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帯状疱疹ワクチン(シングリックス・ビケン)徹底比較|効果・副反応・費用・2025年度定期接種制度まで解説

[2025.10.02]

帯状疱疹ワクチン(予防接種)の最新ガイド|種類の違い・効果・副反応・費用・2025年度の定期接種制度

 

 

帯状疱疹ワクチン(帯状疱疹予防接種)について、現在日本で利用できる2種類のワクチンの特徴・有効性・安全性(副反応)、そして2025年度から始まった定期接種制度を、患者さんにもわかりやすく解説します。

 

帯状疱疹ワクチン:比較と定期接種制度の要点

 

帯状疱疹は50歳代から発症率が急増し、80歳までに約3人に1人が発症すると言われます。発疹が治った後も強い痛みが続く**帯状疱疹後神経痛(PHN)**は、生活の質(QOL)を大きく低下させる合併症です。
ワクチン接種は、発症とPHNの両方を大幅に減らす最も有効な対策として推奨されています。

 

1. 日本で接種できる2種類の帯状疱疹ワクチンの比較

 

特徴 乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケン® 乾燥組換え帯状疱疹ワクチン(シングリックス®
ワクチンの種類 生ワクチン 組換え(不活化)ワクチン
接種対象 50歳以上 50歳以上、または帯状疱疹リスクが高い18歳以上
接種回数 1回 2回筋肉内注射
接種間隔 1回目から2か月(最短1か月〜最長6か月)
免疫不全者 禁忌/不適当 接種可(ウイルス株を含まない)
発症予防効果 50%(60歳以上で51.3%) 90%以上(50歳以上97.2%、70歳以上91.3%)
PHN予防効果 約6割(接種後3年) 9割以上(接種後3年で88.8〜100%)
効果持続 約5年 長期(少なくとも10年〜11年)
費用目安(任意接種) 1回 7,000〜9,000円程度 1回 20,000〜25,000円程度(総額4〜5万円
主な副反応 比較的軽い:注射部位の発赤・かゆみなど やや強い:注射部位痛(約78〜79%)、筋肉痛・倦怠感・頭痛(30〜40%)。多くは2〜3日で軽快

シングリックス(不活化ワクチン)のポイント

  • 高リスク者への適応拡大(2023年):帯状疱疹リスクが高い18歳以上にも接種可。免疫抑制治療中など生ワクチン禁忌の方に有用。

  • 長期有効性:少なくとも10年目以降まで高い有効性が持続。

  • PHN予防50歳以上でほぼ100%、70歳以上でも高率にPHNを予防とする報告。

  • 接種間隔短縮可:医師判断で最短1か月まで短縮できるケースあり(例:造血幹細胞移植前後など)。

 

2. 2025年度〜 帯状疱疹ワクチンの定期接種制度

 

2025年4月1日から、帯状疱疹ワクチンは予防接種法に基づく**定期接種(公費助成)**の対象になりました。

対象者(2025年度:2025/4/1〜2026/3/31)

  1. 原則対象:その年度に65歳を迎える方

  2. 経過措置(2025〜2029年度):該当年度に70・75・80・85・90・95・100歳になる方も対象

    • 100歳以上は2025年度に限り全員対象

  3. 特例対象:60〜64歳で、HIVによる高度の免疫機能障害があり日常生活がほとんど不可能な方

  4. 重要公費助成で接種できるのは該当年度の1年間のみ(生涯で1回)

選べるワクチン・費用

  • ビケン(生)またはシングリックス(不活化)のいずれか1種類を選択

  • 自己負担額や取扱いワクチンは自治体で異なるため、お住まいの市区町村へ要確認

  • 一部自治体では50〜64歳の任意接種にも助成あり

 

3. どちらを選ぶ?ワクチン選択のポイント

 

シングリックスが向いている方

  • とにかく高い予防効果を重視

  • PHN(神経痛)の強力な予防を最優先

  • **効果の長期持続(10年以上)**を求める

  • 免疫抑制治療中/免疫低下がある(生ワクチンは禁忌)

  • 将来の医療費や生活への影響を踏まえ、費用より効果を重視

ビケンが向いている方

  • 費用を抑えたい

  • 1回接種で完了させたい(通院回数を減らしたい)

  • 副反応をできるだけ軽くしたい

 

4. 接種前の注意点・よくある質問(FAQ)

 

Q. 生ワクチン(ビケン)は誰でも受けられますか?
A. 免疫不全・免疫抑制治療中の方は禁忌です。該当する場合はシングリックスをご検討ください。

Q. 以前、帯状疱疹にかかったことがあります。接種は必要?
A. 再発予防の観点から、発症後でも一定期間(目安5年)をあけて接種推奨とされます。個別に医師へご相談ください。

Q. 副反応が心配です。
A. シングリックスは注射部位の痛み・倦怠感・筋肉痛が比較的多い一方、数日で軽快するのが一般的です。ビケンは局所反応が主で比較的軽い傾向です。

Q. 認知症や心血管疾患のリスク低減は本当?
A. 近年の疫学研究で、帯状疱疹ワクチン接種が認知症や心血管イベントのリスクを下げうる可能性が示唆されています(機序は炎症抑制などが推定)。確定的結論ではないため、帯状疱疹・PHN予防の一次目的を主眼に接種をご検討ください。

 

まとめ:帯状疱疹の発症・PHNを防ぐ最善策は「適切なワクチン選択と接種」

 

  • 50歳以上は帯状疱疹のリスクが上がるため、予防接種の検討が重要

  • 高い有効性・長期持続・免疫低下でも接種可の観点からはシングリックスが有力

  • 費用・1回完了・副反応の軽さを優先するならビケンも選択肢

  • 2025年度から定期接種が始まり、対象年度は1年のみ(生涯1回)。自治体の助成内容を必ず確認

ご自身の健康状態・既往歴・費用負担・求める効果を踏まえ、医師と相談のうえ最適なワクチンを選びましょう。

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