新型コロナ「ニンバス株(NB.1.8.1)」とは?特徴・症状・日本での流行状況と予防策【最新情報】
【最新情報】新型コロナ「ニンバス株(NB.1.8.1)」とは?症状・特徴・国内流行状況と予防策
2025年夏、日本を中心に世界的に広がりを見せている新型コロナウイルスの新しい変異株が**「ニンバス株(NB.1.8.1)」**です。
WHOも監視対象とするこの株は、感染力や免疫逃避の特徴を持ち、国内でも急速に置き換わっています。
本記事では、ニンバス株の特徴・症状・流行状況・予防法をわかりやすく解説します。
ニンバス株(NB.1.8.1株)とは?
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正式名称:NB.1.8.1株
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WHO分類:2025年5月23日、世界保健機関(WHO)は本株を「監視下の変異株(VUM)」に指定
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名称の由来:「Nimbus(雨雲)」はカナダの進化生物学者T. Ryan Gregory教授が命名。覚えやすく、地域差別を避けるため世界で広く使われています。
特徴
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由来
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オミクロン系統「JN.1」から派生した組換え株
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オミクロンXDV株(XDE+JN.1)の子孫
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感染力・伝播力
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ACE2受容体への結合力が高く、感染効率が上昇
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LP.8.1株より強く、XEC株よりは弱いが、伝播力(実効再生産数)は高いと報告
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免疫回避
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過去感染やワクチンで獲得した抗体効果を3〜4割低下させるとされる
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ブレイクスルー感染が起こりやすい
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重症化リスク
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これまでのオミクロン株と同程度
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重症化の明確な増加はなし
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ただし感染者数が増えることで高齢者・基礎疾患のある人の入院リスクは上昇
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治療薬との関係
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現在のワクチン・抗ウイルス薬(パキロビッド®等)には有効性あり
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耐性の報告はなし
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ニンバス株の症状
オミクロン系統と類似していますが、強い喉の痛みが特徴的です。
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喉の痛み(74%):カミソリで切られるような強烈な痛みと表現されることも
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発熱(38℃以上)(72%)
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咳・痰(66%)
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鼻水・鼻づまり(40%)
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頭痛(34%)
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体の痛み・筋肉痛(25%)
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息苦しさ(16%)
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倦怠感(14%)
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消化器症状(7%)
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味覚嗅覚障害(1%と少ない)
世界と日本での流行状況(2025年8月時点)
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世界
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インド:5月末に急増し、6月中旬にピーク
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米国:2025年6月に新規感染の約3分の1がニンバス株
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台湾:NB.1.8.1が感染急増の主因
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日本
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6月〜7月に都内でほぼ100%がニンバス株に置き換わり
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第33週(8/11〜17)まで 8週連続で感染者数増加
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九州地方で特に多く、宮崎県では1医療機関あたり14.71人と全国最多
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👉 新型コロナは「夏と冬の年2回流行するパターン」を繰り返しており、夏の流行は今年も例外ではありません。
予防と対策
基本の感染対策
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マスク着用(人混みや屋内)
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こまめな手洗い・消毒
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室内の換気
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睡眠・栄養を整える
ワクチン接種
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2025-2026年シーズン用ワクチン接種を推奨(高齢者・基礎疾患持ち)
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日本の接種率は 約8.1%と低迷(インフルエンザは32.6%)
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自己負担で 約1.5万円かかる場合もあり課題
治療薬
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ゾコーバ:発症72時間以内の軽症〜中等症に有効
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ラゲブリオ:高齢者や基礎疾患のある人に推奨
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治療薬も自己負担で高額(ゾコーバ3割負担で約1.5万円)
医療機関の受診
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若年者は軽症でも、無症状で感染拡大のリスクあり
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高齢者や持病のある人を守るため、症状があれば早めに受診を
重症化・後遺症のリスク
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新型コロナ死者数:年間 約3万2000人(インフルエンザの15倍)
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死者の97%は高齢者
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若年層でも 約10人に1人が後遺症(倦怠感・集中力低下・嗅覚障害など)
今後の見通し
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2025年8月末には夏の流行がピークアウトする可能性
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ただし、新たな変異株出現により状況が変化する可能性も
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専門家は「インフルエンザ並みに新型コロナを警戒すべき」と警鐘
まとめ
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ニンバス株(NB.1.8.1)は2025年夏、日本で主流株に置き換わった新型コロナ株
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感染力・免疫回避に優れ、喉の痛みや発熱などの症状を特徴とする
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現時点では重症化リスクは従来株と同程度
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高齢者・基礎疾患のある人はワクチン・治療薬での重症化予防が重要