メニュー

直腸がんと痔の違いは?血便・残便感と検査の目安|山形県米沢市のきだ内科クリニック

[2026.09.23]

「トイレットペーパーに血が付いたけれど、いつもの痔だろう」
「便を出してもすっきりせず、何度もトイレに行きたくなる」

 

このような排便時の変化があると、直腸がんではないかと不安になる方も少なくありません。

 

直腸がんと痔はどちらも血便の原因となり、血の色や量、痛みの有無だけで確実に見分けることはできません。血便があるからといって直ちにがんを意味するわけではありませんが、痔の経験がある場合でも、今回の出血原因を診察で確かめることが重要です。

 

血便に加えて残便感や排便回数の変化が続く場合には、直腸を含めた大腸の精密検査を検討する必要があります。本記事では、直腸がんと痔の症状の違いや共通点、受診の目安、大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を検討すべき場面について詳しく解説します。

 

 

 

 

直腸がんと痔はどのような病気ですか?

 

直腸は、大腸の中で最も肛門に近い部分です。直腸がんはその粘膜から発生する悪性腫瘍で、大腸がんの一種です。早期の段階では自覚症状が乏しいことも少なくありません。

 

一方、痔は肛門周辺に起こる病気の総称です。血便の原因として代表的なものに、いぼ痔(痔核)と切れ痔(裂肛)があります。

 

疾患名 特徴と主な症状
いぼ痔(痔核) 肛門の血管を含む組織が腫れたり脱出したりする病気です。特に内痔核では、強い痛みを伴わずに出血することがあります。
切れ痔(裂肛) 肛門の皮膚が切れて傷ができる病気です。硬い便の通過などをきっかけに起こり、排便時や排便後の強い痛みと鮮血がみられます。

 

直腸がん・いぼ痔・切れ痔でみられる症状の比較

 

比較項目 直腸がん いぼ痔・切れ痔
血便・出血 便に血が混じる、赤い血が付着するなど。肉眼では出血が目立たない場合もあります。 排便時にトイレットペーパーや便の表面に鮮血が付着する、便器に血が垂れるなど。
痛みの有無 初期は痛みがないことが多いですが、病変の部位や進行度によって痛むこともあります。 内痔核は痛みが乏しい傾向があります。切れ痔(裂肛)は排便時の鋭い痛みが特徴です。
排便の変化 残便感、便秘や下痢の繰り返し、便が細くなるなどの症状が現れることがあります。 痛みや脱出、肛門の狭窄(狭くなること)により排便しづらくなる場合があります。
診断方法 医師の診察に加え、大腸カメラや組織採取による病理検査などで確定診断を行います。 視診・触診や肛門鏡検査で確認します。必要に応じて大腸全体の検査も行います。

 

この比較表は症状を整理するための目安であり、自己診断を行うためのものではありません。痔と直腸がんが同時に併発している可能性もあるため、必ず医療機関で確認しましょう。

 

血便の色や痛みで直腸がんと痔を見分けられますか?

 

鮮やかな赤い血でも痔とは限りません

 

鮮血(鮮やかな赤い血)は痔の典型的な症状ですが、肛門に近い直腸の病変から出血した場合も同様に鮮紅色になります。また、痔からの出血であっても、血液が直腸内に一時的にたまると赤黒く変色して排出されることがあります。

 

血の色や「紙に付いた」「便の表面に付着した」「便全体に混ざっている」といった情報は診察の重要な参考になりますが、出血の性状だけで病気の種類を特定することはできません。

 

痛みがない出血も診察の対象です

 

「痛みを伴わないから大丈夫」と自己判断するのは禁物です。内痔核は痛みがほとんどなく出血することがありますし、直腸がんも初期から進行期にかけて痛みを伴わないケースが多くみられます。

 

また、出血はいったん治まることもあります。一時的に出血が止まったことや市販薬で症状が和らいだことだけで安心せず、一度は根本的な原因を調べることが大切です。

 

残便感とは?直腸がん以外でも起こりますか?

 

残便感とは、排便後も「便がまだ残っている」「出し切れていない」と感じる状態を指します。

 

直腸に腫瘍などの病変ができると、便の通過が妨げられたり、直腸の神経が刺激されて常に便意を感じたりすることがあります。その結果、便が少量しか出ないのに何度もトイレに行きたくなる頻便が生じます。

 

ただし、残便感は直腸がん特有の症状ではありません。慢性的な便秘や、潰瘍性大腸炎などに伴う直腸炎でも生じます。新しく残便感が現れて続いている場合や、血便・粘液便を伴う場合は、消化器内科を受診して原因を確かめましょう。

 

排便回数が増えた・減ったときに注意すべきポイント

 

排便回数の増減だけで直腸がんかどうかを判断することはできず、普段の排便リズムからの変化が継続しているかどうかが重要です。

 

診察時には、以下のような変化が起きていないか確認します。

  • 以前は一度ですっきり排便できていたのに、少量ずつ何度も出るようになった
  • 強い便意を感じてトイレに行っても、便がほとんど出ない
  • 新しく頑固な便秘になった、あるいは便秘が徐々に悪化している
  • 下痢が続いている、または便秘と下痢を交互に繰り返す
  • 便が以前より細くなり、血便や残便感も伴っている

 

排便状況は食事内容や生活習慣、ストレスなどでも変化します。「1日何回以上ならがん」という一律の基準はありませんので、変化の経過を医師にお伝えください。

 

血便や残便感がある場合の受診の目安

 

早めに外来で相談したい症状

 

血便の原因を医療機関で特定していない方は、出血量がわずかであっても消化器内科や肛門科をご相談ください。特に以下の項目に該当する場合は、放置せず早めの受診をおすすめします。

  • 血便が続く、または断続的に何度も繰り返す
  • 残便感や便通の乱れが新しく生じ、改善しない
  • 血便に加えて腹痛や下痢、粘液便がみられる
  • 健康診断などで貧血を指摘された、息切れや立ちくらみがある
  • ダイエットなどをしていないのに体重が減少した
  • 市販薬や痔の治療を行っても出血が改善しない

 

通常の予約を待たず救急受診が必要な緊急サイン

 

大量の出血によるショック状態や、腸閉塞(イレウス)を起こしている危険性があります。以下の症状がある場合は、救急医療機関へ至急受診してください。

  • 便器が真っ赤になるほどの大量出血がある、または出血が止まらない
  • 血便に伴い、強いふらつき、冷や汗、失神、意識がもうろうとする
  • 激しい腹痛や著しい腹部膨満感があり、嘔吐を繰り返す、便やガスが出ない

 

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)を検討する場面

 

血便がある方全員が一律に大腸カメラを受けるわけではなく、問診、診察所見、年齢、家族歴などを総合的に判断して決定します。

 

肛門鏡などの診察だけで出血源が特定できない場合や、出血に加えて便通異常・腹部症状を伴う場合、痔の治療後も出血が持続する場合には、大腸カメラで大腸全体を観察する重要性が高くなります。

 

また、血縁者(親・兄弟・子ども)に大腸がんの既往がある方や、過去に大腸ポリープを切除した経験がある方は、リスク評価のために医師へその旨を伝えてください。

 

医療機関で行う主な診察と検査の流れ

 

問診と肛門・直腸の診察

 

自覚症状の経過、既往歴、服薬中の薬剤、家族歴などを詳しく聞き取ります。その後、視診に加えて医師の指を肛門から挿入して調べる直腸指診や、肛門内部を直接観察する肛門鏡検査を実施します。

 

血液検査

出血に伴う貧血の進行度や、体内の炎症反応などを把握するために行います。全身状態を評価するための補助的な検査です。

 

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

直腸から盲腸に至る大腸粘膜全体を高解像度カメラで直接観察する検査です。炎症、ポリープ、がんの病変部を直接確認できるほか、疑わしい部位の組織を採取(生検)して顕微鏡で調べる病理検査を行うことができます。

 

検査には事前の下剤服用による腸内洗浄が必要です。安全に配慮しながら行われますが、体調や腹部症状の強さに応じて検査時期や方法を検討します。

 

便潜血検査が陰性なら直腸がんの心配はありませんか?

 

便潜血検査が陰性であっても、血便や残便感などの自覚症状がある場合は必ず医療機関を受診してください。

 

便潜血検査は大腸がん検診などで広く用いられますが、早期がんや一部の病変では毎日出血するとは限らないため、陰性だからといって大腸の病気を100%否定できるわけではありません。

 

また、検診の2日法検査で1日分のみ陽性となった場合でも、精密検査(大腸カメラ)を受ける必要があります。「痔があるから陽性になったのだろう」と自己判断して放置することは避けてください。

 

受診前にメモしておくと役立つ情報

 

診察をスムーズに進めるため、以下の項目を事前に整理しておくと安心です。

  • 出血に気づいた時期、頻度、血の色やおおよその量
  • 血の付き方(ペーパーに付く、便の表面に付く、便全体に混ざる)
  • 排便時の痛みの有無、残便感、便の太さや硬さの変化
  • 最近の体重増減、健診での貧血や便潜血検査の結果
  • 内服中のお薬(お薬手帳)、大腸疾患の既往歴や家族歴

 

血液をサラサラにする抗血栓薬などを服用されている方は、検査方針に関わるため必ず医師へお伝えください。

 

よくあるご質問

 

トイレットペーパーに少し血が付く程度でも相談してよいですか?

はい、受診して問題ありません。少量の出血であっても原因を特定することが重要です。出血を繰り返す場合や、便通異常を伴う場合は早めの受診をおすすめします。

 

以前に痔と診断されたことがあれば、今回も痔と考えてよいですか?

過去の診断が今回も当てはまるとは限りません。痔をお持ちの方に直腸がんが併発するケースもあります。普段と出血の様子が異なる場合や、治療しても改善しない場合は再検査が必要です。

 

便が細いだけで直腸がんを疑うべきですか?

便が細いという理由だけで直腸がんと確定するわけではありません。肛門の狭まりや食事量の減少でも便は細くなります。ただし、細い便が長期間続く場合や血便を伴う場合は検査をご検討ください。

 

山形県米沢市で血便・残便感・便通異常にお悩みの方へ

 

山形県米沢市のきだ内科クリニックでは、血便や残便感、便秘・下痢などの便通異常に関する専門的な診療を行っております。患者様のお話を丁寧に伺い、身体への負担に配慮しながら大腸カメラの必要性を適切に判断いたします。

 

当院の内視鏡検査では、苦痛を軽減するための鎮静剤を用いた検査にも対応しています(※鎮静剤使用当日は車・バイク・自転車の運転はできません)。

 

「痔かもしれないけれど念のため確認したい」「排便のリズムが変わって不安」という段階でも、お気軽にご相談ください。

 

きだ内科クリニック
公式サイト・受診案内:https://kida-clinic.jp/

 

※大腸カメラは事前診察および準備が必要となります。詳細は公式サイトをご確認ください。急激な大量出血や激しい腹痛など緊急を要する場合は、救急医療機関へご連絡ください。

 

参考資料

  1. 日本大腸肛門病学会「肛門からの出血の状態で、大腸・肛門の病気が分かりますか?」
    資料を読む
  2. 米国結腸直腸外科学会(ASCRS)「痔核の管理ガイドライン(2024)」
    資料を読む
  3. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」
    資料を読む
  4. 米国国立糖尿病・消化器病・腎疾病研究所(NIDDK)「痔核の症状と原因」
    資料を読む
  5. 日本大腸肛門病学会「裂肛」
    資料を読む
  6. 国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」
    資料を読む
  7. NIDDK「直腸炎の症状と原因」
    資料を読む
  8. NIDDK「消化管出血の症状と原因」
    資料を読む
  9. NIDDK「痔核の診断」
    資料を読む
  10. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん) 検査」
    資料を読む
  11. NIDDK「大腸内視鏡検査」
    資料を読む
  12. 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」
    資料を読む
  13. きだ内科クリニック「山形県米沢市の大腸カメラ|苦痛に配慮・鎮静剤対応」
    資料を読む

資料確認日:2026年9月23日

HOME

ブログカレンダー

2026年10月
月 火 水 木 金 土 日
« 9月    
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

chatsimple