帯状疱疹(Herpes Zoster)とは?原因・症状・合併症・治療法を医師がわかりやすく解説
【医師監修】帯状疱疹(Herpes Zoster)とは?原因・症状・合併症・治療をわかりやすく解説
帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、強い痛みを伴い、日常生活に大きな影響を与える神経疾患です。
日本ペインクリニック学会も「帯状疱疹は皮膚病にとどまらず、深刻な合併症を引き起こす可能性がある神経疾患」と強調しています。
1. 帯状疱疹の原因と発症の仕組み
ウイルスの潜伏と再活性化
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:Varicella Zoster Virus)による感染症です。
多くの人は子どもの頃に水ぼうそう(水痘)にかかりますが、その後もウイルスは神経節(脊髄後根神経節や三叉神経節など)に潜伏します。
通常は免疫力によって抑えられていますが、加齢・疲労・ストレス・免疫低下をきっかけに再び活性化し、神経を通って皮膚に出現します。これが帯状疱疹です。
発症リスクを高める要因
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加齢:50歳以降で発症率が急増し、70代がピーク
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基礎疾患・免疫抑制:糖尿病、がん、慢性腎疾患、HIV感染、免疫抑制剤の使用など
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性別:高齢女性での発症が多い傾向
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再発:まれに繰り返すことがあり、日本の報告では6.4%(女性7.8%、男性4.5%)
2. 帯状疱疹の症状と経過
初期症状(前駆痛)
発疹の数日〜10日前から、体の左右どちらかにピリピリ・ズキズキする痛みが出現。これはウイルスが神経を損傷するために起こります。
皮膚症状
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赤い発疹(紅斑)
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特徴的な水ぶくれ(水疱)
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神経に沿って帯状に広がる皮疹
通常は2〜3週間でかさぶたとなり治癒しますが、痛みが長く続くことがあります。
主な合併症
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帯状疱疹後神経痛(PHN):皮疹治癒後も痛みが3か月以上続き、50歳以上の約2割に発生
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眼合併症(眼部帯状疱疹):視力低下・失明のリスク
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ラムゼイ・ハント症候群:耳の帯状疱疹による顔面神経麻痺・難聴・めまい
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中枢神経・内臓合併症:無菌性髄膜炎・脳炎・播種性帯状疱疹など、重症例では死亡例も
3. 帯状疱疹の治療法
帯状疱疹の治療は、早期にウイルスを抑えることと痛みの管理が基本です。
抗ウイルス薬(早期治療の重要性)
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発疹出現から72時間以内に服用開始が推奨
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アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビルなどを使用
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重症例や免疫低下例では入院・点滴投与が必要になる場合も
疼痛管理
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鎮痛薬:アセトアミノフェン、NSAIDsなど
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神経障害性疼痛治療薬:プレガバリン、ガバペンチン、三環系抗うつ薬、オピオイド
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神経ブロック注射:強い痛みやPHN予防に有効
4. 帯状疱疹の予防
帯状疱疹はワクチンで予防可能です。
50歳以上を対象に接種が推奨され、2025年度からは定期接種制度も開始されました。詳細は別記事で解説します。
まとめ
帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人がかかる病気で、強い痛みや合併症が生活の質を大きく損ないます。
✅ 早期治療(発疹から72時間以内の抗ウイルス薬)
✅ 適切な疼痛管理
✅ ワクチンによる予防
これらが帯状疱疹対策の基本です。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。
執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)
