【インフルエンザ最新情報】流行状況・症状・ワクチン・治療・予防まで医師が徹底解説
【最新】インフルエンザの流行状況と今後の懸念|症状の特徴・ワクチン情報・治療・予防策まで総まとめ
要約(90秒でわかる)
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今季(2024-25)は A(H1N1)pdm09 が主流。検出ウイルスはワクチン株とほぼ一致しており、接種効果に期待。
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年明け以降は B型の報告が増加。小児は消化器症状や脳症など重症合併症に注意。
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**ツインデミック(インフル+COVID-19)**で医療逼迫の懸念。早めの受診と予防が鍵。
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今年は従来症状に加え、胃もたれ・吐き気など胃腸症状の訴えが目立つ傾向。
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生後6か月以上は接種推奨。4価ワクチンの供給は今季も十分見込み。
1. 2024-25シーズンの流行状況と懸念点
国内・海外の現況
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2023-24期は過去5期で最大規模の流行。
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南半球(オーストラリア)では2024年4月後半から流行が本格化、A型が多数。
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日本の今季は A(H1N1)pdm09が優位。市中検出株はワクチン株とほぼ100%一致 → 発症・重症化予防に期待。
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2025年第2週までの累計推計受診者は約849万人(前年同週比で減少)。
集団免疫の低下と対策意識
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コロナ禍の影響で抗体保有率が低下しやすい状況。
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マスク・手指衛生などの予防意識の緩みも流行拡大の一因に。
これからの懸念(B型・ツインデミック・大型連休)
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B型の検出増:発熱は比較的軽くても下痢・嘔吐など消化器症状が強いことがあり、小児の脳炎・脳症に注意。
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COVID-19との同時流行で受診しづらくなる恐れ → 早めの相談・予約が安心。
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年末年始・大型連休後は、人の移動と会食増で一斉拡大に要注意。
今年目立つ症状の傾向
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定番:38℃以上の発熱、頭痛、関節痛、寒気、咳、強いだるさ、のど痛、鼻水。
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今年は 胃もたれ・吐き気など胃腸症状の訴えがやや増。
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例年と違い、大人から広がるケースも想定。
2. インフルエンザワクチン|対象・株・供給
だれが受けるべき?
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生後6か月以上のすべての方に接種推奨。
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とくに 65歳以上/基礎疾患がある方/妊婦/小児 は重症化予防のため積極的に。
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前期は春先にも流行があり、1月以降の接種も有用です(未接種の方)。
今季のワクチン株(4価)
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A(H1N1):A/ビクトリア/4897/2022
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A(H3N2):A/カリフォルニア/122/2022
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B(山形系統):B/プーケット/3073/2013
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B(ビクトリア系統):B/オーストリア/1359417/2021
供給見込み
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注射型(不活化)+経鼻型(弱毒生)を合わせて、今季も十分量を供給予定。予約の取りやすい時期に早めに確保を。
接種回数の目安
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13歳以上:原則1回(医師判断で2回の場合あり)。
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6か月~13歳未満:2~4週間隔で2回。
効果と安全性
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株一致度により発症予防効果は変動。ただし 重症化・入院・死亡の予防効果は一貫して確認。
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副反応は注射部位の痛み・発熱・倦怠感などが多く、通常2~3日で改善。まれに重い副反応(例:ギラン・バレー症候群)が報告されます。
経鼻弱毒生ワクチン(2~19歳)
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針を使わない鼻スプレー型。
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喘息/免疫抑制中/ゼラチンアレルギーなどは適さない場合あり → 医師と要相談。
3. 治療の基本|「48時間以内」がポイント
抗インフルエンザ薬
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オセルタミビル(内服):小児~高齢者まで広く使用。小児は異常行動に注意。
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ザナミビル/ラニナミビル(吸入):吸入できる方に。喘息の方は非推奨。
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ペラミビル(点滴):内服が難しい、重症時に。
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バロキサビル(単回内服):新しいタイプ。B型で発熱短縮報告あり。小児で低感受性変異の懸念 → 5歳以下は慎重に。
原則、発症から48時間以内の開始で発熱期間を1~2日短縮し、ウイルス排出も抑制します。多くは自然軽快しますが、高リスクの方は早めの受診を。
予防投与(薬)
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原則はワクチン+基本の感染対策。
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院内クラスターや高リスク曝露など、状況を限って検討(日本では保険適用外の場合あり)。
併用療法(漢方・対症療法)
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麻黄湯などは初期症状の軽減に用いられることがあります。
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安静・睡眠・水分補給・加湿・保温が基本。
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解熱剤は小児はアセトアミノフェンを推奨。NSAIDs(ボルタレン®・イブプロフェン・アスピリン等)は原則避ける(脳症やライ症候群のリスク)。
4. 検査|受けるタイミングと注意点
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多くの医療機関で実施するのは迅速抗原検査(10分程度)。
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発熱から12時間以上~48時間以内の受検が目安。早すぎると偽陰性になりやすい。
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重症化リスクが低い人は、症状・流行状況から臨床診断で治療することもあります。
5. 予防(ワクチン以外)|今日からできる5つ
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マスク:人混み・受診時・家庭内での看病時に活用。
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手洗い:帰宅後・食前・トイレ後に石けんで丁寧に。
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換気と加湿:**湿度50~60%**を目安に。
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生活習慣:バランス食・十分な睡眠・軽い運動・入浴で体を温める。
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家庭内対策:部屋分け、タオルや食器の共用回避、接触面の消毒。
「うがい」による予防効果は明確な科学的根拠が乏しいとされます。一方でポビドンヨード等の報告もありますが、まずは手洗い・換気・マスクを優先しましょう。
6. 危険性と社会的影響|休む勇気も対策のうち
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高齢者・基礎疾患・妊婦・小児は重症化しやすい。主な合併症は肺炎・脳症。
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近年は**Long Flu(感染後の長期症状)**にも注目。呼吸器症状が長引くことも。
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出勤停止の法的期間は定めなし。各社就業規則に準拠し、無理せず休養を。
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感染力は発症前日~発症後3~7日。とくに発症後3日間は強いとされます。
7. 今後の展望|早期検知の仕組みづくり
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今季もワクチン接種の強い推奨が継続。
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下水サーベイランスなど、人が症状を自覚する前から地域流行を把握する仕組みが国内外で進展。医療資源の少ない地域でも早期警戒が可能に。
受診の目安(迷ったら参考に)
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高熱が続く/息苦しい/強いだるさ
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小児や高齢者・基礎疾患あり
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嘔吐・下痢が強い(B型疑い)
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妊娠中/乳幼児/持病の薬を内服中
上記に当てはまる場合は、早めの受診をご検討ください。
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