健康診断で「血圧が高い」と言われたら?家庭血圧で本当の状態を確認しよう|受診の目安と対策を医師が解説
【医師監修】健康診断で「血圧が高い」と言われた方へ|放置せず正しい対応を!
❗「血圧が高い」は体からの“警告灯”です
健康診断で「血圧が高め」と指摘されたあなたへ。
体調に異常がなくても、その結果は将来の重大な病気を予防するチャンスです。
高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれ、放置すると脳卒中、心筋梗塞、腎不全、認知症などを引き起こす危険な状態です。
今すぐできる対応を知り、未来の健康を守りましょう。
🩺 診察室血圧とは?|健診で測る血圧は“仮の値”かもしれません
病院や健康診断で測定される血圧は「診察室血圧」と呼ばれ、緊張や環境により一時的に高くなることがあります。
このようなケースを「白衣高血圧」と言い、放置して良いわけではありません。
📊 診察室血圧の分類(JSH 2019)
| 分類 | 収縮期(上) | 拡張期(下) |
|---|---|---|
| 至適血圧 | <120 mmHg | かつ <80 mmHg |
| 正常血圧 | 120〜129 mmHg | かつ <80 mmHg |
| 高値血圧(予備群) | 130〜139 mmHg | または 80〜89 mmHg |
| 高血圧(Ⅰ度) | 140〜159 mmHg | または 90〜99 mmHg |
| 高血圧(Ⅱ度) | 160〜179 mmHg | または 100〜109 mmHg |
📌 一度だけ高かった場合でも、家庭血圧の測定が必要です。
🏠 家庭血圧が“あなた本来の血圧”|診察室より信頼できる判断基準
現在、正しい血圧管理において最も重視されているのは「家庭血圧」です。
日常生活での血圧を知ることで、高血圧の見逃しを防ぎ、正確な治療方針が立てられます。
🧾 家庭血圧の基準値(JSH 2019)
| 分類 | 収縮期(上) | 拡張期(下) |
|---|---|---|
| 正常血圧 | <125 mmHg | かつ <75 mmHg |
| 高値血圧(予備群) | 125〜134 mmHg | または 75〜84 mmHg |
| 高血圧 | ≧135 mmHg | または ≧85 mmHg |
📍 135/85mmHg以上が続いている場合、受診・治療が必要です。
🧪 家庭で血圧を正しく測るコツ
| ✅ 測定条件 | 朝と夜の1日2回、毎日同じ時間に測定 |
|---|---|
| ✅ 測定機器 | 上腕式の自動血圧計(手首式は誤差が出やすい) |
| ✅ 測定姿勢 | 背もたれのある椅子に座り、腕を心臓の高さに |
| ✅ 測定環境 | 静かな室内で、5分ほど安静にしてから測定 |
| ✅ 測定回数 | 各回2回測定し、平均値を記録 |
| ✅ 避けること | 喫煙・飲酒・食後30分・入浴後すぐの測定 |
📱 スマホアプリや血圧手帳で記録を続けると、医師との連携がスムーズになります。
🏥 どのタイミングで医療機関を受診すべき?
次のいずれかに該当する方は、早めに内科へご相談ください:
-
健康診断で140/90mmHg以上と指摘された方
-
家庭血圧が135/85mmHg以上の状態が続く方
-
親や兄弟に高血圧・脳卒中・心筋梗塞の既往がある方
-
若い世代でも「高め」と言われたら放置は厳禁です
📌 最初はかかりつけ内科・一般内科でOK。必要に応じて循環器内科などをご紹介します。
🔄 生活習慣を見直すだけで血圧は下がることも
薬を使う前にできることも多くあります。今日から始められる対策を実践してみましょう。
| 項目 | 対策例 |
|---|---|
| 🧂 減塩 | 1日6g未満を目標に、だし・香辛料で味付け |
| 🚶 運動 | 毎日30分程度のウォーキングなどの有酸素運動 |
| ⚖️ 減量 | BMI25未満を目指す。数kgの減量でも効果あり |
| 🚭 禁煙 | ニコチンは血管を収縮させ、血圧を上げます |
| 🍶 節酒 | アルコールは適量まで。休肝日を設けましょう |
| 😴 睡眠とストレス管理 | 質の良い睡眠とリラックス時間の確保 |
🚫「サプリで血圧が下がる」は危険な誤解
「血圧を劇的に下げる」と謳うサプリメントの多くは科学的根拠に乏しく、過信は禁物です。
必要な治療は医師の診断に基づいて行うことが大切です。
✅ まとめ|健康診断の結果は、未来の病気を防ぐチャンスです
高血圧は、早く気づけばコントロール可能な病気です。
「まだ症状がないから大丈夫」と思っている間に、脳や心臓、腎臓は静かにダメージを受けているかもしれません。
📍家庭血圧を正しく測り、記録し、必要に応じて医師に相談する。
その一歩が、将来の病気からあなたを守ります。
🩺 高血圧に関連するおすすめ記事
- 【雪国の冬】雪かき(除雪)で倒れる前に:ヒートショックの原因と安全対策チェックリスト [2025年12月13日23時08分更新]
- ヒートショックとは?冬の入浴事故を防ぐ7つの習慣と脱衣所・浴室の寒さ対策 [2025年12月13日22時54分更新]
- 1日5分の“深い呼吸”で血圧が下がる?医学界が注目する呼吸療法の効果と最新エビデンス【IMST・スロー呼吸】 [2025年11月24日12時06分更新]
- 健康診断“異常なし”でも要注意|専門医が警告する「隠れ動脈硬化」10のサインと早期対策 [2025年11月24日10時31分更新]
- 血圧は正常なのに脳卒中?|夜間高血圧・仮面高血圧が引き起こす「高血圧型脳卒中」の恐怖 [2025年11月23日22時33分更新]
- 家庭血圧を正しく測る17のポイント|測定のコツ・高血圧予防まで専門医が完全解説【きだ内科クリニック】 [2025年11月17日21時33分更新]
- 【医師解説】鍋料理で太らない・血圧を上げない食べ方|生活習慣病を防ぐ“正しい鍋のルール” [2025年11月3日21時13分更新]
- 【冬は要注意】血圧サージで脳卒中リスク急増|原因と対策を医師が解説 [2025年11月3日15時13分更新]
- 【医師解説】その塩、危険です!「天然塩」と「精製塩」の真実|高血圧を防ぐ“正しい塩”の選び方【命を守る適塩法】 [2025年10月16日21時15分更新]
- 【医師監修】「下の血圧が高い」は危険信号!若い人でも油断できない“血管老化”のサインと改善法を徹底解説 [2025年10月15日17時51分更新]
