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逆流性食道炎、胃食道逆流症(GERD)についてお答えします

[2024.09.16]

 

逆流性食道炎とは

 

胃食道逆流症(GERD)、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流症(NERD)について

 

逆流性食道炎は、胃の中にある強い酸性の胃液や、食べたものが食道へ逆流してしまうことで発症する病気です。胃は、食べ物を消化するために強い酸を分泌していますが、食道にはその酸から守るための粘液が十分にありません。そのため、胃液が食道に逆流すると、食道の粘膜が刺激され、炎症や潰瘍が発生することがあります。

 

専門的には、胃食道逆流症(Gastro Esophageal Reflux Disease GERD)といいます。胃食道逆流症(GERD)は、症状や食道の粘膜の状態によって、逆流性食道炎と非びらん性胃食道逆流症(Non-Erosive Reflux Disease NERD)とに分けられます。

 

この病気の主な症状は、胸やけや呑酸(すっぱいものや苦いものが喉にこみ上げる感じ)です。特に脂っこい食べ物や辛い食べ物、アルコール摂取後に症状が現れることが多いです。また、喉の違和感や痛み、声がれ、慢性的な咳なども逆流性食道炎の症状として挙げられます。

 

逆流性食道炎の原因は、加齢による筋力低下や生活習慣の乱れ、食生活の欧米化などが挙げられます。特に下部食道括約筋という食道と胃の境界にある筋肉がゆるむことで、胃酸の逆流が起こりやすくなります。便秘や肥満、高脂肪の食事なども胃内圧を上昇させ、逆流を引き起こす原因となります。

 

この病気は適切な治療を行わないと、長期間にわたり症状が続き、生活の質が低下するだけでなく、食道がんのリスクを高める可能性もあります。定期的な内視鏡検査を通じて、早期に発見し治療することが重要です。当院では、症状の確認や内視鏡検査による診断を通じて、逆流性食道炎に適した治療をご提供しています。

 

胸やけや酸の逆流などの主な症状

 

胸やけは、みぞおちから胸部にかけて焼けるような不快感を感じる症状で、食事の後や横になる際に特に強く表れます。脂っこいものや辛いもの、アルコールの摂取後に起こりやすく、胸の中心部が熱く感じられることもあります。

**酸の逆流(呑酸)**は、酸っぱい液体や苦いものが口や喉に逆流してくる感覚で、空腹時や食後に特に起こりやすいです。これにより、口の中や喉が不快に感じられることもあります。

 

セルフチェックに以下のサイトをご案内します。

https://ims.gr.jp/gscenter/search/shiyokudou.html

https://www.takeda.co.jp/patients/muneyake/diagnosis1/

 

逆流性食道炎の原因とは

 

食事や生活習慣の影響

 

逆流性食道炎は、胃の内容物や胃液が食道に逆流し、食道の粘膜を傷つける病気です。胃酸が食道に上がってくることで、胸焼けや呑酸(酸っぱい液体が口まで上がる症状)などの不快な症状が現れます。

この病気の原因の一つは、日常の食生活や生活習慣が大きく影響します。当院では、逆流性食道炎を効果的に予防・治療するため、以下のような生活習慣の改善を推奨しています。

1. 食事の改善

 

脂肪分の多い食事や辛いもの、酸味の強い食品、アルコールなどは胃酸の分泌を増やし、逆流を引き起こす原因となります。逆流性食道炎を予防するためには、以下のポイントに注意しましょう。

  • 食べ過ぎない:胃に過剰な負担をかけないため、腹八分目を心がけましょう。
  • 脂肪分を控える:特に揚げ物やバターなどの高脂肪食は避け、代わりにオリーブオイルなど消化に負担が少ない油を使用することが推奨されます。
  • 食後すぐに横にならない:食後は最低でも23時間は横にならず、消化を助けるための軽い動きを心がけましょう。

 

2. 姿勢の改善

 

猫背や前かがみの姿勢は、腹圧を上昇させ、胃酸の逆流を促進します。食事中やデスクワーク中はできるだけ背筋を伸ばし、食後すぐに横にならないようにしましょう。また、就寝時には上半身を少し高くして寝ることで、逆流のリスクを軽減できます。

 

3. 生活習慣の改善

 

喫煙や飲酒は逆流性食道炎を悪化させる要因です。特に喫煙は胃酸の分泌を増加させ、逆流を引き起こしやすくします。禁煙やアルコールの節制が重要です。また、ストレスも胃酸分泌に影響を与えるため、リラクゼーションや適度な運動でストレスを管理することも大切です。

 

4. 内視鏡検査の重要性

 

逆流性食道炎は、放置すると食道がんのリスクを高める「バレット食道」などの合併症を引き起こすことがあります。症状が続く場合や繰り返す場合は、早めに内視鏡検査を受け、正確な診断を受けることが推奨されます。当院では、苦痛を軽減した内視鏡検査を行っており、安心して受けていただけます。

逆流性食道炎の予防には、日常生活の中での小さな改善が重要です。当院では、個々の患者様に合わせた治療を提供し、必要に応じ管理栄養士も含め、長期的な健康維持をサポートします。気になる症状がある方は、ぜひ当院でご相談ください。

 

肥満、喫煙、ストレスとの関係

 

逆流性食道炎は、胃液が食道に逆流し、食道の粘膜を傷つける病気です。胃液は非常に酸性であるため、食道に上がってくると胸やけや呑酸(酸っぱいものが口に上がってくる感覚)などの症状を引き起こします。この疾患は、食生活やライフスタイル、肥満、喫煙、ストレスといった要因とも密接に関連しています。当院では、逆流性食道炎に悩む方々に対して、原因となる生活習慣の改善や適切な治療法を提供し、患者様の症状をしっかりとサポートいたします。

 

肥満と逆流性食道炎

 

肥満は、逆流性食道炎のリスクを高める大きな要因の一つです。体重が増加すると、腹圧が上昇し、胃の中の内容物が食道に逆流しやすくなります。特にお腹周りに脂肪がついていると、胃が圧迫されるため、胃酸の逆流を防ぐ下部食道括約筋が正常に機能しにくくなります。当院では、食事指導や運動療法を通じて、患者様が健康的な体重を維持できるようサポートし、逆流性食道炎の改善を目指します。

 

喫煙と逆流性食道炎

 

喫煙は、逆流性食道炎の症状を悪化させる要因として知られています。ニコチンが下部食道括約筋を緩める作用があり、これにより胃酸が食道に逆流しやすくなります。また、喫煙によって唾液の分泌が減少するため、逆流した胃酸を中和する力が弱まり、食道がより大きなダメージを受けやすくなります。当院では、逆流性食道炎の治療の一環として、禁煙支援も行っており、患者様が健康的な生活を取り戻せるようお手伝いします。

 

ストレスと逆流性食道炎

 

ストレスは、逆流性食道炎の発症や悪化に深く関わっています。ストレスが蓄積すると、胃酸の分泌が過剰になり、胃液が食道に逆流しやすくなります。また、ストレスが原因で食道の感受性が高まり、胸やけや呑酸などの症状が強く感じられることがあります。

 

遺伝的要因と年齢によるリスクの増加

 

逆流性食道炎の発症には、遺伝的要因や加齢によるリスクが関わっていることがわかっています。当院では、患者さんにとって分かりやすく、効果的な説明を心がけていますので、この点について詳しくご説明します。

 

まず、遺伝的要因に関してですが、逆流性食道炎は家族内で同じ症状を持つ人が多いことが報告されています。これは、食道と胃をつなぐ「下部食道括約筋」の働きに関与する遺伝的な素質が影響するためです。この筋肉が生まれつき弱いと、胃酸の逆流を防ぎきれず、食道に炎症を引き起こしやすくなるのです。そのため、家族に逆流性食道炎の患者さんがいる場合、予防的な対策を早めに考えることが重要です。

 

また、年齢を重ねるとともに、逆流性食道炎のリスクは増加します。加齢により、食道の筋肉や蠕動運動の力が弱まるため、胃の内容物を効率よく胃に送り返す力が低下してしまうのです。これにより、胃酸が逆流しやすくなり、炎症を引き起こす可能性が高まります。特に高齢者の場合、唾液の分泌が減少することも逆流性食道炎のリスク要因です。唾液には、胃酸を中和する働きがあるため、唾液の減少は食道の保護機能が低下する一因となります。

 

逆流性食道炎の症状と診断

 

典型的な症状(胸焼け、呑酸など)

当院での逆流性食道炎の典型的な症状に関する説明をご覧ください。逆流性食道炎は、胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症を引き起こす疾患です。主な症状として「胸焼け」と「呑酸(酸っぱいものや苦いものが喉や口にこみ上げてくる感じ)」が挙げられます。

 

胸焼けは、特に脂っこい食事や辛いものを摂取した後、またはアルコールを飲んだ後に多く見られる症状で、みぞおちから胸のあたりがジリジリと焼けるように感じます。胸の中心部から背中にかけて熱感や痛みが広がることもあります。

 

呑酸は、食べ物を食べていないのに酸っぱい液体が喉や口に上がってくるような感覚です。特に寝ているときや横になったときに起こりやすく、これが原因で寝つきが悪くなったり、睡眠が妨げられることもあります。

 

逆流性食道炎では、以下のような症状が現れることがあります。

 

  • 胸やけ: 胸の中心部に焼けるような不快感や痛みを感じることが特徴です。
  • 呑酸: ゲップと一緒に酸っぱい液体が喉や口に上がってくることがあります。
  • 喉の違和感: のどが詰まる、つかえる、ヒリヒリ・イガイガとした不快感を感じることがあります。
  • 長引く咳: 原因不明の咳が続く場合、逆流性食道炎が関係していることがあります。
  • 喘息の悪化: 喘息が悪化し、治りにくい症状が続くこともあります。
  • 胃痛: 胃のあたりに痛みや不快感を感じることがあります。
  • 胃もたれや重苦しさ: 食後に胃がもたれる、重苦しい感じが続くことがあります。
  • お腹の張り: お腹が張っているような感覚を覚えることがあります。
  • 口臭: 胃酸の逆流により、口臭が発生し、息が臭いと感じられることがあります。

 

セルフチェックに以下のサイトをご案内します。

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https://www.takeda.co.jp/patients/muneyake/diagnosis1/

 

逆流性食道炎の症状が続くと、食道の粘膜がただれて潰瘍になることもあり、これが進行すると食道のがんリスクも高まります。当院では、逆流性食道炎の検査・診断に力を入れており、最新の内視鏡検査で精度の高い診断が可能です。さらに、薬物療法や生活習慣の改善指導を通じて、症状の軽減と再発予防を徹底しています。

胸焼けや呑酸などの症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。早期診断と治療が重要です。

診断方法(内視鏡検査、24時間pHモニタリングなど)

 

逆流性食道炎の診断方法について

 

当院では、逆流性食道炎の診断には、以下の検査方法を行っております。胸やけや呑酸などの症状がある方は、専門的な検査を受けることをおすすめします。

 

1. 内視鏡検査(胃カメラ)

 

逆流性食道炎の診断に最も有効な方法が、内視鏡検査です。胃カメラを使い、食道や胃の粘膜を直接観察し、炎症やびらんの有無を確認します。内視鏡検査は、口や鼻から挿入する方法があり、当院では患者様の負担を軽減するために、鎮静剤を使用することも可能です。

胃カメラ検査は、逆流性食道炎の診断だけでなく、食道がんやその他の病気の早期発見にも役立つ非常に重要な検査です。当院では高性能の内視鏡を使用しており、精度の高い診断を行います。

 

2. 24時間pHモニタリング検査

内視鏡で確認できない場合や、炎症が見られなくても症状が続く場合には、24時間pHモニタリング検査を行います。この検査では、食道内の酸の量を24時間にわたって計測し、胃酸がどれだけ逆流しているかを確認します。

この検査は、特に「非びらん性胃食道逆流症」の疑いがある場合に有効です。特殊なセンサーを使って行うため、入院が必要となるなど、大学病院などの特別な施設でのみ可能です。一般的な検査ではありません。

 

逆流性食道炎の治療方法

 

食生活と生活習慣の改善

 

逆流性食道炎(GERD)の予防には、食生活や生活習慣の改善が重要です。当院では、患者様に実践していただきやすい具体的な予防法を提案し、逆流性食道炎によるつらい症状の再発防止をサポートしています。

 

1. 食生活の改善

 

食事は、逆流性食道炎の発症や悪化に深く関わっています。特に、脂肪分や酸味の強い食べ物、アルコールは、胃酸の分泌を増やし、食道への逆流を引き起こす原因になります。次のような食生活を心がけましょう。

 

  • 脂っこい食事やアルコールを控える:高脂肪の食事は、消化に時間がかかり、胃の圧力を高めてしまいます。コレシストキニンというホルモンが分泌され、下部食道括約筋がゆるむため、逆流を招きやすくなります。
  • 刺激物を避ける:酸味が強い柑橘類、トマト、チョコレート、コーヒー、スパイシーな食べ物は胃酸の逆流を誘発しやすいので控えましょう。
  • 夕食は寝る3時間前までに:食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすくなります。寝る前は軽めの食事を心がけ、就寝の3時間前までに食事を済ませるようにしましょう。
  • ゆっくりよく噛んで食べる:食事は、ゆっくり噛んで食べることで消化の負担が軽減されます。また、食事量は腹八分目を目安にしましょう。

 

2. 生活習慣の改善

 

生活習慣の見直しも、逆流性食道炎の予防には欠かせません。次のような習慣を意識してください。

  • 体重管理:肥満は腹圧を高め、胃酸の逆流を促進します。適度な運動を取り入れて体重を管理し、腹圧を下げることが重要です。
  • 前かがみの姿勢を避ける:前かがみの姿勢や、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を保つことは、胃を圧迫し逆流を引き起こしやすくなります。日常的に姿勢を正し、腹部への圧迫を避けるよう心がけましょう。
  • 喫煙を控える:タバコに含まれるニコチンは、胃酸の分泌を促進し、逆流を引き起こす原因となります。禁煙は、逆流性食道炎の予防に大きく役立ちます。

 

3. 就寝時の工夫

 

逆流性食道炎は夜間に悪化することが多いため、就寝時の工夫も重要です。

  • 上半身を高くして寝る15度ほど上半身を高くすることで、重力による胃酸の逆流を防ぎます。背中にクッションやタオルを使い、傾斜を作ると効果的です。
  • 寝る向きに注意:右側を下にして寝ると胃酸が逆流しやすいため、左側を下にして寝ることをお勧めします。

当院では、逆流性食道炎の患者様に最適な治療法をご提案するとともに、予防策をしっかりとサポートいたします。症状の改善には食生活や生活習慣の見直しが重要ですので、気になる症状がある場合は早めにご相談ください。

 

内服治療 

 

逆流性食道炎の内服治療について:逆流性食道炎(GERD)の内服治療は、症状の改善を目指し、胃酸の過剰な分泌を抑え、食道の粘膜を保護する薬物療法が中心となります。治療には、主に以下の薬が使用されます。

 

1. プロトンポンプ阻害薬 (PPI: Proton Pump Inhibitors)

 

PPIは、逆流性食道炎の治療において最も広く使われている薬剤です。この薬は胃の壁にあるプロトンポンプをブロックし、胃酸の分泌を強力に抑制することで、食道への酸の逆流を減少させ、粘膜の修復を促進します。PPIは、以下のような薬があります:

  • オメプラゾール
  • ランソプラゾール
  • エソメプラゾール
  • ラベプラゾール

PPIは、通常は11回の服用で済み、効果が強力です。特に胸やけなどの逆流性食道炎の症状をしっかり抑えることができます。

 

2. カリウム競合型酸分泌抑制薬 (PCAB: Potassium-Competitive Acid Blocker)

 

PCABは、比較的新しいタイプの胃酸分泌抑制薬で、PPIに次ぐ治療薬として注目されています。PCABは、胃酸分泌を迅速かつ持続的に抑制する作用があり、PPIに比べて即効性が高いとされています。PCABには、以下の薬があります:

 

  • ボノプラザン(タケキャブ)

 

PCABの特徴

  • 胃酸分泌の抑制効果が迅速で、PPIと比べても即効性がある。
  • 食事に影響を受けにくい(PPIは食前に服用する必要がありますが、PCABは食事に関係なく服用可能)。
  • 長期間の服用でも効果が持続し、再発防止にも有効。

 

PCABはどんな患者に適している?

  • PPIに対して効果が不十分な患者。
  • 症状の再発を繰り返す患者。
  • 即効性を求める患者。

 

3. H2ブロッカー (Histamine H2 Receptor Antagonists)

 

H2ブロッカーは、胃酸分泌を抑える薬で、プロトンポンプ阻害薬ほど強力ではありませんが、軽度の逆流性食道炎や胃酸過多の症状には効果があります。以下の薬が含まれます:

 

  • ファモチジン
  • ラニチジン
  • シメチジン

 

H2ブロッカーは、PPIよりも即効性があり、軽度の逆流性食道炎の患者に向いていますが、長期的にはPPIPCABの方が効果的です。

 

4. 消化管運動機能改善薬

 

逆流性食道炎は、食道と胃のつなぎ目にある下部食道括約筋が緩むことで、胃酸が逆流することで起こるため、食道や胃の蠕動(ぜんどう)運動を改善する薬が使われることもあります。これらの薬は、胃酸を物理的に食道へ戻らないようにする役割を果たします。

 

  • モサプリド
    消化管の運動を促進し、胃の排出を促すことで、逆流を防ぎます。PPIPCABと併用されることが多いです。

 

5. 粘膜保護薬

 

胃酸によってダメージを受けた食道や胃の粘膜を保護する薬も併用されます。これにより、酸の影響を軽減し、粘膜の修復を促進します。

 

  • レバミピド
  • スクラルファート
  • アルロイドG

これらは、胃や食道の粘膜をコーティングし、酸からのダメージを保護します。

 

6. 漢方薬

 

逆流性食道炎の症状を和らげるために、漢方薬が使用されることもあります。特に、逆流性食道炎がストレスや体質に関連している場合、漢方薬が効果を発揮します。以下の漢方薬がよく処方されます:

 

  • 半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
    胃の不調や胸やけ、食欲不振を和らげ、胃酸の逆流を抑える効果があります。胃腸が弱い人や、食欲が低下している場合にも使われます。
  • 六君子湯(りっくんしとう)
    胃腸の働きを改善し、消化機能を高めることで、胃酸の逆流を防ぎます。消化不良や胃のもたれがある人にもよく使われます。
  • 柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
    ストレスが原因の胃腸症状に効果があり、胃の機能を正常化し、逆流を抑える作用があります。
  •  

漢方薬は、個々の体質や症状に応じて処方されるため、逆流性食道炎の原因がストレスや消化機能の低下による場合には有効です。

 

逆流性食道炎の手術療法について

 

逆流性食道炎(GERD)の治療には、主に薬物療法が用いられますが、重症例や薬物療法が効果を示さない場合には手術療法が考慮されます。手術療法は、食道と胃のつなぎ目にある下部食道括約筋(LES)の機能を強化し、胃酸の逆流を防ぐことを目的としています。以下は専門外なため参考資料よりまとめてみました。ここでは参考程度にお読みください。

 

1. 腹腔鏡下抗逆流手術(Nissen噴門形成術)

最も一般的な手術法は、**腹腔鏡下抗逆流手術(Nissen噴門形成術)です。この手術は、食道と胃の境目である噴門部を強化し、胃酸の逆流を防ぐために行われます。

  • 手術の内容
    この手術では、胃の上部を食道の周りに巻きつけるようにして縫合し、下部食道括約筋(LES)を物理的に補強します。これにより、胃酸の逆流が物理的に防止され、食道への酸の影響が減少します。
  • 利点
    • 薬物療法が効果を示さない患者や、薬の長期使用を避けたい患者に対して効果的です。
    • 腹腔鏡手術は従来の開腹手術に比べて侵襲が少なく、回復が早い。
    • 手術の成功率が高く、多くの患者で逆流性食道炎の症状が大幅に改善します。
  • 適応となる患者
    • 薬物治療が長期間にわたり効果が不十分な場合。
    • 胃酸逆流による重度の炎症や潰瘍が確認された場合。
    • 食道裂孔ヘルニアが関連している場合。
    • 胸やけや酸の逆流が生活の質に大きく影響を与えている患者。
    •  

2. Toupet(トゥーペット)噴門形成術

Toupet噴門形成術は、Nissen噴門形成術と似た方法ですが、胃の上部を食道の後方に半分巻きつける「部分噴門形成術」と呼ばれる手法です。この方法は、Nissen術に比べてLESをそれほど強く締め付けないため、嚥下障害のリスクが低くなります。

  • 適応
    Nissen
    噴門形成術では強すぎる圧迫が懸念される場合や、食道運動機能が低下している患者に対して推奨されることがあります。

 

3. LINXシステム

LINXシステムは、逆流性食道炎に対して行われる比較的新しい手術療法です。磁性ビーズを連ねたリング状の装置を下部食道括約筋の周囲に配置し、逆流を防止します。この装置は、嚥下の際に食道が拡張するのに合わせて磁力が緩み、食物が通過した後に再び磁力で締めることで逆流を防ぎます。

  • 利点
    • 嚥下障害が少ない。
    • 腹腔鏡手術で行われるため、回復が早い。
    • 可逆的な治療法であり、必要に応じて装置を取り外すことが可能。
  • 適応
    長期間のPPI治療が効果を示さない軽度から中等度の逆流性食道炎の患者に適しています。

 

4. その他の手術法

  • ストレッタ法
    内視鏡を使用して、下部食道括約筋(LES)にラジオ波を照射し、筋肉を縮小して強化することで、胃酸の逆流を防ぐ方法です。侵襲性が少ないため、薬物療法が効果を示さない軽度の患者に適しています。
  • 内視鏡的噴門形成術
    内視鏡を使用して食道と胃の接合部を強化する技術で、外科的手術に比べて侵襲が少なく、早期回復が期待されます。

 

逆流性食道炎を放置することがもたらすリスク

 

逆流性食道炎(GERD)は、胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。多くの患者は、胸やけや酸の逆流などの症状に悩まされますが、これらの症状を軽視したり、適切な治療を受けずに放置すると、さまざまな健康リスクを引き起こす可能性があります。逆流性食道炎を治療せずに放置することによるリスクを以下にまとめます。

 

1. 食道炎の進行と慢性化

 

逆流性食道炎を放置すると、胃酸が食道に繰り返し逆流することで、食道の炎症が慢性的に進行します。これにより、食道の粘膜が損傷し、痛みや不快感が増すだけでなく、食道自体の機能が悪化する可能性があります。症状が悪化することで、日常生活に大きな支障をきたすことも考えられます。

 

2. 食道潰瘍

 

胃酸の逆流が続くと、**食道の粘膜に潰瘍(食道潰瘍)**が形成されることがあります。食道潰瘍は、食事の際に強い痛みや出血を引き起こし、場合によっては命にかかわる出血を伴うこともあります。潰瘍が深刻化すると、治療に時間がかかり、慢性的な症状に悩まされることになります。

 

3. 食道狭窄

 

食道の炎症や潰瘍が長期間にわたって続くと、傷跡が形成され、**食道が狭くなる(食道狭窄)**ことがあります。食道狭窄は、食べ物が飲み込みにくくなる「嚥下障害」を引き起こします。これにより、患者は固形物や液体を飲み込むことが困難になり、栄養不足や体重減少などの問題が生じる可能性があります。

 

4. バレット食道の発症

 

逆流性食道炎が長期間にわたって未治療のまま放置されると、食道の粘膜が胃酸に適応するために変性し、バレット食道という状態に移行することがあります。バレット食道は、食道の細胞が通常のものから異常なものに変化する状態であり、これは食道がんのリスクが高まる前がん状態とされています。

 

5. 食道がん(腺がん)のリスク

 

バレット食道が進行すると、**食道がん(特に腺がん)**のリスクが増大します。食道腺がんは予後が悪く、早期発見が難しいため、進行した段階での治療は非常に困難です。逆流性食道炎を適切に治療することで、このリスクを低減することが可能です。

 

6. 生活の質(QOL)の低下

 

逆流性食道炎を放置することで、日常生活における様々な不快症状が悪化し、生活の質(QOL)が大幅に低下します。胸やけ、呑酸、嚥下困難、夜間の症状(ナイトタイムGERD)などが慢性化すると、日中の活動や睡眠に支障をきたし、結果的に精神的なストレスやうつ症状を引き起こすこともあります。

 

適切な治療の重要性

逆流性食道炎は、薬物療法や生活習慣の改善によって多くの場合、症状をコントロールすることができますが、放置すると上述のような深刻な健康リスクが伴います。当院では、患者様の症状や状態に応じた最適な治療法を提供し、症状の悪化や合併症の予防に努めています。胸やけや呑酸の症状が長期間続く場合は、早期に受診し、適切な治療を受けることが大切です。

ぜひ、逆流性食道炎の症状を放置せず、専門医にご相談ください。

 

きだ内科クリニックで行う逆流性食道炎の検査と治療方法

 

逆流性食道炎(GERD)の症状を適切に診断し治療するため、きだ内科クリニックでは精度の高い検査と、患者様一人ひとりに合った治療法を提供しています。特に、**内視鏡検査(胃カメラ)**は、食道や胃の状態を詳細に確認し、逆流性食道炎の原因を特定するための重要な手段です。

 

内視鏡検査の利点としては:

 

  • 正確な診断:逆流性食道炎による食道の炎症や潰瘍の程度を目視で確認でき、より効果的な治療方針を立てることができます。
  • 早期発見:食道がんやバレット食道など、合併症のリスクがある場合も早期に発見でき、予防的な治療に繋がります。
  • 苦痛の少ない検査:当院では、患者様が快適に受けられるよう、鎮静剤を使用し、苦痛を最小限に抑えた内視鏡検査を行っています。

 

治療方法

診断後、患者様の状態に合わせた治療を開始します。主な治療法は以下の通りです:

 

  • 薬物療法:胃酸の分泌を抑える**プロトンポンプ阻害薬(PPI**を処方し、食道の炎症を改善します。症状に応じて他の薬剤も併用することがあります。
  • 生活習慣の改善:逆流性食道炎は生活習慣とも密接に関係しているため、食事指導やストレス管理など、再発予防に向けたライフスタイル改善もサポートします。

 

予約方法とお問い合わせ先

 

きだ内科クリニックでは、患者様にスムーズに受診していただくため、電話予約Web予約を受け付けております。逆流性食道炎の症状でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。胃カメラ検査の予約も簡単に行えますので、早期診断と治療のために、ぜひお早めにご連絡ください。

 

逆流性食道炎(GERD)に関するよくある質問(FAQ

 

Q1. 逆流性食道炎(GERD)とは?

 

A: 逆流性食道炎(GERD)は、胃酸や食べ物が食道に逆流することによって引き起こされる慢性的な病気です。胃酸の逆流が食道の粘膜を刺激し、炎症を引き起こすことで、胸焼けや酸っぱい液が喉に上がるような不快な症状が現れます。

 

Q2. 逆流性食道炎の原因にはどんなものがありますか?

 

A: 食生活の乱れ(脂っこい食事、過食、炭酸飲料の摂取など)、肥満、喫煙、ストレス、そして食道と胃の間にある下部食道括約筋(LES)の機能低下が主な原因です。特に高脂肪食や過度の飲酒は、逆流を悪化させる可能性があります。

 

Q3. どんな人が逆流性食道炎になりやすいですか?

 

A: 肥満の方、食生活が乱れている方、喫煙者、妊娠中の女性、また加齢に伴って筋肉の機能が低下している人が逆流性食道炎になりやすい傾向があります。また、ストレスや過度のアルコール摂取もリスクを高めます。

 

Q4. 逆流性食道炎の症状にはどんなものがありますか?

 

A: 一般的な症状には、胸焼け、酸っぱいものが喉に戻ってくる感じ、飲み込む時の違和感や痛み、夜間に悪化する咳、声のかすれ、そして胸部の痛みが含まれます。これらの症状が長期間続く場合は、医師に相談することが大切です。

 

Q5. 逆流性食道炎はどのように診断されますか?

 

A: 逆流性食道炎の診断には、胃内視鏡検査が最も有効です。当クリニックでは、最新の内視鏡機器を使用し、患者様の負担を最小限に抑えた検査を行っています。また、pHモニタリングや食道の動きを測定する検査も行う場合があります。

 

Q6. 逆流性食道炎の治療方法は何がありますか?

 

A: 治療には、薬物療法と生活習慣の改善が含まれます。プロトンポンプ阻害薬(PPI)やH2ブロッカーといった薬物は、胃酸の分泌を抑えることで症状を改善します。また、食事内容の見直し、アルコールやカフェインの制限、適度な運動なども効果的です。

 

Q7. 逆流性食道炎を予防するにはどうすればよいですか?

 

A: 食事の量を抑える、食後すぐに横にならない、枕を高くして寝る、肥満を避けるための体重管理、喫煙や過度のアルコール摂取を控えることが予防に役立ちます。また、ストレスを軽減する生活も大切です。

 

Q8. 逆流性食道炎は慢性的な病気ですか?

 

A: はい、多くの場合、逆流性食道炎は慢性的に繰り返されることがあります。特に治療を行わない場合、症状が悪化し、食道がんのリスクが増すことがあります。適切な治療を受けることで症状をコントロールし、生活の質を向上させることが可能です。

 

Q9. 逆流性食道炎を放置するとどうなりますか?

 

A: 逆流性食道炎を放置すると、食道の粘膜が損傷し、バレット食道や食道潰瘍、そして食道がんのリスクが高まります。早期の治療と定期的なフォローアップが重要です。

 

Q10. きだ内科クリニックでの逆流性食道炎の治療はどのようなものですか?

 

A: きだ内科クリニックでは、患者様一人ひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療を提供しています。内視鏡検査を活用し、正確な診断を行った上で、薬物療法や生活習慣の改善を指導します。必要に応じて、専門医への紹介も行っています。

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