夜中に目が覚める(中途覚醒)原因10選|セルフ対策チェックリスト
夜中に目が覚める|原因別セルフ対策チェックリスト
使い方(最短3ステップ)
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① 目が覚めた時刻(例:2:30 / 4:10)を3日分メモ
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② 目覚めた理由(尿意・動悸・胸やけ・暑い・脚がムズムズ・不安など)を記録
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③ 下の項目で「当てはまる原因」上位1〜2個だけ、まずは7日間試す(全部やると迷子になります)
0)まずは「危険サイン」チェック(当てはまれば早めに受診)
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いびき+呼吸が止まると言われる/日中の強い眠気(睡眠時無呼吸の疑い)
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胸痛・強い息苦しさ・冷汗を伴う
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気分の落ち込みが強い/希死念慮がある(心の緊急サイン)
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2週間以上、週3回以上続いて日中の生活に支障がある(不眠症として評価の対象)
1)夜間低血糖・血糖の乱れ(特に2〜4時に覚醒)
当てはまる?
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糖尿病治療中(インスリン/一部の飲み薬)
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夜中に動悸・冷汗・不安感で目が覚める(アドレナリン症状)
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悪夢・寝汗が多い
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夕食抜き/極端に少ない、またはアルコール多め
まず試す(安全優先)
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薬は自己判断で変えない(まず主治医へ相談・CGM/血糖記録を共有)
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夜の飲酒を控える(低血糖・睡眠分断の両方に関与)
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夕食は「糖質だけ」にならないよう、たんぱく質+食物繊維を足す(急な血糖変動を避ける)
受診の目安
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糖尿病治療中で、夜間の冷汗・動悸・悪夢が続く
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朝起きた時に強いだるさ/頭痛がある(夜間の低血糖・無呼吸など鑑別が必要)
2)胃食道逆流症(逆流性食道炎)・胸やけ
当てはまる?
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寝ると胸やけ/酸っぱいものが上がる/咳や喉の違和感
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明け方に悪化して起きる
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夕食が遅い/脂っこい/食べてすぐ横になる
まず試す(今夜から)
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就寝の3時間前までに夕食を終える
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左向きで寝る(夜間逆流が減る報告)
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上半身を少し高くする(枕ではなく“傾斜”が作れると◎)
受診の目安
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週2回以上の胸やけ/咳が続く、黒色便・吐血などがある(緊急)
3)夜間頻尿(夜のトイレで起きる)
当てはまる?
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夜に1回以上尿意で起きる
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夕方以降に水分・お茶・お酒が多い
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夕方に脚がむくむ(夜に尿として戻ることがある)
まず試す(7日間)
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就寝3時間前以降の水分・食事を控えめに
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夕方以降のカフェイン/アルコールを控える
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就寝前に“先にトイレ”(予防排尿)
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夕方〜就寝前に脚を高くして過ごす(むくみ対策)
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利尿薬を飲んでいる人は、服用時間を医師に相談(夕方→日中へ等)
受診の目安
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急に頻尿が増えた/痛み・血尿/残尿感がある
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夜間頻尿で転びそう、日中に強い眠気
4)更年期(ホットフラッシュ・寝汗)
当てはまる?
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寝ている間にほてり・発汗で起きる
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40〜60代で月経変化や更年期症状がある
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寝汗→寒くなる→再入眠できない
まず試す(今夜から)
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寝室を涼しめ/重ね着で調整(暑くなったらすぐ脱げる)
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就寝前の飲酒・辛い物を控える(ほてり悪化の引き金に)
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つらければ治療選択肢があるので相談(夜間ホットフラッシュは覚醒を増やす)
5)薬の副作用(眠りを浅くする・夜間尿を増やす)
当てはまる?
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薬を始めてから中途覚醒が増えた
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ステロイド内服中
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利尿薬や一部の薬で夜トイレが増える
まず試す
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自己判断で中止しないで、処方医に「中途覚醒が増えた」と伝える
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ステロイドは可能なら朝にまとめることが多い(医師判断)
6)睡眠時無呼吸症候群(SAS)
当てはまる?
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いびきが大きい/呼吸が止まると言われる
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夜中に何度も目が覚める/寝てもスッキリしない
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日中の眠気、朝の頭痛
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夜間頻尿もある(併発しやすい)
まず試す
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仰向けを減らす、飲酒を控える(悪化因子)
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検査(簡易検査/精密検査)を検討(原因がはっきりすると改善が速い)
7)加齢・体内時計の前倒し(眠りが浅い)
当てはまる?
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早寝早起きになってきた
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物音・尿意・痛みで起きやすい
まず試す(基本セット)
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起床時刻を固定(休日も±1時間)
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朝の光を浴びる
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昼寝はするなら20分以内、夕方以降は避ける
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眠れない時はベッドで粘りすぎない(刺激制御:15〜20分で一度出る)
8)むずむず脚症候群(RLS)
当てはまる?
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夕方〜夜に脚がムズムズして動かしたくなる
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寝つきが悪い/途中で目が覚める
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鉄不足の指摘・月経過多・偏食
まず試す
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カフェイン・アルコールを控える
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入浴・ストレッチで脚を温める
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鉄(フェリチン)を検査で確認(RLSは鉄補充が関与)
9)ストレス・不安・うつ
当てはまる?
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目が覚めた瞬間から考え事が止まらない
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再入眠できず、早朝覚醒もある
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気分の落ち込みが続く
まず試す(即効性のある型)
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「悩みメモ」を寝る前に3分書いて“明日考える箱”に入れる
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目が冴えたら、暗い場所で静かな作業→眠くなったら戻る(刺激制御)
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深呼吸(4秒吸う→6秒吐く)を5分
10)生活習慣(アルコール・カフェイン・光・スマホ)
当てはまる?
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寝つきは良いのに、後半(2〜4時)に起きる
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寝酒をしている
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夕方以降にコーヒー/エナドリ
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寝る直前までスマホ
まず試す(7日間チャレンジ)
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アルコールは「量」よりも寝る前を避ける(後半の覚醒を増やす)
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カフェインは就寝の6時間前以降は避ける(睡眠効率・中途覚醒に影響)
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寝る60分前は画面を減らし、照明を落とす(光はメラトニンに影響)
仕上げ:1週間で改善しやすい「やること3つ」テンプレ
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寝る前の飲酒をやめる(または半分に)
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夕方以降のカフェインをやめる
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眠れない時は15〜20分で一度ベッドを出る(刺激制御)
執筆・監修:きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)
