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食品添加物と超加工食品の健康リスクとは?安部司氏の見解と最新研究を徹底解説|きだ内科クリニック

[2025.09.13]

 

食品添加物と超加工食品のリスク:安部司氏の講演・書籍から学ぶ健康への影響と食生活の改善策

私は、食品添加物の第一人者である安部司氏の講演と著書を拝聴・拝読し、食品添加物や超加工食品が健康に及ぼすリスクについて深い知見を得ました。安部氏は、かつて食品開発者として「歩く添加物辞典」「食品添加物の神様」と呼ばれ、実際に産業廃棄物になるはずの端肉に20〜30種類の食品添加物を加えて作ったミートボールを自らの子供が美味しそうに食べる姿を見て衝撃を受け、それが彼の活動の原点となったと語っています。

彼は、このミートボールを「自分の子どもには食べさせたくない食品」であったと告白し、その後、食品添加物の危険性やリスクを訴える活動を始めました。


安部司氏が指摘する食品添加物の主なリスク

1. 「添加物のかたまり」としての加工食品

安部氏は、明太子・漬物・練り物・ハム・ソーセージなどを食品添加物が大量に使われている典型例として挙げています。
例えば、100kgの豚肉から120〜130kgのハムを製造できるのは、水・大豆たんぱく・卵白・乳たんぱく・海藻抽出物などの「つなぎ」を使って20〜30kgも増量しているからです。さらに見た目や食感を良くするために発色剤・増粘剤・保存料などが追加され、食品添加物の複合的なリスクが懸念されます。


2. 舌の麻痺と過剰摂取

食品添加物は舌の感覚を麻痺させると安部氏は指摘します。その結果、通常であれば摂取しすぎることのない量の塩分・糖分・脂肪分を含む食品を無意識のうちに食べ過ぎ、肥満・高血圧・糖尿病などの生活習慣病のリスクが増加すると警告しています。


3. 安全性は未解明:「人体実験中」という現実

食品添加物の歴史はまだ約40年程度であり、長期的な安全性は科学的に未解明といえます。安部氏は「人体実験中」という言葉で、食品添加物が将来的に子や孫の世代へ影響を及ぼす可能性が否定できないと指摘し、国が認可しているからといって完全に安全とは言い切れないと疑問を投げかけています。


4. 批判される情報発信の一面

一方で、鈴鹿医療科学大学教授・長村洋一氏は、安部氏が「致死量の100分の1がADI(1日摂取許容量)」と説明する点について、リスク管理の概念を欠いた科学的誤りであり、無用な恐怖を煽っていると批判しています。


食品添加物が普及する5つの理由

安部氏は、食品添加物が日常生活に浸透している背景として次の5つを挙げています:

  1. 低コストで安い

  2. 見た目が美しくなる

  3. 調理が簡単で便利

  4. 長期間保存可能

  5. 味付けが自由自在

消費者がこれらの利便性を求める限り、添加物の使用は減らないとし、消費者側の意識改革の必要性も訴えています。


安部氏が提唱する食生活改善法:「ひふみの原則」と「昭和そうす」

ひふみの原則

  • ひ:非伝統的な食品を避ける
    日本人が古来から食べてきた和食は長い人体実験を経て安全性が確認されています。

  • ふ:不自然な食品を避ける
    化学的に合成された食品や調味料の多用を控えることが推奨されます。

  • み:未経験な食品を避ける
    よくわからない新奇な食品には注意が必要です。


昭和そうす

  • しょう:少食

  • わ:和食

  • そ:粗食

  • うす:薄味

昭和30〜40年代の伝統的な日本の食生活に戻ることが、病気の予防や添加物摂取量の削減につながると提唱しています。


超加工食品(Ultra-Processed Foods)の定義と健康リスク

超加工食品とは

国際的なNOVA分類で最も加工度が高い「グループ4」に分類される食品で、保存料・乳化剤・人工甘味料など多数の添加物を含みます。
代表例:清涼飲料水、スナック菓子、インスタント食品、菓子パン、ファストフードなど。


超加工食品が与える10の健康リスク

  1. 食事の質の低下:栄養バランスの崩壊

  2. がんリスク上昇:大腸がんリスクが最大44%増加

  3. 糖尿病リスク増加:2型糖尿病リスクが12%上昇

  4. 肥満・過食:中毒性と高カロリーで肥満率増加

  5. 心血管疾患リスク:摂取量増加で死亡リスク50%上昇

  6. 脳卒中・高血圧リスク:血管障害・動脈硬化の進行

  7. メンタルヘルス不調:うつ病・不安症リスクが22〜53%上昇

  8. 認知機能低下:認知症リスク増加との関連

  9. 腸内環境悪化:腸内細菌叢のバランス崩壊

  10. 全死亡リスク増加:すべての死因リスクが21%上昇


まとめ:私たちができること

  • 加工度の低いホールフード中心の食生活

  • 手作り調理・無添加食品の選択を心がける

  • 国や行政による超加工食品規制の検討も必要

安部司氏の警鐘は、超加工食品の過剰摂取が生活習慣病・がん・心疾患・メンタルヘルス不調に直結する可能性を示唆しています。

私たち一人ひとりが食品選びを見直すことで、健康リスクを大幅に減らすことができます。

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