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大腸ポリープができやすい人の7つの共通点|大腸がんを防ぐための最新リスク解説【きだ内科クリニック】

[2025.11.17]

【専門医監修】大腸カメラでポリープが“できやすい人”の7つの共通点|大腸がんの最大リスクを早期に見抜く

 

 

大腸カメラ(大腸内視鏡検査)でポリープが見つかる人には、遺伝・生活習慣・年齢に共通する特徴があることが、複数の大規模研究で示されています。

大腸ポリープの発生は、**遺伝子の変異(異常)が基盤にありますが、年齢・食生活・喫煙などの外的因子が加わることで、ポリープは徐々に腫瘍化し、やがて大腸がんへ進行する“がんの芽”**となります。特に腺腫(腫瘍性ポリープ)は、時間の経過とともに“がん細胞を含む”段階へ進むことが知られています。

本記事では、最新のエビデンスに基づき、
**「大腸ポリープができやすい人の7つの共通点」**を専門医が分かりやすく解説します。

 

🔎 大腸ポリープができやすい人の7つの共通点

 

1. 加齢(特に40代後半〜50歳以上)

 

ポリープは年齢とともに増加し、50歳以降はリスクが急増します。
大腸がんのピークは60代で、70代・50代が続きます。また、30〜40代でも約5〜10%にポリープが見つかります。

👉 年齢(特に50歳以上)は最大の危険因子のひとつ。
40歳から一度、50歳以降は定期的な内視鏡検査が推奨されます。

 

2. 家族歴(大腸がん・大腸ポリープ)を持つ

 

家族に大腸がんやポリープの既往がある人は、
リスクが2〜3倍に跳ね上がると報告されています。

特に以下は強い遺伝性リスク:

  • 家族性大腸腺腫症(FAP)

  • リンチ症候群(遺伝性非ポリポーシス大腸がん)

👉 若年でも複数のポリープができやすく、「早期検査」が必須です。

 

3. 肥満(特に腹部肥満)

 

BMI30以上、または腹囲が大きい人では、
腺腫性ポリープ・過形成性ポリープのリスクが有意に上昇します。

【肥満がリスクを高める理由】

  • 脂肪細胞が炎症物質を放出し腸管に慢性炎症

  • インスリン抵抗性 → 細胞増殖の異常促進

  • 内臓脂肪の蓄積と腸内環境の悪化

👉 肥満・メタボリック症候群は、確実なリスク増加因子。

 

4. 喫煙習慣がある

 

喫煙は、大腸ポリープの中でも**腺腫性ポリープ(がん化しやすいタイプ)**を増やす代表的要因。

タバコに含まれる化学物質が腸粘膜を傷つけ、

  • ポリープの新生

  • 再発

  • がん化リスク
    を確実に高めます。

👉 喫煙者は、非喫煙者の約2倍リスクが高いと言われています。

 

5. 過度の飲酒(特にビールなどの非蒸留酒)

 

アルコールは量と頻度に比例してリスク増加。
特にビールなどの非蒸留酒は、大腸がんリスクと関連が強いとされています。

【理由】

  • アルコール分解で生じるアセトアルデヒドの毒性

  • 活性酸素の増加

  • 腸粘膜への慢性刺激

👉 多飲習慣は、腺腫・大腸がんを確実に増やす。

 

6. 赤肉・加工肉の過剰摂取(食生活の欧米化)

 

以下を多く食べる人は、明確にリスクが上昇します:

  • 牛肉・豚肉などの赤肉

  • 加工肉(ハム・ソーセージ・ベーコン)

【メカニズム】
脂肪摂取 → 胆汁酸増加 → 二次胆汁酸が大腸粘膜を傷つけ発がんを促進

👉 WHOも加工肉を「発がん性グループ1」と分類しています。

 

7. 運動不足(腸の蠕動低下・便秘)

 

運動不足は腸の動きが低下し、便秘になり、
腸粘膜が発がん物質に長時間さらされることでポリープ発生が進みます。

👉 運動習慣は、大腸がん発生を抑制する確実な予防因子。
ウォーキング・筋トレは特に有効です。

 

🧩 その他のリスク因子

 

  • 食物繊維・カルシウム不足
     腸内の発がん物質を希釈し排出する力が低下

  • 糖尿病・脂質異常症・高インスリン血症
     慢性炎症や細胞増殖の異常を介したリスク増加

  • 潰瘍性大腸炎・クローン病(炎症性腸疾患)
     慢性炎症により大腸がんリスク上昇

  • NSAIDsの非使用
     NSAIDsは腺腫予防効果あり、使用していない場合は相対的にリスク上昇

 

🩺【結論】

 

大腸ポリープはほとんどが 無症状 で進行します。
症状がない=安心 ではありません。

しかし──
ポリープは“早期に見つけて切除すれば”大腸がんをほぼ100%予防できます。

特に

  • 50歳以上

  • 家族歴あり

  • 喫煙・飲酒習慣

  • 肥満
    などのリスクがある方は、40歳を目安に1度は大腸カメラを受けることが最も確実な予防になります。

大腸内視鏡検査は、家を蝕む**「シロアリ(ポリープ)」を専門家が見つけてその場で除去するメンテナンス**と同じ。
“がんになる前”に取り除けば、未来は大きく変わります。

 

執筆・監修:山形県米沢市 きだ内科クリニック 院長 木田 雅文
(医学博士/日本消化器病学会 消化器病専門医/日本消化器内視鏡学会 専門医)

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