【最新】大腸がんの抗がん剤&放射線治療は必要?最適な治療法を徹底解説! 大腸がん【第六弾】
抗がん剤・放射線治療はどんなときに行う?
大腸がんの治療には、手術だけでなく、抗がん剤(化学療法)や放射線治療が必要になるケースがあります。 これらの治療は、がんの進行度や再発リスクに応じて適切に選択されます。
ここでは、抗がん剤は必ず必要なのか? 分子標的薬・免疫チェックポイント阻害剤の進歩、放射線治療の役割と最新の照射技術について詳しく解説します。
🔹 抗がん剤(化学療法)はどんな時に行う?
✅ 手術でがんを完全に切除できない場合
- 進行がん(ステージⅣ)や再発がんに対し、がんの進行を遅らせる、または症状を緩和する目的で使用されます。
✅ 手術後の再発予防(補助化学療法)
- ステージⅢの大腸がんや、ステージⅡでも再発リスクが高い場合に、手術後の補助化学療法として行われます。
- 手術で目に見えるがんを取り除いた後も、目に見えない微小ながん細胞の増殖を抑える目的があります。
✅ 手術前の化学療法(術前化学療法)
- 進行した直腸がんに対して、手術前に化学療法を行うことで腫瘍を小さくし、手術の成功率を高める、肛門を温存することが期待できます。
✅ 全身治療が必要な場合
- 抗がん剤は血管を通じて全身に作用するため、手術で取りきれないような遠隔転移(肝転移・肺転移など)がある場合にも使用されます。
🔹 「抗がん剤=必ず必要?」 ステージによる治療戦略
大腸がんの治療戦略は、ステージによって異なります。
ステージ |
主な治療方針 |
ステージ0~I(早期がん) |
手術または内視鏡治療で切除できる場合が多く、通常は抗がん剤不要。 |
ステージII |
手術が基本。再発リスクが高い場合は補助化学療法を検討。 |
ステージIII |
手術後に補助化学療法が推奨される。 再発リスクを下げるため、抗がん剤を6ヶ月程度使用。 |
ステージIV(転移あり) |
化学療法が中心。手術や放射線療法と組み合わせることもある。 |
💡 抗がん剤は、全ての大腸がん患者に必要なわけではありません。がんの進行度や再発リスクに応じて、適切に使用されます。
🔹 分子標的薬・免疫チェックポイント阻害剤の進歩
✅ 分子標的薬とは?
- がん細胞特有の分子を狙い撃ちする薬。従来の抗がん剤よりも、正常な細胞へのダメージが少なく、副作用が軽減される。
- 例:ベバシズマブ(アバスチン)、セツキシマブ(アービタックス) など。
✅ 免疫チェックポイント阻害剤とは?
- がん細胞が免疫の攻撃を逃れる仕組み(免疫チェックポイント)を解除し、免疫細胞にがんを攻撃させる薬。
- 大腸がんでは、特定の遺伝子異常(MSI-H / dMMR)を持つ患者さんに対して効果が期待される。
- 例:ニボルマブ(オプジーボ)、ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
📌 ただし、免疫療法が有効な患者さんは全体の10%未満。治療前に遺伝子検査が必要。
🔹 放射線治療の役割と最新の照射技術
✅ 放射線治療は、主に直腸がんや転移したがんに対して行われます。
放射線治療の目的
📌 手術の補助療法(術前・術後照射)
- 直腸がんの手術前に放射線を照射し、腫瘍を縮小させることで手術の成功率を高める。
- 肛門を温存するために、手術前の放射線治療が行われることもある。
- 手術後に骨盤内再発のリスクを低下させるために行う場合もある。
📌 症状緩和(緩和的放射線療法)
- 切除が困難な場合、がんによる痛みや出血などの症状を和らげる目的で放射線治療を実施。
- 骨転移や脳転移による症状緩和にも用いられる。
最新の放射線照射技術
✅ 強度変調放射線治療(IMRT)
- 腫瘍の形状に合わせて放射線の強度を調整する技術。
- 周囲の正常組織へのダメージを抑えながら、腫瘍に集中して照射できる。
✅ 画像誘導放射線治療(IGRT)
- 治療前に腫瘍の位置をリアルタイムで確認しながら照射する技術。
- 呼吸や腸の動きによる誤差を減らし、より正確な治療が可能に。
✅ 定位放射線照射(SRT)
- 脳転移や小さな転移病変に対し、高精度でピンポイント照射する技術。
- 少ない回数で治療でき、副作用を抑えつつ高い効果が期待できる。
🔹 まとめ
✅ 抗がん剤はすべての患者に必要なわけではなく、ステージごとに適切な使用がされる。
✅ 分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤の登場で、進行がんでも新たな治療選択肢が増えている。
✅ 放射線治療は主に直腸がんや転移がんに使用され、最新技術によりより正確な照射が可能になっている。