喉が渇かなくても脱水に?「隠れ脱水」の症状と水分補給の正しい方法【医師監修】
【医師監修】喉が渇かなくても脱水に?
「隠れ脱水」の症状・チェック法・正しい水分補給【夏バテ・熱中症対策にも】
夏の暑さや冷房の影響で、「なんとなくだるい」「頭が重い」「食欲がない」と感じていませんか?
その不調、実は**自覚しにくい「隠れ脱水」**が原因かもしれません。
「隠れ脱水」は、夏バテや熱中症の前段階とも言われる状態で、高齢者や在宅時間が長い方に特に多い傾向があります。
本記事では、隠れ脱水の見分け方と予防法、体調管理のポイントを医師の視点で解説します。
🔶 「隠れ脱水」とは?|気づかないうちに進行する水分不足
「隠れ脱水」とは、体に必要な水分が不足しているにも関わらず、喉の渇きを感じにくく、脱水に気づきにくい状態を指します。
特に以下のような場面で起こりやすくなります。
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冷房が効いた乾燥した室内で長時間過ごす
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トイレを控えるため水分を意識的に摂らない
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加齢により喉の渇きセンサーが鈍くなる(高齢者)
隠れ脱水は放置すると、熱中症・認知機能の低下・胃腸不良など深刻な体調不良につながることがあります。
🔶 隠れ脱水の症状と影響|特に出やすい3つの部位とは?
体液の多い「脳」「消化器」「筋肉」は、脱水の影響を受けやすい臓器です。
● 脳の症状
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頭痛、めまい、眠気
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集中力や判断力の低下
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高齢者ではせん妄や記憶障害も
● 消化器の症状
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胃もたれ、食欲不振、吐き気
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便秘または下痢、腹部の違和感
● 筋肉・その他の症状
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足がつる(こむら返り)、筋肉痛
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手足のだるさ・しびれ
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皮膚や舌の乾燥、尿の色が濃くなる、排尿回数の減少
✅ 自宅でできる!隠れ脱水チェック方法
簡単にできるセルフチェックを日常に取り入れましょう。
チェック方法 | 判定ポイント |
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爪を押して白くなる→ピンクに戻るまでの時間 | 3秒以上かかると要注意 |
手の甲の皮膚をつまんで離す | 戻りが遅いと脱水傾向 |
尿の色を見る | 濃い黄色〜茶色は水分不足のサイン |
※高齢者では尿が濃くならないこともあるため、他のサインと合わせて判断を。
🔶 特に注意が必要な人とは?
以下の方は、隠れ脱水のリスクが高く注意が必要です。
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65歳以上の高齢者(喉の渇きを感じにくい)
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独居・認知症のある方
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呼吸器や心臓に持病がある方
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利尿剤など特定の薬を服用している方
🔶 隠れ脱水と熱中症の関係|実は一番多い「室内での発症」
猛暑が続く近年、熱中症の約4割は屋内で発生しています。
大阪府吹田市の調査(2022年)では、高齢者の熱中症搬送の7割が在宅介護中の方でした。
冷房を控えていたり、就寝中に水分不足になることで、知らずに体が危険な状態になるケースもあります。
✅ 隠れ脱水を防ぐ7つの対策ポイント
対策 | 解説 |
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✅ 1日1.5~2.5Lの水分を摂取 | 喉が渇く前に、1~2時間ごとにコップ1杯を意識 |
✅ 起床・入浴前後・就寝前に水分補給 | 脱水が起こりやすいタイミングでの補給を習慣化 |
✅ ノンカフェインの飲み物を選ぶ | 水、麦茶、経口補水液などがおすすめ |
✅ 食事からの水分摂取も大切 | 汁物・果物・野菜などを意識的に摂る |
✅ ミネラル補給も忘れずに | 発汗時には塩分やカリウムを含むドリンクが有効 |
✅ 室温・湿度の管理 | エアコンや加湿器で28℃・湿度55~65%を目安に |
✅ 筋肉量を保つ | 筋肉は水分を蓄える「天然の貯水タンク」です |
🏥 こんなときは医師へ相談を
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水分を摂っても体調が改善しない
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強い頭痛・けいれん・嘔吐がある
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高齢者の意識がぼんやりしている
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日中ずっと眠い、食事が取れない
➡ それは重度の脱水症や熱中症の前兆かもしれません。
きだ内科クリニックでは、夏の体調不良に関するご相談を受け付けています。
🌿 まとめ|「隠れ脱水」は気づいたときが予防のチャンス
「喉が渇かないから大丈夫」と思っていても、体はすでに脱水状態に近づいているかもしれません。
こまめな水分補給と日常のケアで、夏の体調不良や熱中症を未然に防ぎましょう。
📍米沢市・周辺地域で夏バテ・脱水にお悩みの方へ
きだ内科クリニックでは、脱水症状の診断や生活アドバイスも含めた診療を行っております。
気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。