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胃の病気(ピロリ菌)

ピロリ菌

ヘリコバクター・ピロリ菌は胃癌の最たる原因です。
多くは乳幼児期に、飲水などを介して胃に感染すると考えられています。
長い年月で、胃に繰り返し炎症を起こし、次第に慢性胃炎が進行し、
胃の粘膜が薄くなった萎縮性胃炎となり、胃癌が出来やすい状態となります。
慢性胃炎が進む前に、除菌する必要があります。
ピロリ菌の有無、除菌を行うには、胃カメラをまず受けていただく必要があります。
今、胃癌をお持ちでないか、慢性胃炎の進行具合から胃癌リスクを推定するためです。
その後、ピロリ菌の検査として、便中抗原検査、呼気テスト、血液検査のいずれかを受けていただき、
陽性の場合、除菌のお薬を処方いたします。
除菌治療は抗生物質と胃薬のパック製剤を朝夕1日2回、1週間お飲みいただくだけです。

除菌治療の注意点

確実にピロリ菌を除菌するために、指示された薬は必ず服用してください。
(1種類の「胃酸の分泌を抑える薬」と2種類の「抗菌薬」の3剤を同時に1日2回、
  7日間服用してください)

自分の判断で服用を中止すると、除菌に失敗して、治療薬に耐性※1をもったピロリ菌があらわれることがあります。

二次除菌療法※2の間は、アルコールの摂取(飲酒)を避けてください。

※1耐性:薬に対して細菌が抵抗性を示すようになり、その薬が効きにくくなること。
※2二次除菌療法:一次除菌療法でピロリ菌が除菌できなかった場合に、2種類の抗菌薬のうちの1つを初回とは別の薬に変えて、再び除菌療法を行うこと。

胃がんの早期発見、予防のためにも胃カメラをお受けになることをお勧めいたします。

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ピロリ菌の感染原因、予防

じつは、どのような感染経路であるかはまだはっきりわかっていません。
ただ、最近の研究から、口から入れば感染することは間違いないようです。
それでは、生水を飲んだり、キスでピロリ菌に感染してしまうのでしょうか?
上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはないと考えられています。また、大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えられます。
ピロリ菌は、ほとんどが乳幼児(5歳以下)に感染すると言われています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。

上下水道が十分普及していなかった時代に生まれた人のピロリ菌感染率は高く、若い人の感染率は、10代、20代では欧米とほとんど変わらなく低くなってきました。
また、ピロリ菌感染を予防する方法は、親から幼児へのたべものの口移しに注意することが役立つと考えられます。
ピロリ菌の感染率は、乳幼児期の衛生環境と関係していると考えられており、上下水道が十分普及していなかった世代の人で高い感染率となっています。
上下水道が完備され衛生環境が整った現代ではピロリ菌の感染率は著しく低下しており、予防についてあまり神経質にならなくてもよいでしょう。

ピロリ菌と病気

ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌がつくりだす酵素ウレアーゼと胃の中の尿素が反応して発生するアンモニアなどによって直接胃の粘膜が傷つけられたり、ピロリ菌から胃を守ろうとするための生体防御反応である免疫反応により胃の粘膜に炎症が起こります。ピロリ菌に感染している状態が長くつづくことで、さまざまな病気を引き起こす可能性もあります。

胃の不快感がくりかえすとき、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気が疑われます。胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんで特に再発をくり返すときは、ピロリ菌に感染していることが多く、慢性胃炎の発症の原因や、潰瘍の再発に関係していることが、わかっています。
また、このピロリ菌は服薬による「除菌療法」で退治することができますので、一度病院で相談してみることをおすすめします。

ピロリ菌の検査

ピロリ菌検査とは、胃の粘膜からピロリ菌という細菌の存在を調べる検査のことです。ピロリ菌は胃潰瘍や胃がんなどの胃疾患を引き起こす原因の一つとされており、検査の結果によっては抗生物質を用いたピロリ菌の除菌治療が行われることがあります。

一般的には、非侵襲的な方法として血液検査や呼気検査、侵襲的な方法として胃カメラ検査によるピロリ菌検査があります。血液検査では、ピロリ菌に対する抗体を測定して検査します。呼気検査では、検査前に特定の物質を飲み、その物質によってピロリ菌が産生する尿素を呼気中から測定する方法です。胃カメラ検査では、胃の内部を観察しながらピロリ菌の有無を調べることができます。この際、生検を行いピロリ菌の存在を確認することもできます。

ピロリ菌便中抗原検査は、ピロリ菌の存在を調べる検査の一つで、便からピロリ菌の抗原(たんぱく質)を検出することで感染の有無を判定します。

この検査は、胃カメラ検査や血液検査に比べて非侵襲的で、患者の負担が少なく、また検体採取が容易であるため、多くの医療機関で採用されています。また、この検査は、ピロリ菌の存在を調べるだけでなく、除菌治療後の経過観察にも利用されます。

ピロリ菌は胃の内壁に付着しているため、胃カメラ検査や生検によって検査することもできますが、これらは比較的侵襲的であり、検査の前に特別な準備が必要となります。一方、便中抗原検査は、排泄物を採取するだけで済むため、検査の負担が少ないとされています。

ただし、便中抗原検査は、食事や薬の影響を受けやすく、偽陰性(感染があるのに検査結果が陰性となる)や偽陽性(感染がないのに検査結果が陽性となる)の可能性があるため、正確な検査結果を得るためには、適切な指導を受けた上で検査を受ける必要があります。

ピロリ菌は感染経路が不明確なため、感染予防については十分な情報がありませんが、衛生的な食事、水道水の煮沸消毒、適切な手洗いなどが推奨されています。また、胃がんや胃潰瘍のリスクを減らすためには、喫煙や過剰な飲酒などの生活習慣の改善が重要です。

ピロリ菌の除菌治療

ピロリ菌感染症の治療には、抗菌薬と制酸剤を用いた除菌治療が一般的に行われます。除菌治療は、ピロリ菌が胃の内壁に張り付いて生息しているため、一般的な抗菌薬のように簡単に効果を発揮することができず、一定期間の複数回の投薬が必要となります。

一般的には、以下のような抗菌薬と制酸剤の併用療法が行われます。

  • 抗菌薬:クラリスロマイシン、アモキシシリン、メトロニダゾールなど
  • 制酸剤:プロトンポンプ阻害剤(PPI)、ヒスタミンH2受容体拮抗薬など

治療期間は、一般的に1週間程度ですが、病状によって異なります。治療期間中には、飲酒やタバコ、胃腸に負担のかかる食事は控えるようにし、食事の内容やタイミングにも注意する必要があります。

治療後は、再びピロリ菌感染にならないよう、予防策を講じることが重要です。具体的には、食器や水道水の衛生管理を徹底する、適切な食生活を心がける、ストレスを軽減するなどが挙げられます。治療後の経過観察も重要で、再発を防ぐためにも、定期的な診察や検査を受けることが必要です。

ピロリ菌の除菌治療は、抗菌薬と制酸剤を用いた複数回の投薬が必要となることがあります。通常は、2回目の治療でほとんどの患者さんが除菌されますが、中には除菌が困難な場合もあります。このような場合には、3次除菌治療が行われることがあります。

3次除菌治療では、2回目の治療とは異なる抗菌薬を使用することが推奨されています。

現時点では、保険適応はなく自費診療となります。

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