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帯状疱疹(Herpes Zoster)とは?原因・症状・合併症・治療法を医師がわかりやすく解説

[2025.10.02]

【医師監修】帯状疱疹(Herpes Zoster)とは?原因・症状・合併症・治療をわかりやすく解説

 

 

帯状疱疹(たいじょうほうしん)は、強い痛みを伴い、日常生活に大きな影響を与える神経疾患です。
日本ペインクリニック学会も「帯状疱疹は皮膚病にとどまらず、深刻な合併症を引き起こす可能性がある神経疾患」と強調しています。

 

1. 帯状疱疹の原因と発症の仕組み

 

ウイルスの潜伏と再活性化

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV:Varicella Zoster Virus)による感染症です。
多くの人は子どもの頃に水ぼうそう(水痘)にかかりますが、その後もウイルスは神経節(脊髄後根神経節や三叉神経節など)に潜伏
します。

通常は免疫力によって抑えられていますが、加齢・疲労・ストレス・免疫低下をきっかけに再び活性化し、神経を通って皮膚に出現します。これが帯状疱疹です。

発症リスクを高める要因

  • 加齢:50歳以降で発症率が急増し、70代がピーク

  • 基礎疾患・免疫抑制:糖尿病、がん、慢性腎疾患、HIV感染、免疫抑制剤の使用など

  • 性別:高齢女性での発症が多い傾向

  • 再発:まれに繰り返すことがあり、日本の報告では6.4%(女性7.8%、男性4.5%)

 

2. 帯状疱疹の症状と経過

 

初期症状(前駆痛)

発疹の数日〜10日前から、体の左右どちらかにピリピリ・ズキズキする痛みが出現。これはウイルスが神経を損傷するために起こります。

皮膚症状

  • 赤い発疹(紅斑)

  • 特徴的な水ぶくれ(水疱)

  • 神経に沿って帯状に広がる皮疹

通常は2〜3週間でかさぶたとなり治癒しますが、痛みが長く続くことがあります。

主な合併症

  1. 帯状疱疹後神経痛(PHN):皮疹治癒後も痛みが3か月以上続き、50歳以上の約2割に発生

  2. 眼合併症(眼部帯状疱疹):視力低下・失明のリスク

  3. ラムゼイ・ハント症候群:耳の帯状疱疹による顔面神経麻痺・難聴・めまい

  4. 中枢神経・内臓合併症:無菌性髄膜炎・脳炎・播種性帯状疱疹など、重症例では死亡例も

 

3. 帯状疱疹の治療法

 

帯状疱疹の治療は、早期にウイルスを抑えることと痛みの管理が基本です。

抗ウイルス薬(早期治療の重要性)

  • 発疹出現から72時間以内に服用開始が推奨

  • アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビル、アメナメビルなどを使用

  • 重症例や免疫低下例では入院・点滴投与が必要になる場合も

疼痛管理

  • 鎮痛薬:アセトアミノフェン、NSAIDsなど

  • 神経障害性疼痛治療薬:プレガバリン、ガバペンチン、三環系抗うつ薬、オピオイド

  • 神経ブロック注射:強い痛みやPHN予防に有効

 

4. 帯状疱疹の予防

 

帯状疱疹はワクチンで予防可能です。
50歳以上を対象に接種が推奨され、2025年度からは定期接種制度も開始されました。詳細は別記事で解説します。

 

まとめ

帯状疱疹は、80歳までに約3人に1人がかかる病気で、強い痛みや合併症が生活の質を大きく損ないます。
✅ 早期治療(発疹から72時間以内の抗ウイルス薬)
✅ 適切な疼痛管理
✅ ワクチンによる予防

これらが帯状疱疹対策の基本です。気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。

 

執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

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