【夜中に動悸で目が覚める人へ】危険な原因と受診すべき症状を医師が解説
夜中に動悸で目が覚める原因は?不整脈・ストレス・睡眠時無呼吸との関係と受診目安を医師が解説
夜中に突然「ドキドキ」「バクバク」と動悸がして目が覚める——
この症状は、ストレスや自律神経の乱れといった軽度の原因から、不整脈・狭心症・睡眠時無呼吸症候群(SAS)など、命に関わる病気のサインである可能性まで幅広く考えられます。
本記事では、夜間に起こる動悸の原因・危険な見分け方・受診すべき診療科・検査内容について、医学的根拠に基づき詳しく解説します。
■ 夜間に動悸が起こる3大原因
① ストレス・自律神経の乱れ
交感神経が過剰に働くと、アドレナリン分泌により心拍数が上がり動悸を感じやすくなります。
・緊張がゆるむ「寝る前・深夜」に動悸が出やすいのが特徴
・不眠、息苦しさ、めまい、頭痛などを伴うことがある
✅ まじめ・責任感が強いタイプ、睡眠不足・カフェイン過多でも起こりやすい
② 不整脈(特に「期外収縮」と「心房細動」)
夜間・安静時に起こりやすい不整脈には以下があります:
| 不整脈の種類 | 特徴 | 危険度 |
|---|---|---|
| 期外収縮 | 脈が飛ぶ・ズキッと脈を感じる | 比較的軽度だが頻発する場合は検査推奨 |
| 心房細動 | 脈がバラバラ・動悸+息切れあり | 脳梗塞リスク5倍で要治療 |
✅ 心房細動は「夜に症状が強くなる」ことが医学的に報告されています
③ 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠中に呼吸が止まり、酸素不足 → 交感神経が急上昇 → 心拍が増加して動悸を引き起こす。
📌 SAS→不整脈を合併する確率は 50〜80%
📌 放置すると心不全・脳梗塞・突然死のリスク上昇
特徴:いびき/日中の眠気/朝の頭痛/家族に「呼吸止まってた」と言われた人は要注意
■ 夜間の動悸で受診すべき「危険サイン」
以下に当てはまる場合は 救急受診 or 速やかに循環器内科へ
✅ 胸の痛み・圧迫感・冷や汗を伴う
✅ めまい・ふらつき・失神しそうになる
✅ 息が苦しい/呼吸が荒くなる
✅ 脈が極端に速い(120回以上) or 遅い(40回以下)
✅ 動悸が5分以上続く or 繰り返し起こる
✅ 持病に「高血圧・糖尿病・心臓病」がある
迷ったら → #7119(救急相談窓口) で相談可
■ 受診するなら何科?
| 状況 | 推奨科 |
|---|---|
| 脈が不規則/急に速くなる/胸痛あり | ✅ 循環器内科 |
| 動悸+眠気・いびき・肥満傾向 | ✅ 睡眠外来/呼吸器内科 |
| ストレス・不安が強く原因不明 | ✅ 心療内科/精神科 |
| 体重減少+多汗+動悸 | ✅ 内科(甲状腺機能検査) |
■ 医療機関で行われる主な検査
| 検査 | 目的 |
|---|---|
| 心電図(ECG) | 不整脈・虚血性心疾患の確認 |
| 24時間ホルター心電図 | 夜間や発作性の動悸を捉える |
| 心エコー | 心機能・弁膜症・心不全の評価 |
| 血液検査 | 甲状腺ホルモン・貧血・電解質異常など |
| 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG) | SASの診断 |
■ 医師に伝えると診断が早くなる「チェックメモ」
✅ 動悸が起こる時間帯(就寝前/夜中/朝方)
✅ どんな感覚?(速い・飛ぶ・不規則 など)
✅ 何分続く?頻度は?
✅ きっかけ(カフェイン・お酒・ストレス・体位など)
✅ 動悸以外の症状(胸痛・息切れ・めまいなど)
✅ スマートウォッチで脈拍を記録しておくと有効
✅まとめ
夜間の動悸は「よくある症状」ではなく、脳梗塞・心不全・致死性不整脈の危険信号である場合があるため、
「放っておいて様子を見る」より、一度医療機関で原因を確認することが重要です。
