健康診断で「コレステロールが高い」と言われた方へ 次に取るべき行動とは?【医師がわかりやすく解説】
健康診断で「コレステロールが高い」と言われた方へ
次に取るべき行動とは?【医師がわかりやすく解説】
健康診断の結果で「コレステロールが高めです」「脂質異常症の疑いがあります」と書かれていても、
「症状もないし、特に気にしていない」という方も多いのではないでしょうか?
しかし、コレステロール値の異常は“血管からのSOS”かもしれません。
放置すれば、将来的に心筋梗塞・脳梗塞などの重大な病気につながるリスクがあります。
この記事では、健康診断で「コレステロールが高い」と言われたときに取るべき行動や、生活習慣の改善ポイントについて、内科医がやさしく解説します。
◆ そもそもコレステロールとは?
コレステロールは、体に必要な脂質の一種で、細胞膜やホルモンの材料となる重要な物質です。
しかしバランスが崩れると血管を傷つけ、動脈硬化を進める要因にもなります。
健診でチェックされる主な項目
項目 | 基準値 | 異常の目安 |
---|---|---|
LDL(悪玉)コレステロール | 140mg/dL未満 | 160mg/dL以上は高リスク |
HDL(善玉)コレステロール | 40mg/dL以上 | 40mg/dL未満は要注意 |
中性脂肪(TG) | 150mg/dL未満 | 200mg/dL以上で異常 |
◆ 放置するとどうなる?|“無症状”でも血管は傷ついていく
コレステロール値の異常は、自覚症状がないまま進行します。
そのため「何も感じないから大丈夫」と思っているうちに、以下のようなリスクが高まっていきます:
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✅ 動脈硬化の進行
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✅ 心筋梗塞・狭心症(心臓の血管が詰まる)
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✅ 脳梗塞・脳出血
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✅ 脂肪肝・慢性腎臓病
特に、糖尿病・高血圧と合併している方は要注意です。
◆ 健診で「高コレステロール」と言われたら、まず何をすべき?
✅ 1. 数値を正確に把握する
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健診票に記載されている数値を確認し、「LDL」「HDL」「中性脂肪」がどの程度異常なのかをチェック
✅ 2. 専門医に相談して再検査を
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単発の数値ではなく、**空腹時の再検査・精密検査(必要に応じて甲状腺・肝機能など)**で正確な診断を受けることが重要です
✅ 3. 自分に合った改善方法を知る
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体質や生活環境によって、改善のアプローチは異なります。医師と相談しながら進めることで、無理なく効果的な対策が可能です。
◆ 薬に頼る前に!コレステロールを下げる生活習慣5選
① 食事の見直し
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脂身・揚げ物・スナック菓子を控える
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魚・大豆・野菜・海藻を積極的に摂取
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間食や甘い飲料、アルコールの見直しも
② 有酸素運動を習慣に
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ウォーキング・自転車・水泳などを週3〜5回
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HDL(善玉)を増やし、LDL(悪玉)を減らす効果あり
③ 禁煙・節酒
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喫煙は動脈硬化を進行させ、HDLを減少させる要因
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アルコールは中性脂肪を増やすため、量に注意
④ 睡眠・ストレス管理
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睡眠不足やストレス過多もコレステロール代謝に影響します
⑤ 体重管理
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BMIが高い方は、体重の5%減でも脂質改善に有効とされています
◆ 薬が必要なケースも|早期の対応が予防につながる
生活改善だけで改善が難しい場合は、スタチンなどの脂質改善薬を使用することもあります。
ただし、それも「必要最小限・体質に合った選択」が大切です。
医療機関では、定期的な血液検査での経過観察を行いながら、
必要に応じて治療を進めていきます。
◆ 健診後のフォローアップは、きだ内科クリニックへ
きだ内科クリニックでは、健診結果をもとにした丁寧な生活指導・再検査・必要に応じた治療方針のご提案を行っています。
「薬には頼りたくないけど、数値は気になる」
「何から始めればいいのかわからない」
そんな方でも安心してご相談いただけます。