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【冬は要注意】血圧サージで脳卒中リスク急増|原因と対策を医師が解説

[2025.11.03]

冬に急増する「血圧サージ」と脳卒中リスク|寒暖差が引き起こす危険な血圧上昇とは?

 

 

寒い冬に急増する「血圧サージ(血圧の急上昇)」は、脳卒中や心筋梗塞を引き起こす主要なリスクとして、医療機関でも強く警告されている現象です。
とくに冬は気温低下と寒暖差の影響により血管が収縮し、高血圧の人だけでなく、普段正常血圧の人にも発生する点が大きな特徴です。

本記事では、冬に血圧が急上昇する理由、脳血管疾患リスクとの関係、そして医師が推奨する対策までを医学的根拠に基づいて詳しく解説します。

 

■ 1. 冬に血圧が上がりやすい理由と死亡リスクの実態

 

冬は外気温の低下によって血管が収縮し、血圧が年間で最も上がりやすい季節です。
その影響は明確で、脳卒中・心筋梗塞による死亡者数は冬(12〜3月)に最多となり、夏に比べて大幅に増加することが報告されています。

高血圧は自覚症状のない「サイレントキラー」であり、放置すると脳出血・脳梗塞・心筋梗塞・心不全のリスクが急増します。

 

■ 2. 冬に危険度が高まる「血圧サージ」と「モーニングサージ」

 

▶ 血圧サージとは?

血圧サージとは、血圧が急激に上昇する現象の総称で、血管に大きなストレスを与えます。
この繰り返しが血管内皮を傷つけ、動脈硬化や血栓形成を加速させ、脳梗塞・心筋梗塞に直結します。

▶ 特に危険な「モーニングサージ」

・夜間に低下していた血圧が、起床前後に急上昇する現象
・冬の朝は「布団の中(暖かい)→寒い室内」という急激な温度差で上昇幅がさらに拡大

朝の血圧が高い人は、脳卒中の発症リスクが2.7倍
✅ 日中正常でも「朝だけ高血圧」の人は、脳卒中・心筋梗塞リスクが2.47倍

 

■ 3. 冬の血圧サージを引き起こす2大要因

 

原因 詳細
① 寒冷刺激による血管収縮 気温が下がると交感神経が刺激 → 血管が縮む → 血圧が上がる
② ヒートショック 暖かい部屋 → 寒い脱衣所・浴室など 10℃以上の温度差が危険

特に入浴時は「寒い脱衣所で血圧急上昇 → 熱い風呂でさらに上昇 → その後急降下」という乱高下が起こり、
この負荷が 脳卒中・心筋梗塞・不整脈・浴槽内溺死につながります。

▶ 高齢者の入浴中死亡者数(年間 5,824人)は交通事故死亡者数の約2倍
▶ 冬(11月〜4月)に集中=血圧サージとの関連が濃厚

 

■ 4. 医師が推奨する「血圧サージ予防策」

 

🔹 寒暖差をなくす工夫

  • 起床1時間前に暖房タイマー設定(室温20〜22℃推奨/WHO推奨18℃以上)

  • 脱衣所・浴室にも暖房を入れる

  • 入浴温度は 41℃以下・10分以内・飲酒後は避ける

  • 朝起きてすぐ動かず、布団の中で手足を動かしてから起きる

🔹 生活習慣の見直し

  • 家庭血圧測定(朝夕の1日2回測定が効果的)

  • 塩分摂取量:1日6g未満(汁物・外食注意)

  • 毎日30分の有酸素運動+ふくらはぎ筋トレで血流改善

  • カリウム・DHA/EPA・スルフォラファンなど血管を守る食材を意識

 

■ イメージ例:血管=水道管

 

冬の冷えた水道管にいきなり水を流すと、内部に強い圧力がかかり破損しやすくなります。
これが 血圧サージ → 血管破裂(脳出血)/詰まり(脳梗塞・心筋梗塞) という現象です。
大切なのは「急激に冷やさない・温めない」「水圧(血圧)を急に上げない」ことです。

 

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