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そのまま放置しないで!高血圧治療の基本と医師がすすめる日常の対策

[2025.07.27]

 

【医師監修】高血圧の治療と最新対策|生活習慣・薬・自宅ケアまで徹底解説

高血圧は「静かなる殺し屋」とも呼ばれる病気です。 自覚症状がないまま進行し、放置すると脳卒中、心筋梗塞、腎不全など重大な合併症を引き起こすリスクがあります。

この記事では、高血圧の最新治療法から、生活習慣の見直し、薬物療法、自宅での血圧管理、医療機関との連携方法まで、総合的にわかりやすく解説します。


🔶 高血圧治療の基本は「生活習慣の改善」と「薬物療法」

高血圧の治療は、大きく分けて以下の2つに集約されます。

  1. 生活習慣の改善(非薬物療法)

  2. 薬物療法(降圧薬の使用)

この2本柱を効果的に組み合わせることで、血圧の正常化だけでなく、合併症の予防や薬の減量も可能になります。


① 生活習慣の改善:薬に頼る前にできること

● 減塩(食塩制限)は最重要!

日本人の平均食塩摂取量は依然として高く、1日6g未満を目指すことが推奨されています。

▷ 実践的な減塩の工夫

  • 加工食品や外食の回避

  • 減塩調味料や出汁の活用

  • 薄味への慣れを意識(汁物を残す、漬物を減らすなど)

  • 塩分摂取の「見える化」(アプリや記録で管理)

✅ 減塩は、高血圧患者において収縮期血圧を約7mmHg低下させる効果があると、複数の質の高い研究で示されています。

● カリウムの積極摂取でナトリウム排出を促進

野菜や果物、低脂肪乳製品に含まれるカリウムは、塩分の排出を助け、血圧の上昇を抑える効果があります。

ただし、腎機能に障害がある方や一部の降圧薬(ACE阻害薬・ARBなど)を服用中の方は、カリウム制限が必要な場合があるため、医師にご相談ください。

● 適正体重の維持(BMI25未満を目指す)

体重を5kg減らすだけでも、最大10mmHgの降圧効果が期待されます。継続的な食事療法と運動がカギです。

● 有酸素運動(週3~5回、1回30分が目安)

ウォーキング、軽いジョギング、水中運動などがおすすめ。継続することで、血圧を下げるホルモンが分泌されやすくなり、自律神経の安定にも効果があります。

⚠ 重度の高血圧の方は、運動前に医師の評価が必要です。

● 節酒と禁煙は必須

  • アルコールは少量でも血圧上昇を引き起こします。

  • 喫煙は1本吸うだけで15分以上血圧が上がり続けるといわれています。

🚭 禁煙治療は保険診療で受けられる場合があります。お気軽にご相談ください。

● ストレス管理・十分な睡眠

  • ストレスや睡眠不足は交感神経を刺激し、血圧を高めます。

  • 好きなことに没頭する時間やリラックス法(瞑想・入浴など)を見つけましょう。


② 薬物療法:正しく使えば命を守る

生活習慣の改善だけで十分な降圧が得られない場合は、降圧薬による治療が行われます。

● 降圧薬は大きく分けて以下の5種類

薬の種類 主な作用 注意点・副作用
カルシウム拮抗薬 血管を拡張し血圧を下げる 頭痛、むくみ、歯肉増殖など
ARB / ACE阻害薬 血管収縮物質を抑える 咳、カリウム上昇に注意
利尿薬 余分な塩分と水分を排出 電解質異常、脱水に注意
β遮断薬 心拍を抑え血圧を下げる 徐脈、冷え、喘息に注意
α遮断薬 血管を拡張し血圧を下げる 立ちくらみ、めまい

● 新しい選択肢:エンレスト(ARNI)

エンレストは、ARBとネプリライシン阻害薬の合剤で、心不全の予防効果や臓器保護作用に優れた新薬です。特に心不全合併例に有効とされ、従来の薬より副作用が少ないのも特徴です。

📝 降圧薬は「血圧が下がったからやめる」のはNG!必ず医師と相談しながら調整してください。


③ 自宅での血圧測定と記録のすすめ

● 白衣高血圧の影響を避けるには「家庭血圧」が大切

  • 起床後1時間以内(朝食・服薬前)

  • 就寝前(飲酒・入浴前)

1日2回、各2回測定し平均値を記録しましょう。

📌 当院では、最低週2〜3回の記録でも大丈夫です。診察時にお持ちください。

● 血圧計の選び方

  • 上腕式カフ型を推奨

  • スマートウォッチや手首式は誤差が出やすく、薬の調整には使用不可


④ 医療機関との連携と定期的なフォローがカギ

高血圧治療は、**一時的ではなく「一生続く健康習慣」**です。

● オンライン診療も活用可能

  • 安定した高血圧の方には、オンライン診療での処方継続も対応可能です。

  • 初診や合併症のある方は、対面診療が必要です。

● チーム医療で安心のサポート

  • 管理栄養士による食事アドバイス

  • 医師による運動指導・薬物調整


✅ まとめ|「人生の後半戦」を健康に過ごすために

高血圧は、治療を始めるのが早いほど将来の脳卒中・心臓病のリスクを確実に下げられます。

薬だけに頼らず、生活習慣、食事、運動、自宅測定、医療の力をフル活用することで、薬を減らす・やめることも可能です。


🏥 高血圧が気になる方へ|きだ内科クリニックでできること

  • ✅ 最新ガイドラインに基づく治療

  • ✅ 減塩・運動・ストレス対策の個別アドバイス

  • ✅ 管理栄養士による食事相談

  • ✅ 血圧記録のサポートとLINEでの管理も可能

  • ✅ オンライン診療にも対応

ご予約はこちら

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