炎のタイプに応じた的確な診断と治療を提供し、再発予防のためのアドバイスも行っています。以下では、主な膀胱炎の種類についてご説明します。

 

 

急性膀胱炎

 

急性膀胱炎は、細菌感染によって引き起こされ、特に大腸菌が原因であることが8割以上とされています。このため、抗生物質による治療が一般的に有効です。しかし、近年では薬剤耐性菌の増加が問題となっており、薬剤感受性検査によって効果的な抗生物質を選択することが重要です。服薬後数日で症状は改善しますが、再発を防ぐためにも医師の指示に従い、抗生物質を最後までしっかりと服用することが大切です。

再発予防のためには、以下の点にも注意が必要です:

 

  • 十分な水分補給
  • 尿意を感じたら我慢せずに排尿する
  • 体を冷やさないようにすること

これらの生活習慣を改善することで、膀胱炎の再発リスクを軽減できます。

 

慢性膀胱炎

 

慢性膀胱炎は、急性膀胱炎が十分に治らないまま慢性化した場合や、他の疾患が原因で膀胱に炎症が続く場合に発生します。慢性化の背後には、前立腺肥大症や尿路結石、糖尿病、さらには膀胱がんなどが隠れている可能性があります。このため、慢性の膀胱炎が疑われる場合は、早期の診断と適切な治療が重要です。

慢性膀胱炎は自覚症状が少ないことが多いため、わずかな違和感でも気軽にご相談ください。当院では、細菌感染が原因の場合には抗生物質治療を行い、原因となる疾患がある場合はその治療をしっかりと行います。

 

間質性膀胱炎

 

間質性膀胱炎は、膀胱粘膜の下層にある間質や筋層にも炎症が広がっている状態です。このタイプの膀胱炎は、尿が膀胱に溜まると膀胱痛を伴い、排尿によって痛みが緩和されます。また、頻尿や尿意切迫感、知覚過敏などの症状がみられることもあります。間質性膀胱炎の原因は完全には解明されておらず、症状の緩和を目的とした治療が中心となります。間質性膀胱炎は診断が難しく、治療に時間がかかる場合があるため、専門的な医療機関での対応が必要です。

 

出血性膀胱炎

 

出血性膀胱炎は、ウイルスや細菌の感染、アレルギー反応、抗がん剤などが原因で発症し、血尿を伴うことが特徴です。軽度の微熱が見られることもありますが、ほとんどの場合、安静と十分な水分摂取により自然治癒します。目に見える血尿は数日で改善し、尿検査でも10日ほどで正常に戻ります。

一般的に、膀胱炎と言えば、急性膀胱炎のことを指します。

 

膀胱炎の主な症状

 

膀胱炎は、主に以下のような症状が現れます。これらの症状に気づいたら、早めに受診することが大切です。

 

1. 頻尿

 

膀胱炎になると、トイレに行く回数が急に増えます。10分おきにトイレに行きたくなることもあり、1日に何度も尿意を感じるようになります。

 

2. 尿の切迫感

 

突然、強い尿意を感じて我慢できなくなることがあります。尿意が我慢できず、すぐにトイレに行きたくなるのが特徴です。

 

3. 尿の濁り

 

尿が白っぽく濁ることがあります。これは、細菌感染によって白血球や炎症を起こした膀胱の粘膜が混ざるためです。また、尿が普段より強い臭いを放つこともあります。

 

4. 排尿時のヒリヒリ感や痛み

 

排尿時や排尿の終わりかけに、ヒリヒリした痛みや灼熱感を感じることがあります。これは、炎症を起こした膀胱が尿を出す際に刺激されるためです。

 

5. 下腹部の違和感

 

膀胱炎の患者さんは、下腹部に圧迫感や違和感を感じることが多いです。排尿時の痛みと一緒に、常に膀胱が重い感じや不快感を伴います。

 

6. 残尿感

 

排尿後も、まだ尿が残っているような感覚が続くことがあります。トイレに行ってもすっきりしない感じが残るのが特徴です。

 

7. 血尿

 

膀胱粘膜が細菌によって傷つくと、血尿が出ることがあります。血尿は薄いピンク色から真っ赤な色までさまざまで、時には血の塊が出ることもあります。

 

8. 発熱

 

膀胱炎で発熱することは少ないですが、もし発熱が見られた場合は、腎盂腎炎などの合併症が疑われます。この場合、早急に医師の診察を受ける必要があります。

これらの症状が現れた場合、膀胱炎が疑われます。当院では、膀胱炎の迅速な診断と治療を行い、早期の症状改善を目指しています。お気軽にご相談ください。

 

 

膀胱炎の原因と発症メカニズム

 

膀胱炎は、主に膀胱内に細菌が侵入して引き起こされる感染症です。特に女性に多く発症するのは、女性の身体的構造が関係しています。女性は男性と比べて尿道が短く、細菌が膀胱まで到達しやすいという特徴があります。尿道の長さは女性で約4cmと短く、これが膀胱炎を発症しやすい一因です。

 

1. 女性に膀胱炎が多い理由

 

女性の尿道口は、膣や肛門といった細菌が繁殖しやすい場所に非常に近いため、細菌が容易に尿道に侵入します。最も多い原因は腸内細菌で、その中でも約80%は大腸菌によるものです。大腸菌が肛門から膣へ侵入し、そこから尿道、膀胱へと上行し、膀胱内で炎症を引き起こします。

 

2. 性行為と膀胱炎

 

膣には本来、膣内の環境を強い酸性に保ち、有害な細菌の繁殖を防ぐ「常在菌」が存在します。しかし、性行為やその他の要因により、この常在菌のバランスが崩れると、大腸菌が膣内で繁殖しやすくなり、膀胱炎を引き起こしやすくなります。特に性的活動期の女性に急性膀胱炎(単純性膀胱炎)が多い理由の一つです。

 

3. 閉経後の女性と膀胱炎

 

閉経後の女性は、ホルモンバランスの変化により、膣内の常在菌が減少し、膣内の酸性環境が保たれにくくなります。その結果、有害な細菌が繁殖しやすくなり、膀胱炎を繰り返すことが多くなります。これが、閉経後の女性が膀胱炎にかかりやすい理由です。

 

4. 季節と膀胱炎の関係

 

膀胱炎は、特に夏場に起こりやすい傾向があります。夏は汗をかくことで脱水状態になりやすく、尿量が減るため、尿が膀胱内の細菌を十分に洗い流すことができません。その結果、細菌が膀胱内に滞留し、炎症を引き起こしやすくなります。逆に冬場は水分摂取が増えるため、膀胱炎のリスクはやや低くなりますが、体を冷やすことで免疫力が低下する場合もあり、注意が必要です。

 

膀胱炎の診断と検査について

 

膀胱炎は、尿検査を中心に簡単に診断できる病気です。症状が現れた場合は、早めに検査を受け、適切な治療を開始することが重要です。特に、再発を繰り返す場合や発熱、腰や背中の痛み、血尿などの症状がある場合には、より詳細な検査が必要となります。ここでは、膀胱炎の主な診断方法と検査内容をご説明します。

 

1. 尿検査

 

膀胱炎の最も基本的な検査です。尿を採取し、その成分を調べます。主に次のような項目をチェックします:

  • 白血球反応:感染がある場合、白血球が尿に混ざっているため、この反応が陽性になります。
  • 潜血反応:膀胱粘膜が炎症を起こしていると、尿に血が混ざることがあり、この反応が陽性となります。
  • タンパクや糖:これらも尿検査で確認し、他の疾患の可能性がないか確認します。
  •  

2. 尿沈渣(ちんさ)検査

 

尿を遠心分離器にかけ、沈殿した物質を顕微鏡で調べます。この検査では、膀胱炎を引き起こしている細菌の存在や、炎症の指標となる白血球の量を確認します。これにより、膀胱炎の重症度を把握することができます。

 

3. 尿培養検査

 

尿培養検査は、膀胱炎を引き起こしている細菌の種類を特定するための重要な検査です。尿に含まれる細菌を培養し、その結果をもとに、どの細菌が原因かを確認します。膀胱炎の再発を繰り返している場合や、症状が重い場合には、この検査が特に役立ちます。

 

4. 薬剤感受性検査

 

尿培養検査の一環として行われるこの検査は、膀胱炎を引き起こしている細菌がどの抗生物質に効果があるか(薬剤感受性)を確認します。近年、抗生物質に対する耐性菌が増えているため、適切な抗生物質を選ぶためにはこの検査が重要です。この検査に基づいて、最も効果的な治療法を決定します。

 

エコー(超音波)検査

 

膀胱炎の典型的な症状に加えて、再発を繰り返す場合や、発熱、腰や背中の痛み、血尿などがある場合は、膀胱や腎臓に問題がないかを確認するためにエコー検査(超音波検査)を行います。これにより、腎盂腎炎や尿路結石などの合併症の有無も確認できます。

 

 

膀胱炎の治療について

 

膀胱炎の治療は、主に抗生剤による短期間の治療が中心です。当院では、患者様一人ひとりの症状や病歴に応じた最適な治療プランを提案しています。多くの場合、膀胱炎の症状は数日間の抗生剤治療で改善しますが、再発を防ぐためにも、しっかりとした治療とケアが大切です。

 

抗生剤治療

 

膀胱炎の治療では、一般的にニューキノロン系抗菌剤やセフェム系抗生物質を用います。これらの抗生剤は、細菌の増殖を抑える効果が高く、急性膀胱炎の場合、極めて短期間で症状が改善します。服用開始後、早い段階で症状が軽減されることが多いですが、再発予防のためにも医師の指示通りに服用を継続してください。

 

再発する場合の検査と治療

 

1年以内に3回以上膀胱炎を繰り返す場合、または6か月以内に2回再発する場合は、詳しい検査を行う必要があります。このような場合、原因が尿路結石や腎臓の問題など、他の泌尿器系の疾患にある可能性があります。このような場合は、専門的な検査や治療が必要となるため、泌尿器科の受診をお勧めします。

 

抗生剤治療が効かない場合

抗生剤治療で症状が改善しない場合や、初期の治療で効果が見られない場合は、抗生剤に対する耐性菌が原因である可能性があります。このような場合は、専門的な検査や治療が必要となるため、泌尿器科の受診をお勧めします。

 

 

膀胱炎を予防するために

 

膀胱炎は日常生活でのちょっとしたケアで予防することが可能です。特に以下の点に注意すると、膀胱炎の発症リスクを減らすことができます:

 

  • 十分な水分摂取:尿量を増やし、細菌を膀胱から排出しやすくします。
  • 排尿を我慢しない:尿意を感じたら、早めにトイレに行きましょう。
  • 清潔を保つ:特に性行為後には清潔を保つことが大切です。
  • トイレ後の拭き方:前から後ろに向かって拭くことで、肛門からの細菌が尿道に入り込むのを防ぎます。

膀胱炎は予防が大切ですが、清潔にしていても発症することがあります。少しでも違和感や症状が現れた場合には、速やかに受診し、適切な治療を受けることが重要です。当院では、膀胱炎の診断と治療を迅速に行い、患者様の症状を早期に改善できるようサポートしています。

 

 

膀胱炎のよくある質問(FAQ

 

Q1. 膀胱炎はどうして女性に多いのでしょうか?

 

A1. 膀胱炎は女性に多い病気です。その理由は、女性の尿道が男性に比べて短く(約4cm)、尿道口が膣や肛門の近くに位置しているため、細菌が尿道を通じて膀胱に到達しやすいからです。特に大腸菌が原因であることが多く、適切なケアが重要です。

 

Q2. 膀胱炎の症状が出たら、すぐに病院に行くべきですか?

 

A2. はい、膀胱炎の症状(頻尿、排尿時の痛み、尿の濁りなど)を感じたら、早めに受診することをお勧めします。放置すると、感染が腎臓に広がり、腎盂腎炎などの合併症を引き起こす可能性があるため、適切な治療が必要です。

 

Q3. 膀胱炎はどのように診断されますか?

 

A3. 膀胱炎は主に尿検査で診断されます。尿に白血球や細菌が含まれているか、血液やタンパクが混ざっていないかを調べます。また、再発を繰り返す場合や症状が重い場合は、尿培養検査や超音波検査を行うことがあります。

 

Q4. 膀胱炎の治療はどのくらいの期間かかりますか?

 

A4. 通常、膀胱炎は抗生剤を数日間服用することで治療が完了します。症状は服用開始後、12日で改善することが多いですが、医師の指示に従って最後まで薬を飲み続けることが大切です。

 

Q5. 膀胱炎を繰り返すことがありますが、どうすれば防げますか?

 

A5. 膀胱炎を繰り返す場合、いくつかの予防策があります。十分な水分を摂り、トイレを我慢しないことが重要です。また、トイレの後に前から後ろに向かって拭くことで、肛門の細菌が尿道に入らないようにすることが効果的です。適切な排尿習慣を心がけ、体を冷やさないように注意しましょう。

 

Q6. 性行為と膀胱炎には関係がありますか?

 

A6. はい、性行為が膀胱炎を引き起こすことがあります。性行為により尿道に細菌が入りやすくなり、膀胱炎を発症する場合があります。性行為後に排尿をすることや、適切な衛生管理を行うことでリスクを減らすことができます。

 

Q7. 膀胱炎で血尿が出ることはありますか?

 

A7. はい、膀胱炎が進行すると、血尿が見られることがあります。血尿は膀胱内の炎症や膀胱粘膜が細菌によって傷つけられることが原因です。血尿が見られた場合でも、適切な治療を行うことで改善します。

 

Q8. 膀胱炎は自然に治ることがありますか?

 

A8. 軽い膀胱炎であれば、水分を多く摂ることで症状が軽減することもありますが、自然治癒を期待するのはリスクがあります。適切な抗生剤による治療を行わないと、感染が広がる可能性があるため、必ず医師の診察を受けるようにしてください。

 

Q9. 男性でも膀胱炎にかかることはありますか?

 

A9. はい、男性でも膀胱炎にかかることがあります。特に前立腺肥大や尿路結石などの基礎疾患がある場合、尿の排出が悪くなるため、膀胱炎を発症しやすくなります。男性の場合、症状が長引いたり、重症化することがあるため、早めの受診が必要です。

 

きだ内科クリニックでの膀胱炎治療の特徴

 

当院では、膀胱炎の早期診断と迅速な治療を提供しています。膀胱炎は一般的な症状ですが、放置すると重篤な合併症につながることがあります。当院は非専門医クリニックですが、内科の診療を通じて、膀胱炎に対して適切かつ効果的な治療を行います。

 

1. 迅速な診断と治療

 

膀胱炎の診断は主に尿検査を用いて行います。当院では、患者様からの症状の聞き取りと合わせて、尿検査を迅速に行い、白血球や細菌の有無を確認し、必要に応じて尿培養検査も実施します。早期発見と治療が膀胱炎の悪化を防ぐために重要です。

 

2. 短期間での抗生剤治療

 

膀胱炎の治療には、主に抗生剤を用います。当院では、患者様の症状に応じて、ニューキノロン系やセフェム系の抗生剤を処方し、短期間での治療を目指します。症状は通常数日で改善しますが、再発を防ぐために医師の指示通りに最後まで薬を服用することが大切です。

 

3. 再発膀胱炎への対応

 

膀胱炎を繰り返す患者様には、より詳しい検査を行うことが重要です。当院では、再発を繰り返す患者様に対し、必要に応じて、泌尿器科などの専門医療機関と連携し、最適な治療を提供します。

 

4. 生活習慣のアドバイス

 

膀胱炎は生活習慣の改善によって再発を防ぐことが可能です。当院では、患者様に対し、水分摂取やトイレ習慣、清潔なケアの重要性についてアドバイスを行い、日常的な予防法をお伝えしています。こうした日常ケアが、膀胱炎の予防と健康維持に大いに役立ちます。

 

5. 患者様一人ひとりに合った治療

 

当院では、膀胱炎に対する個別の治療計画を立てています。患者様の症状や生活環境を考慮し、一人ひとりに合った治療とケアを提供することを大切にしています。膀胱炎の早期発見と適切な治療を通じて、患者様が安心して日常生活を送れるようサポートしています。

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