GLP-1メディカルダイエット 副作用対応・中止判断マニュアル(リベルサス/マンジャロ共通)
[2025.05.19]
【看護師用】
GLP-1メディカルダイエット
副作用対応・中止判断マニュアル(リベルサス/マンジャロ共通)
🩺 基本原則
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GLP-1製剤(リベルサス・マンジャロ)は副作用が出やすい薬剤です
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初期に出る症状は一時的なことが多く、過度に中止判断を急がず、緩和策を試みるのが原則
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ただし、重篤な症状・日常生活への影響が大きい場合は医師と即時相談
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副作用の訴えを受けたら、以下のステップで確認・対応してください
✅【STEP1】副作用内容の確認(具体的な聴取)
症状分類 | 主な訴え・確認ポイント |
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吐き気/嘔吐 | 食後か空腹時か?どのくらい続いているか?水分摂取はできているか?嘔吐の有無 |
胃もたれ/食欲不振 | 食事量・頻度、いつから続いているか?体重急減はないか? |
下痢/便秘 | 回数、性状、食事との関連、腹痛の有無 |
倦怠感/ふらつき | 生活に支障があるか?血圧低下・脱水症状は? |
注射部位の異常(マンジャロ) | 赤み・腫れ・痛みの範囲、熱感、発疹の有無 |
その他 | 頻脈、動悸、浮腫、皮疹、血糖値低下など |
✅【STEP2】軽症〜中等症の対処法(継続可)
症状 | 対応例 |
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吐き気 | ・服用時間の調整(リベルサス:朝から昼に変更) ・服薬前後に冷水を避ける ・制吐剤の併用を医師に相談 |
胃もたれ・食欲不振 | ・少量頻回食の提案 ・服薬量を一時的に減量 or 戻す(医師判断) |
下痢 | ・水分補給の指導/整腸剤併用を医師に相談 |
便秘 | ・水分・食物繊維の摂取促進/軽い運動 ・整腸剤・酸化マグネシウム併用可(医師判断) |
注射部位の赤み | ・冷湿布/抗ヒスタミン軟膏で軽快することあり ・範囲が広がらないか経過観察 |
➡ 上記対応で改善が見込まれる場合、継続可/フォローアップで確認
⚠️【STEP3】中止または医師へ即時報告すべき状況
状況 | 対応 |
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嘔吐が続き水分も取れない | 脱水リスク → 服薬中止/医師報告/点滴検討 |
強い腹痛・背部痛/吐血/下血 | 急性膵炎・消化管出血の疑い → 即時報告/中止 |
意識障害/極度の倦怠感/脱力 | 血糖異常や重篤な副作用の可能性 → 即中止/医師判断 |
注射部位が広範囲に腫脹・化膿 | 感染の疑い → 使用中止/診察へ誘導 |
体重が急激に減少(例:2週間で5kg以上) | 栄養不良のリスク → 医師報告/使用継続判断 |
✅【STEP4】医師報告のための記録項目
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症状の詳細(いつから、どの程度、持続時間)
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患者の主観(つらさの程度、日常生活への支障)
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薬剤名・用量・投与開始日
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直近の体重変化/水分・食事量の変化
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自己判断で中止していないか
📌※電子カルテへ簡潔に入力+必要時、医師へ口頭でも伝達
🗂 備考
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副作用が出た場合でも、急がず柔軟なフォローで継続できるケースが大半です
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看護師からの「安心感あるフォロー」が、患者の継続意欲を大きく左右します
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逆に、「様子見で済ませるリスク」があるケースでは必ず医師へ報告してください