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夏バテ・熱中症に効く漢方薬|だるさ・胃腸不調・冷房疲れの体質別対策ガイド

[2025.07.23]

 

【医師解説】夏バテ・熱中症に漢方薬という選択肢|だるさ・胃腸の不調・冷房疲れに効く処方とは?

「夏になると体がだるい…」「食欲がわかず、ずっと疲れている…」
それは“夏バテ”かもしれません。
山形県米沢市の夏は高温多湿で、室内外の温度差も大きく、体には大きな負担がかかります。

そんな夏の体調不良に対し、東洋医学(漢方)では昔から「気・血・水」のバランスを整え、体の内側から立て直す方法がとられてきました。

本記事では、夏バテ・熱中症対策に役立つ漢方薬やセルフケアについて、内科医がわかりやすく解説します。


なぜ夏に不調が起きるのか?漢方の視点から

漢方では、夏の体調不良を引き起こす主な要因を以下のように考えます。

原因 漢方的見解
暑さ(暑邪) 体力や水分を消耗し、「気(エネルギー)」を損なう
湿気(湿邪) 消化機能を弱らせ、体がだるく重くなる
冷房の冷え(寒邪) 胃腸を冷やして「脾(消化)」を弱らせる
室内外の気温差 自律神経を乱し、疲労や睡眠の質低下に

夏の不調に効果的な漢方薬と選び方

体質や症状によって、合う漢方薬は異なります。主な症状別に代表的な処方を紹介します。

🔹 夏バテ・食欲不振・だるさ

  • 清暑益気湯(せいしょえっきとう)
     暑さで消耗した体力・気力を補い、胃腸機能を整えます。高齢者や体力がない方にもおすすめ。

  • 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
     慢性的な疲労感や夏痩せ、寝汗のある方に。早めの服用で夏バテ予防にも。

🔹 胃腸が弱っているタイプ

  • 六君子湯(りっくんしとう)
     食欲不振、胃もたれ、手足の冷えがある方に。グレリン分泌促進の報告も。

  • 胃苓湯(いれいとう)
     冷たい物の摂りすぎによる下痢・軟便に。

🔹 水分バランスの乱れ・むくみ

  • 五苓散(ごれいさん)
     口渇、めまい、二日酔い、脱水気味の方に。小児の夏バテにも。

🔹 強い熱感・熱中症予防に

  • 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
     炎天下での熱中症、激しい口渇、大量の発汗に。体力ある方向け。

🔹 冷房疲れ・手足の冷え

  • 人参養栄湯(にんじんようえいとう)
     冷え・倦怠感・貧血気味の方に。「気」と「血」を補う。

  • 五積散(ごしゃくさん)
     冷えによる筋肉のこわばりや痛みに。

🔹 筋肉のけいれん・足のつり

  • 芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)
     こむら返りや熱痙攣に。頓服薬として常備する方も。

🔹 夏風邪や長引く風邪に

  • 小柴胡湯(しょうさいことう)/柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
     汗を無理にかかせず、体のバランスを整えて風邪を乗り切る。

🔹 現代型の夏バテに(冷房+高湿のWストレス)

  • 半夏白朮天麻湯(はんげびゃくじゅつてんまとう)
     冷房で悪化する胃腸の不調、だるさ、頭重感、午後の眠気に。夏バテの「根本治療」として注目。


日常生活でできる「漢方的セルフケア」

漢方薬だけでなく、生活習慣の見直しも重要です。

  • こまめな水分・塩分補給:水だけでなく、梅干しや味噌汁でミネラル補給を。

  • 冷房設定は控えめに:室温は25〜28℃に。冷風が直接当たらない工夫を。

  • 冷たい飲食を控える:胃腸を冷やさないよう、常温〜温かい食事を。

  • 夏野菜を活用:キュウリ・トマト・ナスなどで熱を冷ましながら、消化もサポート。

  • 腹式呼吸・睡眠の質向上:呼吸で自律神経を整え、疲労回復に役立てましょう。


服用時の注意点と当院での対応

漢方薬は「自然由来=安全」と思われがちですが、体質に合わないと副作用(下痢、発疹、むくみなど)が出ることもあります

  • 自己判断で長期服用しない

  • 西洋薬との併用は医師に相談

  • 甘草を含む処方は過量服用に注意

症状が1週間以上続く場合は必ず医師の診察を受けましょう。


🌿 きだ内科クリニックでは、体質に合わせた漢方処方が可能です

当院では、西洋医学だけでなく、漢方医学の知見を活かした診療を行っています。

  • 夏バテが治らない

  • 冷房で体がつらい

  • 食欲がない、胃腸が弱っている

そんなお悩みに対し、あなたの体質・症状に合わせて処方を検討します。

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