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【医師解説】がんになりやすい人の生活習慣5選|科学的根拠から見る予防法

[2026.03.01]

がんになりやすい人の生活習慣5選(エビデンスベース)

 

日本では「2人に1人が一生のうちに一度はがんになる」とされ、年齢とともに誰でもリスクは上がります。一方で、がんの発生には生活習慣や感染など“変えられる要因”も関わることが分かっています。

 

この記事では、国立がん研究センター(がん情報サービス)が日本人の研究結果からまとめた「日本人のためのがん予防法(5+1)」に沿って、がんリスクを上げやすい生活習慣5つを医学的根拠ベースで解説します。

 

結論:がんリスクを上げやすい生活習慣5つ

 

  1. 喫煙(受動喫煙を含む)
  2. 飲酒量が多い(習慣的な飲酒)
  3. 食生活の偏り(塩分過多/野菜・果物不足/熱い飲食物)
  4. 運動不足・座りっぱなし(身体活動が少ない)
  5. 太りすぎ・やせすぎ(体重管理が不適切)

 

なお、国立がん研究センターの大規模追跡研究では、これら5つの要因すべてに配慮した人は、0〜1個しか実践しない人に比べ、がんリスクが男性で43%・女性で37%低いという推計が示されています。

 

1. 喫煙する(受動喫煙も含む)

 

喫煙の問題点

たばこは複数のがんと関連し、喫煙者は非喫煙者より「何らかのがん」リスクが約1.5倍高いことが示されています。さらに、受動喫煙でも肺がんや乳がんのリスクが上がるとされています。

 

喫煙に関するエビデンス(要点)

  • 喫煙は肺がんだけでなく、食道・胃・大腸・肝臓・膵臓・子宮頸部・頭頸部・膀胱など多くのがんと関連。
  • 受動喫煙もがんリスクを上げうる(特に肺がん)。

 

今日からできる喫煙対策

  • 最優先は禁煙(「減らす」より「やめる」が効果的)
  • 家・車・職場で受動喫煙を避ける環境づくり(分煙より禁煙空間)
  • 禁煙外来の活用:保険適用の禁煙治療が使える場合があります。

 

補足:加熱式・電子たばこも「発がん性物質が含まれる」とされ、“切り替え=禁煙”ではありません。

 

2. 飲酒量が多い(習慣的に飲む)

 

飲酒の問題点

飲酒は、肝臓・食道・大腸・頭頸部などのがんと強く関連し、がん予防の観点では「飲まないのがベスト」、飲酒量を減らすほどリスクが下がると整理されています。
またWHO(欧州)は、発がん影響に「これ以下なら安全」という明確な閾値を示せない、としています。

 

飲酒に関するエビデンス(要点)

  • 日本人男性の研究で、平均アルコール摂取量(純エタノール)が
    23g未満の人に比べ、46g以上で約40%高く、69g以上で約60%高いと報告。
  • 純エタノール23gの目安:
    • ビール5%:約500ml缶1本+少し
    • 日本酒15%:約1合(約190ml)
  • 体質(ALDH2の働きの違い)により影響を受けやすい人がいる、という解説もあります(いわゆる「顔が赤くなりやすい」体質など)。

 

今日からできる飲酒対策

  • まずは「量を決める」「休肝日を作る」(“なんとなく毎日”をやめる)
  • 飲むなら小さい容器に、食事と一緒に、ゆっくり
  • 「飲まないと付き合いにくい」場合は、ノンアル・ソフトドリンクに置き換える選択肢を先に用意
  • 依存が疑われる/減らせない場合は、医療機関・専門窓口に相談(安全に減らすため)

 

3. 食生活が偏っている(塩分過多/野菜・果物不足/熱い飲食物)

 

食生活の問題点

国立がん研究センターは、日本人の研究から、「塩分や塩辛い食品のとりすぎ」「野菜・果物をとらない」「熱すぎる飲食物」ががんの原因になり得る、と整理しています。

 

食生活に関するエビデンス(要点)

  • 塩分の多い食事は、特に胃がんリスクに関係。
  • 食塩摂取の目安(成人)
    • 男性:7.5g未満/女性:6.5g未満(食事摂取基準)
  • 野菜・果物の目安(健康日本21などの目標として)
    • 野菜:1日350g以上
    • 果物:200g程度
  • 熱い飲食物は、食道の粘膜を傷つけやすく、食道がんリスクを上げる報告が多いため「少し冷ましてから」が推奨されています。

 

今日からできる食生活対策(続けやすい順)

  • 汁物は“具だくさん+汁少なめ”(減塩しやすい)
  • だし・香辛料・酸味(レモン/酢)で塩を減らしても満足度を上げる
  • 野菜は「毎食1皿」から(冷凍野菜・カット野菜でもOK)
  • 果物は「間食を果物に置換」が簡単
  • 熱いお茶・コーヒー・鍋物は、一呼吸置いて温度を下げる

補足(国際的エビデンス):加工肉(ハム・ベーコン等)は大腸がんとの因果関係が示され、IARC/WHOの評価では「発がん性あり(Group 1)」に分類されています。

 

4. 運動不足・座りっぱなし(身体活動が少ない)

 

運動不足の問題点

身体活動量が多い人ほど、がん全体の発生リスクが低いという報告があり、特に男性の大腸がん・女性の乳がんでリスク低下が示されています。

 

運動不足に関するエビデンス(要点)

国(身体活動・運動ガイド等)を踏まえた目安として、国立がん研究センターは次を紹介しています。

  • 成人:歩行または同等以上の身体活動を毎日60分以上+息がはずみ汗をかく運動を週60分以上
  • 高齢者:強度を問わず身体活動を毎日40分以上
  • 座りっぱなしが長くなりすぎないように注意(こまめに体を動かす)

 

今日からできる運動不足対策

  • 「運動」より先に、“座る時間を分断”(1時間に1回、2〜3分立つ・歩く)
  • 通勤・買い物で1駅歩く/階段を使う
  • 週末にまとめてより、平日5〜10分×複数回のほうが習慣化しやすい

 

5. 太りすぎ・やせすぎ(体重管理が不適切)

 

体重管理の問題点

肥満(太りすぎ)だけでなく、やせすぎも含めて、体重は健康リスクに関係します。国立がん研究センターの資料では、がんリスクを減らす観点からBMIを一定範囲に管理することが推奨されています。

 

体重管理に関するエビデンス(要点)

  • 目安:男女ともBMI 21〜25の範囲になるように体重管理がよいとされています。
  • 太りすぎは、大腸がん・閉経後乳がん・子宮内膜がんなどのリスク増加と関連が示されています(資料内でリスク評価が整理)。

BMIの計算式
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)²

 

今日からできる体重管理対策

  • まずは毎週同じ条件で体重を記録(増減の早期発見)
  • 「食事」か「活動」どちらか一方ではなく、食事×身体活動で微調整
  • 急激な減量、極端な糖質制限などは避け、持病がある人は医療者と相談

 

(番外編)+1:感染対策も“がん予防”に入る

 

国立がん研究センターは、生活習慣5つに加えて「感染」も重要因子として挙げています。B/C型肝炎ウイルス、ピロリ菌、HPV、HTLV-1などが例示され、検査・治療・ワクチン・検診など適切な対応でリスクを減らせる可能性が示されています。

 

まとめ:まずは“1つだけ”変えるなら

 

優先順位をつけるなら、多くの公的資料の整理から、インパクトが大きく取り組みやすいのは次の順になりやすいです。

  1. 禁煙(+受動喫煙を避ける)
  2. 飲酒を減らす(できれば飲まない)
  3. 減塩+野菜・果物を増やす
  4. 座る時間を減らして日常を活動的に
  5. BMIを21〜25目安で管理

 

FAQ

Q1.「生活習慣を整える」と、がんリスクはどれくらい変わる? A. 国立がん研究センターの追跡研究の推計では、5つの健康習慣を実践する人は、0〜1個しか実践しない人に比べて、がんリスクが男性43%・女性37%低いと示されています。
Q2. お酒は少量なら安全? A. 国立がん研究センターは「飲酒しないのがベスト」「減らすほどリスクが低い」と整理しています。WHO(欧州)も“安全な閾値”を示せないという立場です。
Q3. 加熱式たばこに替えれば大丈夫? A. 資料では、加熱式・電子たばこにも発がん性物質が含まれ得ること、切り替えは禁煙ではないことが示されています。

 

執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

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