「膵がんとは?症状から最新治療まで詳しく解説!」
膵がんとは?
膵臓について
膵臓は、胃の後ろ側に位置し、細長い形をした重要な臓器です。膵臓は体の右側にある「膵頭部」と、左側にある「膵体部」および「膵尾部」に分かれています。膵頭部は十二指腸と接しており、膵尾部は脾臓に隣接しています。膵臓には、食べ物の消化を助ける「外分泌機能」と、血糖値の調整を行う「内分泌機能」の2つの役割があります。
外分泌機能では、膵臓は消化酵素を含む膵液を分泌し、食べ物(炭水化物、タンパク質、脂肪)を分解します。膵液は膵管を通って十二指腸へ送られ、消化を助けます。内分泌機能では、血糖値を下げるインスリンや血糖値を上げるグルカゴンといったホルモンを分泌し、血糖値の調整を行っています。
膵臓に問題が生じると、これらの機能が低下し、消化不良や栄養吸収障害(体重減少)だけでなく、糖尿病のリスクも増加します。特に膵癌(すいがん)は、膵臓の膵管から発生しやすく、早期発見が難しいため、症状が出るころには進行していることが多いのが特徴です。
膵がんについて
膵がんは、そのほとんどが膵液の通り道である膵管の上皮細胞から発生します。このため、一般的に「膵がん」と言うと、「膵管がん」を指します。膵臓は「膵頭部」「膵体部」「膵尾部」の3つの部位に分けられますが、膵がんは特に十二指腸に近い「膵頭部」で発生することが多く、全体の約8割を占めます。
膵がんの患者数について
日本における膵がんの死亡者数は、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで4番目に多く、2014年には約32,000人が膵がんで命を落としています。特に60歳以降に患者数が増加し、高齢になるほど膵がんのリスクは高まります。また、近年の高齢化の進行に伴い、膵がんの患者数も増加しており、罹患数(新たに診断される患者数)と死亡者数がほぼ同じであることから、膵がんは他のがんと比べても生存率が非常に低い難治性のがんとされています。
2000年には男性約11,000人、女性約9,000人が膵がんと診断されていましたが、2019年には男性約22,000人、女性約21,000人と、約2倍に増加しています。これは全がんの中で男女ともに6番目に多く、高齢者を中心に膵がんの罹患率は今後も増えると予測されています。特に60歳以上の患者が全体の9割を占めており、決して稀な病気ではありません。
膵がんの生存率について
膵がんは、非常に難治性の高いがんとして知られています。罹患者数と死亡者数がほぼ同じであることからも、治療が難しく、早期発見が非常に重要です。膵がんの5年生存率は全体で7%ほどと非常に低く、多くの患者が診断後数年以内に亡くなっています。しかし、早期に発見された場合の生存率は劇的に高くなることがわかっています。
特に、腫瘍の大きさが1cm以下の膵がんでは5年生存率が約80%、1~2cmの腫瘍でも50%と報告されており、早期に発見できれば長期生存の可能性が高まります。これに対して、進行したステージの膵がんでは、治療が困難であり、生存率は大幅に低下します。例えば、ステージⅣの膵がんでは5年生存率が0.3%と非常に厳しい状況です。
膵がんは早期に診断することが難しいため、特にステージ0やステージⅠの段階で発見することが重要です。ステージ0では5年生存率が85.8%、ステージⅠAでは68.7%、ステージⅠBでも59.7%と、早期の段階であれば長期生存が期待できます。
しかし、現実的には、膵がんが2cm以下で発見されるケースは少なく、その割合はわずか6%です。一方、手術ができない進行したステージⅣの膵がんが全体の80%を占める厳しい現状があります。そのため、早期発見が膵がんの治療成績を改善するための大きな鍵となっています。
膵がんの症状について
膵がんは、初期にはほとんど症状が現れないため、早期発見が非常に難しいがんです。しかし、がんが進行してくると、いくつかの特徴的な症状が現れることがあります。
・腹痛と背中の痛み
膵がんが進行すると、最も多く見られる症状が上腹部の痛みや背中の痛みです。特に食事とは関係なく、夜中に強い痛みが続くことが特徴です。膵臓周辺には神経が多く存在するため、がんが進行して神経に浸潤すると痛みが強くなります。
・体重減少
体重の急激な減少も膵がんの重要な症状です。がん細胞が成長することで、栄養がうまく吸収できなくなり、体重が減っていきます。また、がんが十二指腸に浸潤して消化機能が低下し、食欲不振や消化不良も体重減少に拍車をかけます。
・黄疸
膵がんが胆管を圧迫すると、黄疸が現れます。これは、膵がんによって胆汁の流れが妨げられ、体内に老廃物がたまることで、皮膚や白目が黄色くなる症状です。黄疸は特に膵臓の頭部にできたがんで見られることが多く、膵体部や膵尾部にがんができた場合は、黄疸は現れにくいです。
・消化不良と腹部膨満感
食べ物を消化するための酵素を膵臓が十分に分泌できなくなるため、消化不良や**腹部膨満感(お腹が張る感じ)**が見られることがあります。
・その他の症状
その他にも、食欲不振や全身のだるさ、糖尿病の発症や悪化、尿の色が濃くなるといった症状が出ることがあります。これらの症状が続く場合は、膵臓の異常を疑い、早めに医師に相談することが大切です。
膵臓にできるその他の腫瘍
膵臓には、膵管がん以外にもさまざまな種類の腫瘍が発生することがあります。代表的なものの一つが「膵神経内分泌腫瘍(P-NET)」です。この腫瘍は、インスリンなどのホルモンを分泌する神経内分泌細胞が腫瘍化することで発生します。P-NETは、ホルモンを過剰に分泌する場合があり、その結果、特定の症状が現れることもありますが、進行が遅く、良性である場合も多いです。
次に、「膵嚢胞性腫瘍」も一般的に見られる膵臓の腫瘍です。例えば「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」や「粘液産生膵腫瘍(MCN)」があります。これらの腫瘍は膵管内に粘液を作り、嚢胞のような袋状の構造を作る特徴があります。これらも良性から悪性まで幅広く、進行スピードや治療方法が異なります。
また、頻度は少ないものの、「漿液性嚢胞性腫瘍(SCN)」や「Solid pseudopapillary neoplasm(SPN)」といった腫瘍も存在します。これらは通常症状を引き起こさず、健康診断の際の超音波検査やCT検査などで偶然発見されることが多いです。これらの腫瘍は、発生する頻度は低いですが、治療法が異なるため、他の膵腫瘍と区別することが重要です。
膵臓にできる腫瘍にはさまざまなタイプがあり、膵がんと区別がつきにくいものもあります。そのため、専門医による正確な診断と適切な治療が必要です。
膵がんのリスクを高める要因(年齢、喫煙、肥満、糖尿病など)
膵がんのリスク要因には、いくつかの生活習慣や遺伝的な要素が関係しています。特に、以下の点に注意することが大切です。
・家族歴
もし家族に膵がんの患者がいる場合、リスクは高くなります。近親者に膵がん患者がいると、発症リスクが約4.5倍に増加すると言われています。膵がんは遺伝子の変異によって引き起こされることがあり、KRASやBRCA1/BRCA2といった遺伝子の変異が家族内で受け継がれている可能性が高いです。
・ 既往歴
過去に大腸がん、乳がん、卵巣がんを患ったことがある場合、または家族にこれらのがん患者がいる場合、膵がんのリスクも高くなります。これらのがんに関連する遺伝子の変異が、膵がんの発症にも関与していることがあるためです。
・合併症疾患
糖尿病や慢性膵炎などの疾患を持っている場合、膵がんのリスクが上昇します。特に、突然糖尿病が発症した場合や、治療中の糖尿病が急激に悪化した場合は、膵がんの兆候である可能性があります。また、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や膵嚢胞といった疾患も膵がんのリスクを高めます。
・生活習慣
喫煙は膵がんのリスクを約1.7倍に増加させ、大量の飲酒もリスクを高めます。喫煙や過度な飲酒を避けることが、膵がん予防のための重要なステップとなります。
・肥満
肥満も膵がんのリスク要因の一つです。特に若年期から肥満傾向にある場合、膵がんのリスクがさらに高まると言われています。健康的な体重を維持することが、リスクを下げるために重要です。
膵がんの早期発見が重要!最新の診断方法とは
膵がんは早期発見が非常に難しいため、最新の診断方法を活用することが重要です。以下に、膵がんの診断に使われる代表的な検査方法をわかりやすく説明します。
膵がんの血液検査は、膵臓の状態を知るための重要な手段の一つです。しかし、血液検査だけではなく、画像検査と組み合わせて診断を行うことが必要です。以下が、血液検査で確認する主なポイントです。
・ 血液検査
膵臓の酵素値
膵臓がダメージを受けると、血液中のアミラーゼやリパーゼといった酵素の数値が上がります。これにより膵臓に問題があるかを確認できますが、必ずしも膵がんがあることを意味するわけではありません。
糖尿病に関連する数値
膵臓は血糖値を調整する役割もあります。膵がんが進行すると、糖尿病の悪化につながることがあります。そのため、血糖値やHbA1c(過去1~2ヶ月の血糖状態を示す指標)を確認します。急な糖尿病の悪化が膵がんの兆候になることがあります。
腫瘍マーカー
腫瘍マーカー(CEA、CA19-9、DUPAN-2、SPan-1)は、膵がんの存在や進行具合を示す数値です。しかし、腫瘍マーカーが上がるのはがんが進行した後が多く、早期発見には向いていません。そのため、腫瘍マーカーの結果は補助的な情報として使い、主にCTやMRIなどの画像検査でがんの診断を行います。
これらの血液検査は、膵がんの診断や治療方針を決めるために役立ちますが、正確な診断には以下の画像検査が欠かせません。
・腹部超音波検査
超音波を使って膵臓を含む腹部の臓器を調べる検査です。膵がんが疑われる場合や、転移が疑われる場合には、超音波を使用してがんの存在を確認します。この検査は痛みがなく、比較的簡便に行えるため、最初に行われることが多いです。
・ CT検査
CT検査ではX線を使って、膵臓や他の臓器の状態を詳細に確認します。通常、造影剤を注射して行うため、がんの広がりや転移を詳しく調べることができます。特に、肺や肝臓などへの転移がないかを確認するのに適しています。
・MRI検査
MRI検査は、磁力を使って体内の詳細な画像を取得する検査です。CTと同じようにがんの広がりを調べることができますが、特に「MRCP」という特殊な方法を使うと、膵管や胆管の様子をより詳しく描写することができ、膵がんによる圧迫の有無を確認できます。
・超音波内視鏡(EUS)検査
超音波内視鏡は、超音波が先端に付いた内視鏡を使用して、膵臓や周囲のリンパ節をより詳細に観察する検査です。この検査では、膵臓に近づいて直接画像を撮影できるため、非常に精密な情報が得られます。がんが疑われる部位に針を刺し、細胞や組織を採取する生検(EUS-FNA/FNB)を行い、顕微鏡でがんの有無を確認します。
・ 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)
ERCPは、内視鏡を使って膵管や胆管に造影剤を注入し、X線でその状態を確認する検査です。膵管が狭くなっている場所や拡張している箇所を確認し、膵液を採取してがん細胞が含まれていないかを調べます。また、胆管が詰まって黄疸が出ている場合には、胆汁を排出しやすくするステントを留置する治療も行います。
・生検
膵がんの確定診断には、がんが疑われる部位から組織を採取して調べる生検が必要です。これは、超音波や内視鏡を使って安全に行われ、組織の状態を顕微鏡で確認することで、がんの有無を確定します。
これらの診断方法を組み合わせて、膵がんの早期発見や正確な診断が行われます。特に早期発見が難しい膵がんでは、定期的な健康診断やリスクが高い人に対する精密検査が重要です。
膵がんの治療法:手術や化学療法、最新の選択肢を紹介
膵がんの治療は、病期(ステージ)や切除の可能性によって異なります。膵がんは早期発見が難しいため、治療戦略は非常に重要です。ここでは、主な治療法について簡単に説明します。
1. 手術(外科的切除)
膵がんが早期(ステージ0~I)で、手術が可能と判断された場合、外科的切除が行われます。これは、がんを取り除くための最も効果的な方法です。特に2cm以下の膵がんであれば、手術後の生存率が高く、治療効果も期待できます。
2. 化学療法
手術が可能な場合でも、がんの再発を防ぐために術前・術後に化学療法を行うことが推奨されています。代表的な化学療法として、以下の治療が行われます:
- ゲムシタビン+S-1療法
- FOLFIRINOX療法:体力があり、全身状態が良好な方に対して、複数の抗がん剤を組み合わせて行う強力な治療法です。
- ゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法:特に進行した膵がんに対して行われ、延命効果が期待されます。
3. 化学放射線療法
切除可能境界膵がん(手術が難しいが、化学療法や放射線療法によって切除が可能になる場合)や局所進行膵がんに対して、化学療法と放射線療法の併用が行われます。抗がん剤を使いながら放射線治療を行うことで、がんの進行を抑えます。
4. 切除不能膵がんの治療
膵がんが進行していて手術ができない場合、化学療法や化学放射線療法が治療の中心となります。これには、次のような治療法が用いられます:
- ゲムシタビン療法:高齢者や体力の低下している方に使われる、比較的負担の少ない治療法です。
- S-1療法:飲み薬の抗がん剤で、ゲムシタビンと同程度の効果があります。
5. 最新の治療法
膵がん治療では、近年の進歩によって多様な選択肢が提供されています。特に、手術後の補助療法や、進行した膵がんに対する複数の抗がん剤の組み合わせ(FOLFIRINOXやゲムシタビン+ナブパクリタキセル)が効果を上げています。また、最新の技術を駆使した超音波内視鏡(EUS)やERCPによる診断・治療も進展しており、より早期の発見と効果的な治療が可能になりつつあります。
膵がんの生存率を上げるための早期発見と治療戦略
膵がんの生存率を上げるためには、早期発見と適切な治療が非常に重要です。しかし、膵がんの早期発見は難しく、2cm以下の腫瘍を発見できるのは限られた場合のみです。そのため、膵がんによる膵臓の変化を早期に見つけることが鍵となります。
・早期発見の重要性
膵がんは初期段階では症状がほとんどなく、一般的な腹部エコーやCT検査だけでは、腫瘍の約50%しか発見できません。しかし、膵がんが引き起こす間接的な所見(膵管の拡張や狭窄、嚢胞性病変など)に注目することで、膵がんの早期発見が可能になります。これらの間接所見は、腹部エコーやCTでも75~80%の確率で確認できるため、定期的な検査.
・厳密なフォローアップ
検査結果で「悪性のリスクが高い兆候(High Risk Stigmata)」が認められる場合、例えば主膵管の直径が10mm以上ある場合や、嚢胞の壁に5mm以上の結節が確認された場合などは、手術が検討されます。また、「懸念される特徴(Worrisome Features)」がある場合には、定期的な厳重フォローアップを行い、早期に異常を発見することを目指します。
・早期診断が生存率を上げる鍵
膵がんは、ステージ0やⅠAの段階で発見されれば、5年生存率は約70%と大幅に改善します。特に2cm以下の小さな膵がんであれば、手術後に良好な経過をたどる可能性が高まります。しかし、膵がんが進行してからでは治療が難しく、5年生存率は大幅に低下してしまいます。
膵がんの早期発見には、通常の検査だけでなく、膵臓の間接的な変化を見逃さないことが重要です。定期的な検査と、超音波内視鏡や内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を活用した精密検査を通じて、がんの早期発見・早期治療を目指しましょう。これにより、膵がんの生存率を向上させることが可能です。
膵がんの予防方法:生活習慣を改善してリスクを下げよう
1. 禁煙
喫煙は膵がんのリスクを大幅に高める要因です。タバコを吸う人は、吸わない人に比べて膵がんの発症率が1.7倍も高くなるとされています。したがって、禁煙は最も効果的な予防方法の一つです。
2. アルコールの摂取を控える
過度な飲酒も膵がんのリスクを高める要因です。特に、長期間にわたり大量のアルコールを摂取することは、慢性膵炎を引き起こし、膵がん発症のリスクをさらに高めます。適度な飲酒を心がけることが予防につながります。
3. 健康的な食生活
食事にも注意が必要です。特に、加工肉や赤身の肉の過剰摂取が膵がんリスクを高めることが指摘されています。一方で、果物や野菜を多く摂ることで、リスクを軽減することができます。抗酸化作用を持つ野菜や、キノコ類などを積極的に摂取しましょう。
4. 適度な運動と体重管理
肥満も膵がんのリスク要因です。特に、若年期の肥満は膵がんの発症リスクを高めるため、適正体重を維持することが重要です。適度な運動とバランスの取れた食事を心がけ、体重管理を行いましょう。
5. 糖尿病や慢性膵炎の管理
糖尿病や慢性膵炎を持つ方は、膵がんのリスクが高まります。特に、2型糖尿病の患者は、膵がんのリスクが増加することがわかっています。これらの疾患を適切に管理し、定期的に検診を受けることが予防につながります。
6. 定期的な健康診断
膵がんは早期発見が難しいため、定期的な健康診断が重要です。特に家族歴がある方や、膵がんのリスク要因を持っている方は、超音波検査やCT検査などを活用して、膵臓の状態を定期的にチェックしましょう。
これらの予防策を実践することで、膵がんのリスクを大幅に減らすことができます。健康的な生活習慣を心がけ、早期発見と予防を目指しましょう。
きだ内科クリニックの膵がんへの取り組み
当院ではCTやMRI、EUS(超音波内視鏡)といった専門的な検査は行っておりませんが、患者様の体調の変化や症状、血液検査の異常、腹部エコーなどの膵がんが疑われる間接的な所見を常にチェックしています。
もし、これらの検査で膵がんの可能性が示唆される場合には、まずCT検査を受けていただき、さらに精密な診断が必要な場合には、高度な医療機関へ速やかにご紹介いたします。患者様の体調を細かく観察し、早期発見と適切な対応を目指していますので、気になる症状があればぜひご相談ください。
膵がんのよくある質問(FAQ)
1. 膵がんとはどのような病気ですか?
膵がんは、膵臓に発生するがんで、多くは膵管という膵液の通り道にできる「膵管がん」です。初期には症状が現れにくく、発見が遅れることが多いため、早期診断が非常に重要です。
2. 膵がんの初期症状は何ですか?
膵がんの初期症状は、特に目立ったものがないことが多いです。一般的には、腹痛、背中の痛み、体重減少、食欲不振などの症状が見られることがあります。これらの症状が続く場合は、医師に相談することが大切です。
3. 膵がんのリスク要因は何ですか?
膵がんのリスク要因には、喫煙、慢性膵炎、糖尿病、家族歴、肥満などが含まれます。特に、家族に膵がん患者がいる場合や、急激に糖尿病が悪化した場合は注意が必要です。
4. 膵がんの診断にはどのような検査が必要ですか?
膵がんの診断には、CT、MRI、超音波内視鏡(EUS)などの画像検査が行われます。また、血液検査で腫瘍マーカー(CA19-9など)を確認することもあります。早期発見のためには、定期的な検査が推奨されます。
5. 膵がんは治療可能ですか?
膵がんは早期に発見されれば、手術による治療が可能です。ステージ0やステージⅠの早期膵がんでは、5年生存率が高く、手術後の予後も良好です。しかし、進行がんの場合は手術が難しく、化学療法や放射線療法が行われます。
6. 膵がんの手術後の生存率はどのくらいですか?
膵がんの生存率は、病期(ステージ)によって異なります。ステージ0やⅠAの膵がんで手術を受けた場合、5年生存率は約70%とされています。一方、進行がんになると生存率は低下しますが、最新の治療法で延命が期待されています。
7. 膵がんの予防方法はありますか?
膵がんの予防には、喫煙を避けること、適度な運動、健康的な食生活が大切です。特に、野菜や果物を多く摂取し、加工肉や赤身肉の摂取を控えることが推奨されています。また、定期的な健康診断を受けることが重要です。
8. 膵がんと糖尿病の関係はありますか?
膵がんと糖尿病には関連があることが知られています。急激な糖尿病の悪化が膵がんの初期症状であることもあるため、糖尿病のコントロールが難しくなった場合は、膵臓の検査を受けることをおすすめします。
9. 膵がんは家族性ですか?
膵がんは、家族歴がある場合、発症リスクが高まることがあります。特に、近親者に膵がん患者がいる場合や、遺伝的要因が確認されている場合には、定期的な検査を受けることが推奨されます。
10. 膵がんの最新治療法は何ですか?
近年、膵がん治療では、化学療法や放射線療法、免疫療法が進歩しています。特に、ゲムシタビンやFOLFIRINOXといった抗がん剤を使った治療や、超音波内視鏡を用いた早期診断技術が効果を上げています。