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健診で白血球数異常|多い・少ない原因と検査・治療

[2025.09.18]

健診で「白血球数異常」を指摘されたら|多い/少ないが示す体のサインと受診の目安

 

 

「白血球が多い少ないと言われた」「自覚症状はないけど不安」——白血球(WBC)は免疫の要。数値の変化は体からの重要なサインです。
自己判断で放置すると、感染症や血液疾患の早期発見を逃す恐れがあります。当院では、白血球異常に対し再検査・原因精査・治療まで一貫対応します。

 

白血球とは?|種類と役割(基礎知識)

 

白血球は体を守る免疫細胞の総称で、主に好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球からなります。

  • 好中球:細菌・真菌と戦う主力

  • リンパ球:ウイルス・がん細胞に対抗、免疫調整

  • 単球:マクロファージへ分化し異物処理

  • 好酸球:寄生虫・アレルギー反応

  • 好塩基球:アレルギー反応などに関与

 

白血球数の基準値と「異常」の捉え方

 

一般的な基準値は3,100~9,000/μL前後。ただし日内変動・運動・ストレス・喫煙・肥満・食後・妊娠/月経・感染回復期などで一時的に上下します。
→ 軽度の変動は再検査で正常化することも。
→ しかし著しい増減や**他の血球異常(貧血・血小板異常)**を伴う場合は精査が必要です。

 

白血球が多い(白血球増加症)|考えられる原因と受診の目安

 

主な原因

  • 感染症:細菌(好中球↑)、一部ウイルス(リンパ球↑)

  • 炎症性疾患:関節リウマチ、潰瘍性大腸炎など

  • アレルギー・寄生虫:好酸球↑、好塩基球↑

  • 生理的変動:ストレス、喫煙、肥満、激しい運動、高タンパク食、妊娠・出産、月経

  • 薬剤:ステロイド、G-CSF、リチウム、エピネフリン等

  • 血液腫瘍白血病、骨髄増殖性腫瘍、悪性リンパ腫 など

症状の一例:発熱・寒気・倦怠感・頭痛・息切れ。白血病では貧血・出血傾向・リンパ節腫大・脾腫・骨痛など。
注意すべき数値WBCが20,000~30,000/μL超の持続は重篤疾患の可能性があり、早急な精査を。

 

白血球が少ない(白血球減少症)|感染リスクと受診の目安

 

主な原因

  • ウイルス感染:かぜ、インフルエンザ、EBV、CMV など

  • 薬剤・放射線:抗がん剤、抗菌薬、抗てんかん薬、免疫抑制薬、抗甲状腺薬(チアマゾール等)

  • 自己免疫疾患:SLE、シェーグレン症候群 等

  • 骨髄機能異常・血液疾患再生不良性貧血、MDS、白血病 など

  • 栄養障害:B12・葉酸欠乏

リスクが高い目安

  • 好中球<1,000/μL:感染リスク上昇

  • 好中球<500/μL高度好中球減少で至急対応

  • WBC<2,500/μL:明らかな異常 → 速やかに受診

症状の一例:発熱、咽頭痛、咳の遷延、口内炎、皮膚化膿。重症化で肺炎・敗血症の恐れ。

 

「白血球分画」の確認がカギ

 

**総数だけでなく分画(割合・絶対数)**を評価することで原因に近づけます。

  • 好中球:↑=細菌感染/炎症、↓=薬剤・ウイルス・血液疾患

  • リンパ球:↑=ウイルス・リンパ性白血病、↓=ウイルス・自己免疫・薬剤

  • 好酸球:↑=アレルギー・寄生虫・一部血液疾患

  • 単球:↑=慢性感染・炎症・血液疾患

  • 好塩基球:著増は慢性骨髄性白血病を考慮

  • **左方移動(幼若好中球増加)**は強い感染や骨髄異常のサイン

  • 芽球出現急性白血病を強く示唆→至急専門医へ

 

当院での検査と対応(流れ)

 

  1. 問診・既往・薬剤歴の確認/過去データ照合

  2. 再検査:CBC(WBC・Hb・血小板)+白血球分画、CRP、必要に応じ感染症・自己免疫マーカー

  3. 専門医連携・精密検査

    • 持続高値/著明低値、他血球異常、リンパ節腫大・脾腫などがある場合→血液内科精査

    • 骨髄検査(穿刺・生検):白血病・MDS・再生不良性貧血などの確定診断に必須

  4. 治療・生活指導:原因に応じて薬剤中止調整/抗菌薬/免疫抑制治療等。
    併せて禁煙・体重管理・ストレス対策など生活面を支援。

 

受診の目安(セルフチェック)

 

  • 発熱や感染症状が続く/繰り返す

  • WBCが著しく高い/低い、または他の血球にも異常がある

  • 倦怠感・出血傾向・体重減少・リンパ節腫大 などの警戒サイン
    いずれも自己判断で放置せず、早めに受診してください。

 

よくある質問(FAQ)

 

Q. 健診で軽度の異常。再検査だけで良い?
A. 一過性変動はありますが、分画を含む再検査で確認を。持続・著明な異常や症状を伴う場合は精査が必要です。

Q. 抗生物質や市販薬で様子見してもいい?
A. 白血球異常は原因により対応が異なるため、自己判断の服薬は推奨しません。まずは受診を。

Q. どんな検査をしますか?
A. CBC+分画・CRPを基本に、必要に応じ骨髄検査、感染症検査、自己免疫マーカー、画像検査などを行います。

 

まずはご相談ください

 

白血球数の異常は早期診断・早期治療が肝心です。健診結果の持参でスムーズに評価できます。
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