「胃カメラでアニサキス症を素早く治療!症状改善までの流れを紹介」
アニサキス症とは?
アニサキス症は、アニサキスが寄生した魚介類を生で摂取することで発症する感染症です。特に胃に寄生するケースが多く、「胃アニサキス症」と呼ばれます。治療において、**胃カメラ(胃内視鏡検査)**は非常に重要な役割を果たします。
胃カメラによるアニサキス症の治療
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診断と治療
胃カメラ検査は、アニサキス症の確定診断に不可欠です。検査では、胃壁に寄生したアニサキスを直接観察できます。アニサキスが確認された場合、その場で内視鏡用鉗子を用いて摘出します。なお、アニサキスは肉眼でも確認可能な大きさです。 -
治療時間
アニサキスの摘出は比較的短時間で完了し、通常15分程度で終わります。 -
症状の速やかな改善
アニサキスを摘出すると、腹痛や吐き気などの症状は速やかに改善します。 -
複数寄生の可能性
アニサキスが複数寄生している場合もあるため、胃内をくまなく観察し、すべてのアニサキスを取り除く必要があります。 -
処置後の状態
アニサキスによる胃壁の炎症や腫れが生じている場合でも、摘出後、数日以内に症状は改善することがほとんどです。
胃カメラ検査の流れ
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事前の準備
胃カメラ検査を受けるには、検査前に食事を控える必要があります。 -
検査方法
基本的には緊急対応ですので、無鎮静で鼻からの内視鏡で行うことが多いです。
希望時には鎮静剤を使用することで、眠ったまま苦痛を感じずに受けられます。ただし、鎮静剤を使用する際は、以下の条件を満たす必要があります:- 車やバイクでの来院を避ける
- アレルギーや基礎疾患がない
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緊急対応
食事内容、症状経過からアニサキス症が強く疑われる場合は、当院では即日、緊急で胃カメラを行います。
その他のアニサキス症への対応
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内視鏡検査が難しい場合
小腸アニサキス症など、内視鏡での治療が難しい場合には、対症療法が中心となります。 -
アニサキスアレルギー
アニサキスアレルギーがある場合は、アニサキスを摘出しても症状が残ることがあります。この場合、抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使用することがあります。 -
重症化
まれにアニサキス症が重症化し、腸閉塞や腸穿孔を引き起こす場合があります。そのため、早期の受診と検査が重要です。
アニサキス症の予防
アニサキス症を予防するためには、以下の方法が有効です:
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加熱処理
魚介類を60℃以上で1分間加熱する、または70℃以上で中心まで加熱する。 -
冷凍保存
-20℃で24時間以上冷凍する。 -
生食を避ける
サバ、アジ、イカ、サンマなど、アニサキスが寄生しやすい魚介類の生食を避ける。
アニサキス症は、適切な診断と治療によって速やかに症状が改善する病気です。もし、魚介類の生食後に激しい腹痛や吐き気などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、胃カメラ検査を受けることをお勧めします。