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「眠気やだるさの原因は血糖値スパイク?見逃しがちな隠れ低血糖とは」

[2025.01.04]

血糖値が変動する仕組み

         

  1. 食事と血糖値の上昇
    私たちが食べるご飯やパン、麺類といった炭水化物は、消化過程でブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は小腸から吸収され、血液を通じて全身に運ばれることで、血糖値が上昇します。
  2. インスリンの働き
    血糖値が上昇すると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンは、ブドウ糖を細胞に取り込ませる働きを持ち、エネルギーとして利用されたり、一部は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。このプロセスによって、血糖値は正常範囲に保たれます。
  3. 血糖値の安定化
    食後数時間が経つと、血糖値はゆっくりと低下し、空腹時の状態に戻ります。この血糖値の調節は、インスリンだけでなく、グルカゴンやコルチゾールといった他のホルモンも関与しており、身体のエネルギーバランスを保つために重要です。

 

血糖値が乱れるとどうなる?

 

血糖値が正常範囲を外れると、健康にさまざまな影響を及ぼします。

  • 高血糖:血糖値が慢性的に高い状態は、糖尿病の原因となります。糖尿病が進行すると、血管や神経がダメージを受け、動脈硬化や腎不全などの合併症を引き起こします。
  • 低血糖:血糖値が急激に低下すると、エネルギー不足から倦怠感やめまい、動悸、場合によっては意識障害を引き起こすことがあります。

 

健康な血糖値の維持が重要な理由

 

血糖値を安定させることは、日々の生活の質を高めるだけでなく、将来の健康リスクを減らすことにもつながります。血糖値が適切に管理されていると、エネルギー供給がスムーズに行われ、集中力や体力が維持されやすくなります。

 

隠れ低血糖とは?

隠れ低血糖とは、血糖値が通常の健康診断では「正常範囲」とされるものの、急激に低下することで身体や心に不調をもたらす状態を指します。この現象は一見健康に見える方にも起こり、見逃されがちですが、日常生活や将来の健康に大きな影響を与える可能性があります。

 

隠れ低血糖が起こる仕組み

 

隠れ低血糖は、特に食後に発生しやすいと言われています。食事を摂ると血糖値が急上昇(血糖スパイク)し、その後、インスリンというホルモンの過剰分泌によって血糖値が一気に下がることが原因です。
この急激な血糖値の変動は、体内で「エネルギー不足」として認識され、様々な症状を引き起こします。

 

隠れ低血糖の症状とは?

 

隠れ低血糖は、血糖値が急激に下がることで起こる状態ですが、症状が一見分かりにくいため見過ごされることが少なくありません。以下に、隠れ低血糖によく見られる症状をわかりやすくご説明します。

1. 強い疲労感やだるさ

食後に急激な眠気やだるさを感じることがあります。体のエネルギー源である血糖値が急激に低下することで、体全体がエネルギー不足に陥るためです。

 

2. めまいや頭痛

血糖値が低下すると脳へのエネルギー供給が不足し、めまいやズキズキした頭痛が起こることがあります。

 

3. 動悸や冷や汗

血糖値が下がりすぎると、体が血糖値を上げようとホルモンを分泌します。この影響で心拍数が上がり、動悸や冷や汗が出ることがあります。

 

4. 不安感やイライラ

血糖値の乱高下は、自律神経にも影響を与えるため、不安感やイライラ、落ち着かない気分になることがあります。

 

5. 集中力の低下や判断力の鈍り

脳のエネルギー不足が原因で、仕事や勉強中に集中力が続かない、考えがまとまらないといった症状が見られることがあります。

 

6. 手の震えや空腹感

手が震えたり、急に強い空腹感を感じる場合があります。これは、体が血糖値を上げるためにエネルギーを求めているサインです。

 

7. 食後の腹痛や違和感

血糖値が下がりすぎた状態を改善しようと、体がホルモンを分泌する際に胃腸が影響を受け、腹痛や違和感が出ることがあります。

 

隠れ低血糖の症状に気づいたら

 

隠れ低血糖の症状は、疲れやストレスと見分けにくいことがありますが、これらの症状が頻繁に現れる場合は、血糖値の乱れが原因かもしれません。当院では、**持続血糖測定(CGM**や詳しい血液検査を通じて、血糖値の動きを正確に把握し、患者様に合わせた治療プランをご提案します。

食後に強い眠気や疲労感を感じる方、またはこれらの症状にお心当たりがある方は、ぜひお気軽にご相談ください。健康的な生活を取り戻すお手伝いをいたします!

 

どんな人がなりやすい?

 

隠れ低血糖は、以下のような生活習慣や体質を持つ方に多く見られます:

  • 高糖質食品(パン、白米、お菓子など)の摂取が多い
  • 不規則な食生活(朝食を抜く、夜遅くに食事をする)
  • ストレスや睡眠不足が多い
  • 運動不足や筋肉量の減少

 

隠れ低血糖(血糖調節障害)の種類と特徴

 

隠れ低血糖(血糖調節障害)は、血糖値が正常範囲にあるにも関わらず、急激な変動によって体調不良を引き起こす状態を指します。この中でも特に多いのが、機能性低血糖夜間低血糖です。それぞれの特徴を解説します。

1. 機能性低血糖

 

機能性低血糖は、食後に血糖値が急激に上昇した後、過剰なインスリン分泌によって血糖値が急激に低下する状態を指します。これは特に高糖質の食事を摂った後に起こりやすいとされています。

原因

  • GI食品の摂取:パン、白米、ジュースなど高GI食品を大量に摂取すると、急激に血糖値が上がります。
  • インスリンの過剰分泌:血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌され、血糖値が急降下します。
  • 不規則な食生活:朝食を抜いたり、過度な糖質制限を行うことで血糖値の変動が激しくなります。

主な症状

  • 食後24時間以内に現れる倦怠感、めまい
  • 動悸や冷や汗、不安感
  • 集中力の低下や判断力の鈍化
  • 強い眠気や腹痛を伴うことも

 

2. 夜間低血糖

 

夜間低血糖は、睡眠中に血糖値が異常に低下する状態で、自覚症状が少なく、気づきにくいのが特徴です。この状態が続くと、睡眠の質が低下し、日中の不調に繋がります。

原因

  • 肝臓の糖新生機能の低下:肝臓でグリコーゲンをブドウ糖に変換できず、血糖値が維持できなくなる。
  • 副腎疲労:血糖値を上げるホルモン(コルチゾール)の分泌が不十分。
  • アルコール摂取:肝臓の糖新生を抑制し、血糖値低下を引き起こします。
  • 過度な運動:夕方や夜に激しい運動をすると、グリコーゲンが消耗されやすくなります。

主な症状

  • 寝汗:アドレナリン分泌が増加し、大量の汗をかく。
  • 悪夢や鮮明な夢:脳が興奮状態になるため。
  • 朝の倦怠感や頭痛:十分な睡眠を取ったはずなのに疲労感が抜けない。
  • 食欲不振:朝食が食べられないほどの胃のむかつき。

 

機能性低血糖と夜間低血糖の違い

特徴

機能性低血糖

夜間低血糖

発生タイミング

食後(特に高GI食品の摂取後)

睡眠中

主な原因

高糖質食品、不規則な食事、過剰なインスリン分泌

肝臓の糖新生低下、副腎疲労、アルコール摂取

主な症状

倦怠感、動悸、不安感、眠気

寝汗、悪夢、朝の倦怠感

 

血糖値スパイクとは?

 

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後急降下する現象を指します。通常、血糖値は食後2時間以内にゆるやかに上昇し、徐々に正常範囲に戻りますが、血糖値スパイクが発生すると、グラフが「とげ」のように急上昇・急降下を繰り返します。この現象は健康診断の空腹時血糖値では検出されないことが多く、見過ごされやすい状態です。

 

血糖値スパイクが起こる仕組み

 

  1. 食後の血糖値急上昇
    食事中の炭水化物(糖質)が小腸で吸収されると、血糖値が急激に上昇します。この際、膵臓から分泌されるインスリンが血中のブドウ糖を細胞に取り込む役割を果たしますが、以下の要因により血糖値スパイクが発生します:
    • インスリン分泌の遅れや不足:膵臓の機能低下や肥満による影響。
    • インスリン抵抗性:細胞がインスリンの作用を受けにくくなる状態。
  1. 急激な血糖値の低下
    血糖値が急上昇すると、インスリンが大量に分泌され、その結果、血糖値が急激に低下します。この急降下が身体にさまざまな悪影響を及ぼします。

 

血糖値スパイクのリスク

 

血糖値スパイクを繰り返すと、以下の健康リスクが高まります:

  • 動脈硬化:血管内壁が損傷を受け、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす可能性が高まります。
  • 認知機能低下:脳血流の乱れや酸化ストレスによる影響。
  • 糖尿病予備軍の進行:血糖値スパイクが続くと糖尿病の発症リスクが上昇します。

 

血糖値スパイクを起こしやすい人の特徴

 

  • 炭水化物中心の食事が多い
  • 早食いの習慣がある
  • 運動不足
  • 血縁者に糖尿病の人がいる
  • 朝食を抜く、または不規則な食生活をしている

 

血糖値スパイクの症状

 

血糖値スパイクの初期症状は以下の通りです:

  • 眠気やだるさ:急激な血糖値の変動によりエネルギー不足を感じる。
  • 頭痛:血糖値の乱高下が脳の血流や神経に影響を与える。
  • 集中力低下やイライラ:血糖値の不安定さが自律神経を乱す。
  • 気絶や意識障害:重度の場合、低血糖に陥ることも。

 

血糖値スパイクの対策

  1. 食事の工夫
    • ゆっくり食べる:早食いを避け、よく噛むことで吸収速度を緩やかにします。
    • 食べる順番:「野菜→タンパク質→炭水化物」の順番で食べることで、血糖値の急上昇を防ぎます。
    • GI食品を選ぶ:白米をもち麦や五穀米に変えるなど、消化吸収の緩やかな食品を選びましょう。
    • 欠食を避ける:特に朝食を抜くと、昼食後の血糖値が急上昇しやすくなります。
  1. 適度な運動
    • 食後の軽い運動:食後30分以内にウォーキングや軽い家事を行うことで血糖値の上昇を抑えます。
    • 筋トレ:筋肉量を増やすことで、糖の吸収効率が向上します。
  1. ストレス管理と睡眠改善
    ストレスや睡眠不足は血糖値の変動を大きくするため、リラックス法や生活リズムの見直しが効果的です。

 

血糖スパイクがその後の低血糖を引き起こすメカニズム

 

血糖値の急上昇(血糖スパイク)

食事(特に高GI食品や炭水化物中心の食事)を摂取すると、小腸で炭水化物が分解され、ブドウ糖として吸収されます。この吸収が急速に進むと、血液中のブドウ糖濃度が急激に上昇します。これが「血糖スパイク」の状態です。

インスリンの過剰分泌

血糖値が急激に上昇すると、膵臓は血糖値を下げるために大量のインスリンを分泌します。インスリンは細胞にブドウ糖を取り込ませ、血糖値を正常範囲内に戻す重要な役割を担います。しかし、過剰に分泌されると、血糖値を急激に低下させる原因となります。

血糖値の急降下

大量に分泌されたインスリンが働くことで、血糖値が急激に低下します。この際、血糖値が通常の範囲を下回る「低血糖」状態に陥ることがあります。これを「反応性低血糖」と呼びます。

低血糖による症状

血糖値が急激に下がると、脳をはじめとする身体全体のエネルギー供給が不足します。その結果、以下のような症状が現れることがあります:

  • 倦怠感や疲労感
  • 頭痛やめまい
  • 動悸、不安感
  • 強い空腹感
  • 冷や汗、手の震え
悪循環の形成

低血糖が起こると、身体は血糖値を上げるためにアドレナリンやコルチゾールといったホルモンを分泌します。このホルモンの働きにより、次の食事時に血糖値が再び急上昇しやすくなります。その結果、血糖スパイクと低血糖のサイクルが繰り返されるという悪循環に陥ります。

 

隠れ低血糖・血糖値スパイクが引き起こす健康リスク

 

1. 血管へのダメージと動脈硬化の進行

 

血糖値スパイクが繰り返されると、血管の内壁が損傷を受けます。この状態が続くと、血管の柔軟性が失われ、動脈硬化が進行します。結果として以下のリスクが高まります:

  • 心筋梗塞や狭心症
  • 脳梗塞や脳卒中
  • 大動脈瘤の破裂

 

2. 自律神経の乱れ

 

血糖値の急激な上下は、自律神経系に大きな負担をかけます。血糖値の乱高下に対応するため、交感神経と副交感神経が過剰に働く状態が続くと、次のような影響が現れる可能性があります:

  • 慢性的な疲労感
  • 睡眠の質の低下
  • 不安感や集中力の低下

 

3. 隠れ糖尿病と糖尿病への進行

 

血糖値スパイクがあるにもかかわらず、空腹時血糖値が正常範囲内の場合、一般的な健康診断では見逃されることがあります。この状態を「隠れ糖尿病」と呼びます。隠れ糖尿病を放置すると、次第に糖尿病へと進行し、以下の合併症リスクが高まります:

  • 糖尿病性網膜症(視力低下、失明のリスク)
  • 腎不全(透析が必要になる可能性)
  • 糖尿病性神経障害(痛みや感覚障害)

 

4. 認知機能の低下と認知症リスク

 

血糖値スパイクが続くことで、脳血管のダメージや酸化ストレスが蓄積され、認知機能の低下や認知症の発症リスクが高まることが示唆されています。

 

5. がんの発生リスク

 

血糖値スパイクやインスリン抵抗性は、慢性的な高インスリン状態を引き起こし、がんの発生を促進する可能性があります。特に肥満を伴う場合、そのリスクが顕著になります。

 

血糖値スパイクの自覚症状

 

血糖値スパイクは自覚症状が少なく、次のようなサインが見られることがあります:

  • 食後の強い眠気や疲労感
  • 食後12時間後の異常な空腹感
  • 冷や汗や動悸
  • 集中力の低下

これらの症状に心当たりがある場合は、医療機関での検査をお勧めします。

 

隠れ低血糖・血糖値スパイクのリスクが高い人とは?

 

隠れ低血糖や血糖値スパイクは、日常の生活習慣や食事内容に起因することが多く、特定の傾向を持つ人にリスクが高まります。以下の項目に当てはまる場合は注意が必要です。

1. 炭水化物中心の食生活を送っている人

 

白米やパン、麺類などの高GI食品を多く摂取する食生活は、血糖値の急激な上昇を招きやすくなります。特に、野菜やたんぱく質が不足している場合、その影響が顕著です。

 

2. GI食品を頻繁に摂取する人

 

**GI値(グリセミックインデックス)**は、食品が血糖値をどれだけ上昇させるかを示す指標です。

  • GI食品(白米、食パン、菓子類、ポテトチップスなど)は血糖値を急激に上昇させます。
  • GI食品(玄米、全粒粉パン、野菜、海藻、ナッツなど)は血糖値の上昇を緩やかに抑える働きがあります。

GI食品ばかりの食事は血糖値スパイクの原因となり、リスクを高めます。

 

3. 朝食を抜く、または食事の間隔が長い人

 

朝食を抜いたり、食事間隔が長い生活を続けていると、空腹時に体がエネルギー不足を補うため、次の食事で血糖値が急上昇しやすくなります。

 

4. 食事が早食いや大食いの傾向がある人

 

食べる速度が速かったり、一度に大量の食事を摂ると、消化吸収が急速に進むため、血糖値が急激に上がるリスクがあります。さらに、この急上昇後には急激な低血糖が引き起こされることがあります。

 

5. 運動不足の人

 

日常生活で運動が不足すると、筋肉によるブドウ糖の消費が低下します。その結果、血糖値の上昇をコントロールする能力が低下し、血糖値スパイクを引き起こしやすくなります。

 

6. ストレスが多い人

 

慢性的なストレスは、血糖値を上昇させるホルモン(コルチゾールやアドレナリン)の分泌を促します。この影響で血糖値の変動が激しくなり、自律神経のバランスも崩れるリスクがあります。

 

7. 糖尿病や肥満の家族歴がある人

 

遺伝的に血糖値のコントロールが弱い場合、隠れ低血糖や血糖値スパイクを発症する可能性が高くなります。家族に糖尿病患者がいる方は、特に注意が必要です。

 

低血糖が起きやすい時間帯とそのメカニズム

 

低血糖は、糖尿病患者さんだけでなく、健康な方にも起こり得る現象です。特に睡眠中や午後の特定の時間帯に起きやすいことが知られています。ここでは、低血糖が起きる時間帯やその原因、注意すべき症状についてわかりやすく説明します。

夜間低血糖:睡眠中に起こる危険な低血糖

 

夜間低血糖とは、特に夜間の睡眠中に血糖値が急激に低下する状態を指します。この現象は、以下のメカニズムによって引き起こされます。

  1. 睡眠中の血糖値低下
    睡眠中、体はエネルギーを消費し続けていますが、摂取する食事がないため、血糖値が徐々に低下します。
  2. 体の反応:ホルモンの分泌
    血糖値が急激に下がると、体はこれを補おうとアドレナリンやコルチゾールといった「血糖値を上げるホルモン」を大量に分泌します。これにより、交感神経が過剰に働き、以下の症状が現れることがあります:
    • 寝汗
    • 歯ぎしり
    • 悪夢
    • 夜中に目が覚める
  1. 翌朝の影響
    夜間の低血糖の影響で睡眠の質が低下し、翌朝に以下のような症状を感じることがあります:
    • 強い疲労感
    • 頭痛
    • 首や肩のこわばり

 

午後34時の低血糖:日中の注意が必要な時間帯

午後34時頃は、血糖値が一日の中で最も低くなる時間帯と言われています。この時間帯に、以下のような症状が現れる場合があります:

  • だるさや集中力の低下
  • 強い眠気
  • イライラ感

これらの症状は、日中も血糖値が乱高下している可能性を示しているため、注意が必要です。

 

低血糖を引き起こしやすい要因

 

低血糖は以下のような生活習慣や状態によって起こりやすくなります:

  • 糖質過多の食生活
    血糖値を急激に上昇させる高GI食品(白米、パン、砂糖を多く含む食品)を摂取した後、インスリンが過剰に分泌され、血糖値が急激に下がる可能性があります。
  • 食事の間隔が長い
    長時間空腹状態が続くと、血糖値が低下しやすくなります。
  • アルコール摂取
    アルコールは肝臓での糖新生を抑制するため、夜間低血糖のリスクが高まります。
  • 運動後の低血糖
    特に夕方や夜の運動後、血糖値が下がりすぎる場合があります。

 

改善のためのポイント

 

  1. 食事の見直し
    • 夜間低血糖を防ぐためには、夕食の糖質を減らし、食物繊維やタンパク質を中心としたバランスの良い食事を心掛けることが重要です。
    • GI食品を避け、低GI食品(玄米、全粒粉パン、野菜など)を選びましょう。
  1. 間食の活用
    空腹が続く場合は、ナッツやチーズなどの糖質を含まない軽い間食を取ると効果的です。
  2. 適度な運動
    運動は血糖値の安定に役立ちますが、運動のタイミングや強度を調整し、過度な血糖値の低下を避けましょう。

 

隠れ低血糖と血糖値スパイクの診断方法

 

隠れ低血糖や血糖値スパイクは、一般的な健康診断では見つけにくいことが特徴です。特に空腹時血糖値やHbA1cの測定だけでは検出が難しいため、より詳細な検査が必要です。ここでは、これらの状態を診断するための具体的な方法をわかりやすく説明します。

 

1. 健康診断での初期検査

 

健康診断では以下の項目が一般的に使用されます:

  • 空腹時血糖値:糖尿病の診断基準として126 mg/dL以上で異常。
  • HbA1c(ヘモグロビンA1c:過去12か月間の平均的な血糖値を反映します。5.8%以上で血糖値スパイクの可能性が考えられます。

ただし、これらの検査は血糖値の急激な変動を把握するには不十分な場合があります。

 

2. 詳細な検査方法

 

(1) 経口糖負荷試験 (OGTT)

 

OGTTは、糖代謝の状態を正確に把握するための検査で、血糖値スパイクの有無を診断する最も感度の高い方法です。

  • 検査の流れ:
    1. 1016時間の絶食を行う。
    2. 空腹時に血糖値を測定。
    3. ブドウ糖75gを溶かした水を飲む。
    4. 30分後、60分後、90分後、120分後に採血し、血糖値の変化を確認。
  • 特徴:
    1. 糖代謝異常や血糖値スパイクを高精度で診断可能。
    2. 保険適用で、費用は約4,000円(3割負担)。

 

(2) 血糖自己測定 (SMBG)

 

SMBGは、患者さん自身が日常生活の中で血糖値を測定できる方法です。

  • 具体的な手順:
    1. 専用の器具で指先に針を刺し、少量の血液を採取。
    2. 血液をセンサーに乗せ、数秒で測定値を表示。
  • 特徴:
    1. 好きなタイミングで測定可能。
    2. 費用が安く、1回あたり約100円(保険適用外の場合)。
  • 注意点:
    1. 測定するタイミングや記録の仕方が重要。
    2. 血糖値の動きをすべて把握するには不十分。

 

(3) 持続グルコース測定 (CGM) 注:当院では未採用

 

CGMは、専用センサーを二の腕などに装着し、血糖値に近いグルコース濃度を継続的に測定する方法です。

  • 特徴:
    • 2週間、15分ごとのグルコース変動を記録。
    • 夜間や食後の血糖値変動を把握可能。
    • 血糖値スパイクや隠れ低血糖の詳細な状態を視覚的に確認。
  • デメリット:
    • 費用が高め(保険適用で約4,000円、3割負担)。
    • 一部の施設でのみ利用可能。
  • 適用例:
    • 糖尿病治療中の方や血糖値コントロールに課題がある方。

 

3. 最新の測定器「FreeStyleリブレPro注:当院では未採用

 

FreeStyleリブレPro」は、痛みや手間が少なく、持続的な血糖値測定を可能にする最新機器です。

  • 極細針付きのセンサーを上腕に装着するだけで、最大14日間の血糖値データを記録。
  • 15分ごとの血糖値変動を視覚化でき、食後や夜間の血糖値スパイクも確認可能。
  • 入浴や運動中でも使用可能で、生活習慣改善のサポートに役立ちます。

隠れ低血糖と血糖値スパイクの診断におけるGA(グリコアルブミン)と1,5-AGの役割

 

隠れ低血糖や血糖値スパイクは、通常の健康診断では見つけにくいことがあります。しかし、GA(グリコアルブミン)や1,5-AG1,5-アンヒドロ-D-グルシトール)の測定を活用することで、血糖値の詳細な変動を把握しやすくなり、早期の対応が可能となります。

 

1. GA(グリコアルブミン)の特徴と役割

GAとは?

GAは血液中のタンパク質の一種であるアルブミンがブドウ糖と結合してできる糖化アルブミンを指します。アルブミンの寿命が約17日であることから、GAは過去23週間の血糖値の平均を反映します。

GAの診断でわかること

  • 短期的な血糖変動の把握
    GA
    は、HbA1c(過去12カ月間の血糖値の平均)よりも短期的な血糖変動を示します。そのため、糖尿病の初期段階や治療効果の評価に役立ちます。
  • HbA1cとの補完的な利用
    HbA1c
    が正確に測定できない場合(貧血、肝疾患、腎疾患など)、GAが診断の補助となります。

GA測定の注意点

アルブミン代謝に影響を及ぼす疾患(肝機能障害、甲状腺機能異常など)の場合、GAの値が変動する可能性があるため、他の指標と併用して診断することが推奨されます。

 

2. 1,5-AG1,5-アンヒドロ-D-グルシトール)の特徴と役割

1,5-AGとは?

1,5-AGは、グルコースに似た構造を持つ単糖で、主に食物から摂取されます。通常、腎臓で99.9%が再吸収され、血中濃度は安定しています。しかし、血糖値が腎臓の糖吸収閾値(約180mg/dL)を超えると、グルコースが再吸収を競合阻害し、1,5-AGは尿中に排泄され血中濃度が低下します。

 

1,5-AGの診断でわかること

  • 食後高血糖の検出
    HbA1c
    が正常範囲内でも、食後高血糖の存在を示すマーカーとして有用です。特に、耐糖能異常(境界型糖尿病)でのモニタリングに適しています。
  • 短期間の血糖変動の把握
    1,5-AG
    は血糖変動に敏感に反応し、過去12週間の血糖変動を反映します。

1,5-AG測定の注意点

以下の条件がある場合、1,5-AG値が変動することがあります:

  • 低下させる因子
    腎性糖尿、妊娠後期、SGLT2阻害薬の使用など
  • 上昇させる因子
    一部の漢方薬(人参養栄湯、加味帰脾湯など)や特定の食事

 

3. GA1,5-AGの組み合わせ診断の意義

GA1,5-AGは、それぞれ異なる期間の血糖変動を反映するため、両者を組み合わせることで、血糖値の状態をより詳細に把握できます。以下のような診断に役立ちます:

  • 血糖値の乱高下の有無の確認
    特に、空腹時血糖値が正常でも、食後血糖値の乱高下を検出できます。
  • 治療効果の評価
    食事や運動療法、薬物治療の効果を短期的に確認できます。

血糖値スパイクや隠れ低血糖の診断の重要性

 

血糖値スパイクや隠れ低血糖は、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中、さらに認知症のリスクを高める可能性があります。健康診断で異常がなくても症状が気になる場合は、当院にご相談ください。

当院では、OGTTCGMを活用した詳細な血糖値変動の分析を行い、最適な治療プランをご提案いたします。早期発見・早期対策で健康を守りましょう!

 

隠れ低血糖と血糖値スパイクの治療・予防法

 

隠れ低血糖や血糖値スパイクは、症状が自覚しにくいため見逃されがちですが、放置すると動脈硬化や心血管疾患、糖尿病などの重大なリスクにつながる可能性があります。ここでは、治療と予防のために効果的な方法をわかりやすくご紹介します。

 

1. 隠れ低血糖と血糖値スパイクの治療方法

(1) 食事療法

適切な食事を摂ることは、血糖値の安定において最も重要です。

  • GI食品を選ぶ
    食品のGI値(グリセミックインデックス)は、血糖値の上がりやすさを示します。GI値が低い食品(全粒穀物、野菜、きのこ類など)は血糖値の急上昇を抑えます。
  • 食事の順番を工夫
    食物繊維を多く含む野菜やたんぱく質を先に食べ、その後で炭水化物を摂る「ベジファースト」を実践しましょう。これにより、血糖値の急激な上昇を予防できます。
  • 間食の工夫
    空腹時に急激に血糖値が下がるのを防ぐため、低GIの間食(ナッツ、ヨーグルトなど)を取り入れるのも効果的です。
  • 糖質の摂取を調整
    特に夜間低血糖を防ぐためには、夕食の糖質を控えめにし、たんぱく質や脂質を中心にしたバランスの取れた食事を心掛けます。

 

(2) 運動療法

定期的な運動は血糖値のコントロールに大きく寄与します。

  • 有酸素運動
    ウォーキングやジョギング、サイクリングなどは脂肪を燃焼させ、インスリンの感受性を高める効果があります。
  • 筋力トレーニング
    筋肉に蓄えられた糖をエネルギーとして利用するため、血糖値の安定につながります。軽い筋トレを組み合わせることで、さらなる効果が期待できます。
  • 運動のタイミング
    食後1時間以内に軽い運動を行うと、食後血糖値の上昇を抑えることができます。

 

(3) 医療的サポート

適切な医療機関での診断と治療は、隠れ低血糖や血糖値スパイクの管理に欠かせません。

  • 経口糖負荷試験(OGTT
    詳細な糖代謝の状態を確認し、血糖値スパイクや低血糖の有無を特定します。
  • 持続グルコース測定(CGM注:当院では未採用
    日中や夜間の血糖値変動を継続的にモニタリングし、食事や運動の改善ポイントを見つけます。
  • 必要に応じた薬物療法
    インスリン抵抗性がある場合には、医師の判断で血糖値を安定させるための薬物治療が行われることもあります。

2. 日常生活での予防法

 

(1) 生活リズムの整え方
  • 規則正しい食事
    朝食をしっかりと摂り、13食をバランスよく食べることが基本です。
  • 夜間低血糖を防ぐ工夫
    夕食後に軽い間食を摂る場合は、糖質の少ない食品を選びましょう。寝る前に糖質を多く摂取すると低血糖を招きやすいため注意が必要です。

 

(2) ストレス管理

ストレスは血糖値の変動を悪化させる要因です。適度なリラックスや睡眠の質を高める工夫(深呼吸、瞑想など)を取り入れましょう。

 

(3) 自己モニタリング

自分の血糖値を定期的にチェックすることで、血糖値スパイクや隠れ低血糖の早期発見につながります。特に、CGM(持続グルコース測定器 注:当院では未採用)を使用すれば、日中や夜間の血糖値変動を簡単に把握できます。

 

ご予約方法

 

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受付時間内にお電話いただくことで、診療のご予約が可能です。
診療時間や混雑状況に応じて、最適な日時をご案内いたします。

📞 電話番号:0238-22-1501または050-1807-2072
受付時間:平日 9:0017:30(土曜 9:0012:30

自動受付にてお名前と伝言をお残しいただければ

内容確認後、担当者より折り返しご連絡いたします。

 

2)オンライン予約
当院のホームページから24時間いつでも簡単にご予約が可能です。
パソコンやスマートフォンでご利用いただけます。初めての方も再診の方もご利用ください。

🌐 オンライン予約ページ: こちらをクリック

一般診察→ 慢性疾患ないし2次健診・再検査でご予約ください。

 

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3. 診療受付時間

曜日

午前診療

午後診療

月~金曜日

8:3013:00

14:3018:00

水・土曜日

:3013:00

午後休診

日曜・祝日

休診

 

4. 初診の方へ

  • 持ち物:保険証、お薬手帳(お持ちの方)、各種医療証をご持参ください。
  • 到着時間:初診の場合、問診票記入のため予約時間の15分前にご来院ください。

5. キャンセル・変更について

予約のキャンセルや変更をご希望の場合は、できるだけ早めにご連絡ください。
他の患者様へのスムーズな診療のため、ご協力をお願いいたします。

きだ内科クリニックでは、患者様に寄り添った丁寧な診療を心がけています。お問い合わせやご予約に関してご不明点がございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。

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