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【医師監修】大人も注意!百日咳の症状・感染経路・治療法を徹底解説

[2025.05.08]

【医師監修】大人も注意!百日咳の症状・感染経路・治療法を徹底解説

こんにちは。きだ内科クリニックです。
当院は呼吸器疾患を専門とするクリニックではありませんが、最近話題となっている**百日咳(ひゃくにちぜき)**について、正しい情報提供のために自主的に調査・整理いたしました。

百日咳は、**「大人にも増えている感染症」**として注目されており、長引く咳の原因として見逃されやすい疾患です。この記事では、百日咳の症状、感染経路、診断・治療方法、そして予防策までを、最新の医学情報に基づいてわかりやすく解説します。


百日咳とは?|原因菌と病気の特徴

百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)という細菌によって引き起こされる急性の呼吸器感染症です。
その名の通り、「咳が100日続く」と表現されるほど、長期間続く咳が特徴です。

以前は子どもの病気とされていましたが、現在では大人の百日咳も増加しており、年齢を問わず感染するリスクがあります。


百日咳の感染経路と感染力

百日咳は主に以下の経路で感染します。

  • 感染者の咳やくしゃみによる飛沫感染

  • 感染者の唾液などが付着したものに触れる接触感染

感染力は非常に強く、麻疹(はしか)と同程度とされ、免疫がない場合の感染確率は70%以上とも言われています。
特に、発症初期の2〜3週間は感染力が最も強いため、本人も気づかないうちに周囲へ感染を広げてしまう可能性があります。


百日咳の症状と経過|3つの進行期

百日咳の症状は大きく3段階に分かれ、全体で2〜3カ月ほどかかることが多いです。

1. カタル期(1〜2週間)

  • 軽い咳、鼻水、くしゃみなど風邪に似た症状

  • 微熱程度で済むことも

  • この時期が最も感染力が高い

2. 痙咳期(約2〜4週間)

  • 発作的な咳(スタッカート)が増える

  • 息を吸うときに「ヒューッ」という特徴的な音(フーピング)

  • 顔面紅潮、嘔吐、夜間悪化、無症状の時間もある

3. 回復期(2〜3週間〜数カ月)

  • 咳の回数・強さが徐々に軽減

  • 再度の感染や風邪で悪化することも


年齢による症状の違い|乳児・大人で異なる特徴

● 乳児(特に生後6カ月未満)の場合

  • 発作的な咳が見られないことも多く、無呼吸・チアノーゼ・けいれんなどで重症化しやすい

  • 死亡率が高く、特に生後3カ月未満は要注意

● 大人の場合

  • 典型的な症状が出にくく、風邪と見分けがつきにくい

  • 長引く「乾いた咳」が特徴

  • 夜間に咳が悪化、仕事や睡眠に支障

  • 周囲に感染を広げやすい


百日咳の合併症|特に乳児では重症化に注意

合併症名 説明
肺炎 死亡原因の約9割、特に乳児で多い
脳症 まれだが重篤な後遺症・死亡リスクあり
無呼吸 特に月齢の小さい乳児に多い
その他 中耳炎、気管支炎、肋骨骨折、結膜出血なども報告

百日咳の診断方法

  1. 問診・身体診察:咳の性質・持続・時間帯を確認

  2. 鼻咽頭ぬぐい液や痰の検査:PCR法やLAMP法など(健康保険適用)

  3. 血液検査(抗体価測定):発症後の検査精度向上

  4. 画像診断(X線・CT):肺炎などの除外診断


百日咳の治療法

  • 基本はマクロライド系抗菌薬(アジスロマイシンなど)

  • 発症2週間以内の服用が最も効果的

  • 咳症状は抗菌薬ではすぐに止まらないが、感染拡大を防ぐことが可能

  • 重症の場合は入院・酸素投与・吸引処置も必要

  • 耐性菌(マクロライド耐性百日咳菌)の存在にも注意


百日咳の予防とワクチン接種

● 予防接種の重要性

  • 日本では**5種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)**などが定期接種

  • 生後2カ月から接種可能

  • 成人でも追加接種が推奨されており、特に乳児と接触する人は必須

● ワクチンの効果は時間とともに減少

  • 効果の持続期間はおよそ4〜12年

  • 大人でも再感染のリスクあり

● ワクチン以外の対策

  • 手洗い・うがい・マスク・咳エチケット

  • 室内の加湿や清掃による感染リスク軽減


百日咳と間違えやすい病気

  • 咳喘息

  • 喘息性気管支炎

  • マイコプラズマ肺炎

  • アレルギー性咳嗽

咳が長引く場合は、原因を正確に見極めることが重要です。


こんな症状があれば、早めの受診を

  • 咳が2週間以上続いている

  • 夜間に乾いた咳が悪化している

  • 周囲に乳幼児・高齢者・基礎疾患を持つ方がいる

百日咳は、学校保健安全法の第2種感染症に指定されており、症状がある間や治療5日間までは出席停止となる場合があります。感染を広げないためにも、気になる症状がある場合は、呼吸器内科や小児科を早めに受診してください。

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