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中途覚醒の原因10選|夜中に目が覚める理由と対策・受診の目安

[2025.12.07]

夜中に目が覚める「中途覚醒」原因10選|対策と受診の目安

 

 

「寝つけるのに、夜中に目が覚める」「2時〜4時ごろに決まって起きる」「起きたあと再び眠れない」——こうした状態は中途覚醒と呼ばれ、原因は1つとは限りません。 ここでは、よくある原因を10項目に整理し、特徴(見分けポイント)・よくある背景・今日からできる対策をまとめます。

 

まず確認:中途覚醒が続くときのチェック項目

  • 目が覚める時間帯は?(毎回ほぼ同じ/バラバラ)

  • 目覚めたときの症状は?(動悸・寝汗・胸やけ・尿意・脚のむずむず)

  • いびき/呼吸が止まると言われたことは?

  • 夕食・飲酒・カフェイン・スマホ時間は?

  • 服薬中の薬(特にステロイド、気管支拡張薬、利尿薬など)は?

 

1. 夜間低血糖(血糖値の乱れ)

 

特徴(サイン):寝汗、動悸、不安感、悪夢、歯ぎしり/2〜4時ごろに目が覚めやすい
背景:とくに糖尿病治療中(インスリン・一部の内服薬)では夜間低血糖が起こり得ます。食事の偏り、遅い時間の過度な飲酒なども影響することがあります。
対策:自己判断で薬を中止せず、治療中の方は主治医に相談(必要なら血糖測定や薬の調整)。飲酒・夕食の内容や時間を整える。

 

2. 胃食道逆流症(逆流性食道炎)

 

特徴(サイン):胸やけ、酸っぱいものが上がる(呑酸)、咳、喉の違和感/横になると悪化
背景:就寝中は胃酸が逆流しやすく、明け方の覚醒につながることがあります。
対策:就寝直前の食事を避ける、脂っこい食事・アルコールを控える、枕を高めにする。体勢は一般に左側を下にすると楽な方がいます。

 

3. 夜間頻尿(夜にトイレで起きる)

 

特徴(サイン):夜間に1回以上トイレで起きる/睡眠が分断され日中のだるさ
背景

  • 夜間多尿(夕方以降の水分・塩分、むくみ、心臓・腎臓の影響など)

  • 蓄尿障害(過活動膀胱、前立腺肥大など)
    対策:夕方以降の水分・アルコールを調整、就寝前のカフェインを避ける。続く場合は原因が分かれるので受診で評価が有効です。

 

4. 更年期(ホルモン変化)

 

特徴(サイン):ほてり・発汗(ホットフラッシュ)で目が覚める/動悸・不安感
背景:エストロゲン低下により自律神経が乱れ、睡眠が浅くなりがちです。
対策:寝室を涼しく保つ、通気性の良い寝具、就寝前の飲酒を控える。つらい場合は婦人科・内科で相談(治療の選択肢があります)。

 

5. 薬の副作用(眠りを浅くする/夜間尿を増やす)

 

特徴(サイン):薬を始めてから中途覚醒が増えた/夜の尿意が増えた
背景:ステロイド、気管支拡張薬、抗うつ薬などは睡眠に影響することがあります。利尿薬や一部降圧薬は夜間尿の原因になる場合があります。
対策:自己判断で中止せず、処方医に「睡眠が悪い」ことを伝える(服用時間や薬の変更で改善することも)。

 

6. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

 

特徴(サイン):いびき、息が止まると指摘、日中の眠気、起床時の頭痛/夜間頻尿
背景:呼吸が止まる→脳が酸欠を察知して覚醒→睡眠が細切れになります。痩せていても顎の形などで起こることがあります。
対策:放置すると生活習慣病リスクにも関係するため、疑いがあれば検査・治療を検討。

 

7. 加齢による睡眠構造の変化

 

特徴(サイン):物音・痛み・尿意で起きやすい/早寝早起きに傾く
背景:深い睡眠が減り、浅い睡眠が増えるため、中途覚醒が起こりやすくなります。
対策:昼寝は短時間に、朝の光を浴びる、日中の活動量を確保。寝床で長く粘りすぎない(寝付けないときは一度起きる)も有効です。

 

8. むずむず脚症候群(RLS)

 

特徴(サイン):夕方〜夜に脚がむずむずして動かしたくなる/入眠困難・中途覚醒
背景:鉄不足(フェリチン低下)と関連することがあります。
対策:カフェイン・アルコールを控える、脚のストレッチ。疑いがあれば血液検査(鉄)を含め医療機関で相談。

 

9. ストレス・不安・うつ状態

 

特徴(サイン):考えごとで覚醒→再入眠できない/早朝覚醒が強い
背景:交感神経が優位になり、睡眠が浅くなります。
対策:寝る前の仕事・SNSを切る、リラックス習慣(入浴は早め・照明を暗め)。気分の落ち込みが続く場合は早めに相談を。

 

10. 生活習慣(アルコール・カフェイン・光)

 

特徴(サイン):寝付きは良いが後半で起きる/夜間尿が増える
背景

  • アルコール:後半に覚醒しやすく、利尿でトイレも増えやすい

  • カフェイン:覚醒作用+利尿

  • スマホ等の強い光:メラトニン(睡眠ホルモン)を抑えやすい
    対策:飲酒は量と時間を見直す、カフェインは午後早めまで、就寝前は画面を避けて照明を落とす。

 

受診の目安(放置しない方がよいサイン)

  • 中途覚醒が週3回以上続き、日中の支障が大きい

  • いびき・無呼吸の指摘、強い日中の眠気がある

  • 胸やけ・呑酸が強い、夜間頻尿が急に増えた

  • 気分の落ち込み、強い不安が続く

  • 動悸・冷汗などが目立ち、低血糖が心配(糖尿病治療中など)

 

執筆・監修:きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

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