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「お腹の張り・下痢・便秘が続く方へ ― 小麦(グルテン)が原因かも?リーキーガット・SIBOにも関係?」

[2025.04.06]

お腹の不調に悩む方へ:リーキーガット・SIBOの原因?

 

 

―グルテン制限のすすめ―

最近、お腹の張り、ガスがたまりやすい、下痢や便秘が交互に起きる、慢性的な疲れなどの症状にお悩みの方が増えています。こうした症状の背景には、**「グルテン」**という成分が関わっている可能性があることをご存じでしょうか?

 

 

■ グルテンとは?

グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦などに含まれるたんぱく質の一種で、パンやうどん、パスタ、お菓子など、私たちの身近な食品に多く含まれています。モチモチとした食感を作る成分として、非常に多くの加工食品にも使われています。

 

■ グルテンがお腹に与える影響

グルテンは一部の人にとって、腸に炎症を起こしたり、腸内環境を乱したりする原因になることがあります。代表的な疾患としては「セリアック病」や「グルテン過敏症」などがありますが、明確な診断がつかなくても、グルテンが体調に影響しているケースは珍しくありません。

特に、

  • お腹が張る

  • 食後に疲れやすい

  • ガスがたまる

  • 下痢や便秘を繰り返す

  • 肌荒れや頭痛が続く こうした症状がある方は、グルテンが腸粘膜を刺激し、「腸のバリア機能(リーキーガット)」を壊している可能性があります。

 

■ 腸のバリア機能が壊れるとどうなる?

腸は食べ物から栄養を吸収する大切な器官ですが、同時に「異物」をブロックするバリアの役割も果たしています。このバリアが壊れてしまうと、本来吸収されるべきでない物質が体内に侵入し、慢性炎症・アレルギー・自己免疫疾患・疲労感などの原因になるといわれています。

グルテン、ブドウ糖果糖液糖(果糖ブドウ糖液糖)、トランス脂肪酸などは、腸のバリアを傷つけやすいとされており、現代人の多くが知らず知らずのうちに腸にダメージを受けている可能性があります。

 

■ グルテン制限の効果とは?

実際に、グルテンを控えることで、

  • お腹の不調が改善した

  • 疲れにくくなった

  • 肌の調子がよくなった

  • 思考がすっきりする「ブレインフォグ」の改善

といった声も多く聞かれます。

 

■ 一緒に控えたい食品

グルテンとあわせて、次のような食品にも注意しましょう:

食品成分 含まれるもの 注意点
果糖ブドウ糖液糖 清涼飲料水・菓子パン・加工食品など 血糖値スパイクや腸内環境悪化の原因に
トランス脂肪酸 マーガリン・ショートニング・揚げ物 炎症や動脈硬化リスクを高める
飽和脂肪酸の多い食品 ファストフード・スナック菓子 腸内細菌のバランスを崩す可能性

 

■ きだ内科クリニックのご提案

当院では、お腹の不調が長引く原因を内視鏡検査や血液検査で丁寧に調べた上で、食事や栄養療法のアドバイスも行っています。

特に、「過敏性腸症候群(IBS)」「SIBO(小腸内細菌増殖症)」などの診断がある方には、グルテンや糖質、脂質に配慮した食生活がとても重要です。

 

ぜひ、以下をお試しください。

 

■ まずは1週間、グルテンを抜いてみましょう

 

もしお腹の不調が続いているなら、まず1週間だけでもパンや麺類などの小麦製品を控えてみるのがおすすめです。

「思っていた以上に体調が変わった!」という方もいらっしゃいます。ご自身の体の声に耳を傾けてみてください。

 

■ グルテン制限を始めるために ― 具体的なステップ ―

 

① まずは1週間だけ「小麦製品」を抜いてみましょう

無理のない範囲で良いので、1週間を目安に以下の食品を控えてみてください。

【避けるべき主な食品】

食品カテゴリー 具体例
パン類 食パン、ロールパン、クロワッサン、菓子パンなど
麺類 ラーメン、うどん、パスタ、焼きそば、そうめんなど
小麦粉を使った料理 カレーのルウ、から揚げ、天ぷら、シチューなど
お菓子類 クッキー、ケーキ、ビスケット、スナック菓子など
加工食品 ハム、ウィンナー(つなぎに小麦粉使用)、インスタント食品

 

 

② 「グルテンフリー食品」や代替食材を活用する

【代わりにおすすめの食材】

カテゴリー 代替品の例
ごはん 白米、玄米、雑穀米
麺類 米粉麺、十割そば(※小麦不使用のものを選ぶ)
パン グルテンフリーパン(米粉パン)
お菓子 米粉のクッキー、ナッツ、フルーツ
調味料 小麦不使用の醤油(例:たまり醤油)、米みそなど

 

 

スーパーやネット通販でも、「グルテンフリー」表示の商品が増えてきています。まずは一度、裏面の原材料を確認する習慣をつけるのがおすすめです。

 

③ 一緒に控えるとより効果的なもの

腸粘膜のバリアを守るために、以下も意識してみましょう。

  • 果糖ブドウ糖液糖:清涼飲料水、ジュース、菓子パンなどを控える

  • トランス脂肪酸:マーガリン、ファストフード、スナック菓子などを控える

 

④  腸に良い食品を積極的に摂る

    • 発酵食品(納豆、キムチ、味噌、ヨーグルト)

    • 食物繊維(野菜、海藻、豆類)

    • オメガ3脂肪酸(青魚、えごま油、亜麻仁油)

 

 ⑤「完全にやる」ではなく「まずは7割」からでOK

グルテンは多くの食品に含まれるため、いきなり100%抜くのは大変です。

まずは、

  • 朝だけグルテンフリーにしてみる

  • 主食を米にする

  • パンを週1〜2回だけにする

といった**「7割実行」でも体調の変化が感じられる場合があります。**

 

⑥ 変化を記録してみよう

食事制限は**「何が体調に影響しているか」**を知る大きな手がかりです。
以下のような記録をつけてみましょう:

  • 食べたもの

  • その日の体調(お腹の調子、肌の状態、疲労感など)

  • 睡眠や便通の状態

3〜7日続けると、自分に合わない食材や体調の変化が見えてきます。

 

⑦ 不安がある方は、医師と相談しながら進めましょう

グルテン制限や腸内環境の改善は自己流ではうまくいかないこともあります。

当院では、

  • 栄養指導

  • 食事アドバイス

  • 血液検査や内視鏡による腸の状態チェック

を通じて、患者さん一人ひとりに合ったサポートを行っています。

 

■ 最後に ― 当院からのメッセージ

「何をしてもお腹の調子が良くならない…」
「薬を飲んでも改善しない…」
そんなときこそ、食事から腸を見直すチャンスです。

私たちきだ内科クリニックでは、食事と内科治療を組み合わせた体にやさしい診療を心がけています。
ご自身の体調をもっと良くしたい方は、どうぞお気軽にご相談ください。

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