家族に脂質異常症の人がいる方へ|遺伝との関係と今すぐできる予防法
家族に脂質異常症の人がいる方へ
遺伝と予防の正しい知識を医師がわかりやすく解説
「親がコレステロールの薬を飲んでいる」
「家族に脂質異常症の人がいるけど、自分もなるの…?」
このような不安を抱えていませんか?
脂質異常症(高コレステロール血症・高中性脂肪血症)は、生活習慣病でありながら遺伝的要素も強い病気です。
この記事では、脂質異常症と遺伝の関係、そして家族歴がある方が今すぐ始められる予防法について、内科医がわかりやすく解説します。
◆ 脂質異常症とは?|コレステロールや中性脂肪の異常
脂質異常症は、血液中の脂質(コレステロール・中性脂肪など)が基準値から外れている状態を指します。
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LDLコレステロール(悪玉)が高い:140mg/dL以上
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HDLコレステロール(善玉)が低い:40mg/dL未満
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中性脂肪(トリグリセリド)が高い:150mg/dL以上
これらの数値異常が、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の引き金となるため、早期発見と予防が重要です。
◆ 脂質異常症は「遺伝する」のか?
✅ 家族性高コレステロール血症(FH)という病気も
脂質異常症のなかには、**遺伝によって生まれつきLDLコレステロールが非常に高くなる「家族性高コレステロール血症(FH)」**という病型があります。
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両親や兄弟姉妹にLDL高値の人が多い
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若年で心筋梗塞を発症した家族がいる
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通常よりも高い数値が出るのに生活習慣は問題ない
このような方は、遺伝的脂質異常の可能性があるため注意が必要です。
✅ 一般の脂質異常症でも「体質的な遺伝」は関与
FHのような明らかな遺伝病でなくても、脂質を処理する体質や代謝能力は遺伝の影響を受けます。
つまり、親が高コレステロールであれば、子もなりやすい傾向があるのです。
◆ 家族歴がある方に知っておいてほしい「予防の基本」
◎ 1. 若いうちから数値をチェック
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20代・30代からでも、定期的に健康診断や血液検査を受けることが大切です
◎ 2. 食生活の見直し
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揚げ物・脂身・スナック菓子などは控えめに
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魚・大豆・野菜中心のバランスの良い食事を意識しましょう
◎ 3. 適度な運動習慣を持つ
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1日30分のウォーキングや軽い筋トレを週3〜5回
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運動は善玉(HDL)を増やす効果があります
◎ 4. 喫煙・過度な飲酒はNG
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タバコはHDLを下げ、動脈硬化を促進します
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アルコールは中性脂肪を上げやすいため、量と頻度に注意
◎ 5. 肥満の予防・改善
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内臓脂肪が増えると脂質異常になりやすくなるため、体重管理も重要です
◆ 「遺伝だから仕方ない」と諦めないで
脂質異常症は、たとえ遺伝的な要因があっても、
生活習慣の見直しと医療的サポートによって十分にコントロール可能です。
大切なのは、「体質だから」と放置せず、早めに対策を取ること。
予防に取り組むことが、10年後・20年後の健康を守ることにつながります。
◆ 脂質異常症の家族歴がある方は、きだ内科クリニックへ
当院では、家族に脂質異常症の方がいる方への予防指導や定期的なチェック、
必要に応じた精密検査や治療のご提案を行っています。
「まだ症状はないけど心配…」という段階からでもご相談いただけます。
まずは、ご自身の血液データを知ることから始めてみませんか?