「がんかもしれない…」と不安になったときに読むお話
「がんかもしれない」と不安になったときに読む言葉
― その不安に、医師として誠実に向き合います ―
「この症状、もしかしてがんなんじゃ…」
「家族にがんの人がいる。私もそうなったらどうしよう」
そんな不安が、ふと心に入り込んで離れなくなることがあります。
きっと、その不安を誰にも言えず、一人で抱えている方も多いでしょう。
まずはその気持ちに、心から「大丈夫ですよ」とお伝えしたいです。
■ 不安の正体は、“わからないこと”への恐れ
がんという言葉は、誰にとっても強い響きを持ちます。
でも実際には、不安の多くは「まだわからないこと」から生まれているのです。
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症状の原因が不明で、いろいろ考えてしまう
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ネットで調べた情報が、かえって不安をあおる
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もしがんだったらどうしようと、最悪の想像をしてしまう
「わからないこと」は、想像によってどんどん大きく、不安なものに変わっていきます。
だからこそ、正しく調べ、確認し、必要な知識を得ることが、安心への第一歩になります。
■ がんだったら、怖い。
でも「そうじゃなかった」とわかることは、もっと大きな安心です
実際、当院を訪れる多くの方が「がんかもしれない」と思って検査を受けられます。
でもその中の大半は、**「がんではなかった」**という結果にたどり着きます。
それでも、その不安を持って受診されたことは、決して無駄ではありません。
あなたの体と向き合い、安心を得るために動き出せた――それはとても尊い行動です。
■ たとえがんだったとしても、“発見のタイミング”で未来は変わります
もし、検査の結果が「がんだった」としても、
今の医療では早期発見・早期治療で完治を目指せるケースが多くあります。
「早く見つけられてよかった」
「早めに来て本当によかった」
そう話される患者さんを、私たちはたくさん見てきました。
“知ること”は怖いことではありません。
むしろ、“知らないまま放っておくこと”の方が、後悔につながってしまうことがあるのです。
■ あなたの不安は、真剣に受け止めるに値します
「こんな症状で心配しすぎかな」
「こんなことで病院に行ってもいいのかな」
そんなふうに思わないでください。
あなたが感じた違和感や不安には、ちゃんと意味があります。
私たちはそれを決して軽く扱いません。
心配だからこそ、安心のために受診してください
あなたの不安に、私たちは真剣に、ていねいに向き合います。
「何もなかった」という結果であっても、それが一番の喜びです。
不安な気持ちを抱えたまま、ひとりで悩み続ける必要はありません。
あなたのその一歩が、安心と健康を守る第一歩になることを、どうか忘れないでください。