メニュー

気象病(天気痛)|低気圧で起こる頭痛・めまい・だるさの原因と【今日からできる対策】

[2025.09.20]

気象病(天気痛)とは|低気圧で起こる頭痛・めまいの原因と今日からできる対策

 

 

雨の前に頭痛がする/梅雨や台風で体調が崩れる——その不調は「気象病(天気痛)」かもしれません。気圧・気温・湿度などの変化が引き金となり、頭痛・めまい・だるさ・関節痛・気分の落ち込みなどが出やすくなります。ここでは、気圧変動と内耳×自律神経の関係に基づき、症状のしくみと具体的な予防・治療法をわかりやすく解説します。

 

要点まとめ(30秒)

  • 天気痛は気圧変動に内耳が過敏反応→自律神経が乱れ、頭痛やめまいが起きやすい。

  • 予測・予兆・予防の三本柱でコントロール(気圧予報+セルフケア+必要時の薬)。

  • 赤旗症状(激しい頭痛・麻痺・ろれつ障害・高熱・意識障害など)があれば至急受診

 

天気痛とは

 

気象病(天気痛)は、気圧・気温・湿度・日照の変化により、既存の不調が増幅したり、新たな症状が出る状態の総称です。とくに低気圧接近時寒暖差の大きい日に悪化しやすいのが特徴です。

主な症状

症状 具体像
頭痛 片頭痛(ズキズキ)/緊張型頭痛(締め付け)
めまい ふらつき・平衡感覚の乱れ(内耳の過敏性が関与)
だるさ・倦怠感 自律神経の乱れ・血行不良が背景
関節痛・古傷痛 腰・膝・リウマチ、術後・外傷部の痛み増悪
気分症状 不安・イライラ・抑うつ・集中力低下

 

発症のメカニズム:内耳と自律神経

 

  • 気圧センサーは「内耳」:耳の奥(前庭系)が微小な気圧変化にも反応。

  • 反応が強いと自律神経がストレス反応→交感神経優位に。

  • 頭痛の二経路

    • 片頭痛:内耳刺激→三叉神経→血管拡張・炎症性物質→ズキズキ痛。

    • 緊張型頭痛:交感神経優位→血管収縮・筋緊張→締め付け痛。

  • 天気図に出ない変化(大気潮汐や微気圧振動)でも発症・悪化があり、数日前から前駆を感じる人も。

 

受診の目安(赤旗症状)

 

次のいずれかがあれば速やかに医療機関へ

  • 今までにない激しい頭痛、突然の頭痛の増悪

  • 麻痺・しびれ・ろれつ障害・視覚障害が出現

  • 高熱、項部硬直、意識障害、けいれん

  • 頭部外傷後の頭痛・嘔吐が持続

  • 妊娠中、基礎疾患がある、市販薬が効かない頭痛が続く

 

今日からできる3大対策

 

1) 予測:発症タイミングを先読み

  • 気圧予報アプリ(例:天気痛指数・頭痛記録アプリ)を活用し、6日前後までのリスクを把握。

  • 痛み日記で「気圧・睡眠・月経・行動・服薬」を併記すると、自分の発症パターンが見える。

2) 予兆ケア:内耳の血流と自律神経を整える

  • くるくる耳マッサージ(予兆〜悪化期に1日2–3回)。

  • 耳周りの保温(ホットタオルなど)で内耳のむくみを軽減。

  • 入浴(39–40℃で10–15分)、朝日+朝食で体内時計リセット。

3) 予防・治療:必要に応じて薬と生活改善

  • 薬物療法(医師と相談)

    • 片頭痛急性期:トリプタン系など。

    • めまい予兆が強い:抗めまい薬を早めに。

    • 漢方五苓散は水分循環の偏り是正により頭痛・むくみの改善が期待。

  • 食事・栄養

    • マグネシウム(青のり・ごま・ココア)、(しじみ・レバー・抹茶)、発酵食品+食物繊維で腸と自律神経をサポート。

    • カフェインは片頭痛の初期に限り少量で有用な場合(夕方以降は控えめ)。

  • 生活習慣

    • 規則正しい睡眠、夕方以降のアルコール過多を避ける、軽い有酸素運動を継続。

 

くるくる耳マッサージの手順

 

※痛みが出るほど強く押さないでください。皮膚トラブルや中耳炎など耳の疾患がある場合は実施前に医師へ。

  1. 耳をつまんで円を描く:親指と人差し指で耳全体を軽くつまみ、外側へゆっくり円を描く(10回)。

  2. 耳を上下・左右へ軽くストレッチ:痛くない範囲で上へ3秒→下へ3秒→前後へ3秒(各3回)。

  3. 耳の付け根を指圧:耳の後ろ(完骨・翳風付近)を、指腹で3秒押して離すを5回。

  4. 耳全体を温める:ホットタオルを30〜60秒当て、深呼吸を3回。

  5. 仕上げに首肩を回す:肩を大きく前後10回ずつ回し、血流を促す。
    朝・昼・晩の1日2–3回、2週間ほど続けるとリズムが整いやすくなります。

 

よくある質問

 

Q. 何科を受診すべき?
A. 主症状が頭痛・めまい・倦怠感なら内科/神経内科が入口になります。片頭痛が強ければ頭痛外来、不安や不眠が前面なら心療内科との連携も有用。漢方希望は漢方内科へ。

Q. 市販薬での注意は?
A. 鎮痛薬は月10日以上の頻回使用で薬剤の使用過多による頭痛を招くことがあります。使用回数が増える前に受診を。

Q. 子どもや高齢者でも起こる?
A. 年齢を問わず起こります。転倒リスクのあるめまいや、脱水・食欲低下には注意を。

 

HOME

最新の記事

【医師解説】大腸がん検診は74歳まで?75歳以降の“続ける/卒業”の決め方|山形県米沢市 きだ内科クリニック
エンレスト(サクビトリル/バルサルタン)とは?心不全と高血圧に効くARNIの効果・副作用・36時間ルールを解説
SGLT2阻害薬でCKD進行を抑える?透析リスクを下げる腎保護効果・開始タイミング・副作用(脱水/感染/シックデイ)|山形県米沢市 きだ内科クリニック
SGLT2阻害薬は糖尿病薬じゃない?心不全・腎臓を守る“臓器保護効果”と注意点|山形県米沢市 きだ内科クリニック
「飲んではいけない薬」は本当?副作用の誤解と真実|スタチン・降圧薬・糖尿病薬【山形県米沢市 きだ内科クリニック】
大腸検査の種類と違い|便潜血検査・大腸カメラ・大腸CT・カプセル内視鏡を徹底比較/山形県米沢市 きだ内科クリニック
健診と保険診療の違い|無症状の胃カメラ・大腸カメラをお断りする理由【山形県米沢市】
ポリープを切ったら終わり?切除後に必要な大腸カメラ(再検査)の考え方【山形県米沢市】
大腸カメラの勘違い10選|痛い・恥ずかしい・下剤の不安を医師が解説【山形県米沢市】
40代から増える大腸ポリープ|症状がなくても大腸カメラが重要な理由【山形県米沢市】

ブログカレンダー

2025年12月
« 11月    
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  
▲ ページのトップに戻る

Close

HOME

chatsimple