大腸カメラ前の下剤を楽に飲むコツ|種類比較と当院のサポート
大腸カメラ前の下剤は「つらい」を減らせます
大腸カメラの精度を高めるには、**腸内をきれいにする前処置(下剤)**が不可欠です。近年は製剤の改良が進み、飲み方の工夫・下剤の選択・医療機関のサポートで負担を大きく減らせます。
1.下剤を“楽に”する飲み方のコツ
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直前に軽く冷やす(冷やし過ぎは避ける)
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少量ずつゆっくり:コップ1杯(約180ml)を10〜15分
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口をすすぐ:無糖の水・お茶で一口すすぐ
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ストロー/ノンシュガー飴/鼻をつまむ:味覚・嗅覚刺激を抑える
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リラックス環境:音楽・テレビ・読書などで注意分散
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適度に動く:室内歩行などで腸の動きを後押し
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前日の食事は低残渣に:皮・種・海藻・きのこ・ごま等は控え、白身魚・卵・豆腐・うどんなどを。水分は十分に、食事は抜かない
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無理しない:吐き気・強い腹痛があれば中止し、すぐ連絡
2.主要な下剤(腸管洗浄剤)の種類比較
下剤名 | 当院採用 | 味・風味 | 目安量 | 特徴 |
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モビプレップ | ★採用 | 梅しそ系の酸味・塩味 | 約2,000ml(実際は1,200〜1,500mlで終了することも) | 洗浄力が高く効きが早い。水と交互に飲む手順で脱水予防が大切。 |
サルプレップ | ★採用 | レモン風味、やや甘みと塩味 | 約480〜960ml+水約2,000ml | 服用量が少ないタイプ。分割内服や早朝検査に適。腎機能や持病は個別評価。 |
ピコプレップ | ★採用 | オレンジ風味 | 150ml×2回+十分な水分 | 容量が非常に少ない・味の受け入れやすさ◎。洗浄力はやや弱めで強い便秘には不向き。前夜内服で夜間便意の可能性。 |
マグコロールP | 参考 | スポーツドリンク風 | 約1,800ml | 飲みやすいと感じる方が多い。洗浄力は中等度。腎機能低下では不可のことあり。 |
ニフレック | 参考 | ほぼ無味・軽い塩味 | 約2,000ml | 等張で全身負担が少ない基本薬。汎用性・手順のシンプルさに強み。 |
ビジクリア(錠剤) | 参考 | 味なし(錠剤) | 錠剤50錠+水約2,000ml | 液体が苦手でも可。錠数が多く飲みにくい人も。既往症で適応外あり。 |
当院で主に使用している下剤
モビプレップ:洗浄力が高く、効きが早め。しっかり腸をきれいにしたい方に。
サルプレップ:服用量が少なめで早朝検査や分割法に適。腎機能等は個別に評価。
ピコプレップ:最少量で味が受け入れやすい。ただし強い便秘の方には不向きな場合あり。
※最適な選択は、便秘傾向・既往歴・腎機能・前回の効き具合・検査開始時刻などを総合して医師・看護師がご提案します。※自己判断での変更は避け、医師・看護師に必ず相談してください。
3.医療機関で受けられるサポート
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個別カウンセリングと剤形の選択(便秘傾向・腎機能・検査枠に最適化)
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院内服用ブース/専用トイレ(見守り・追加下剤・洗腸対応が可能)
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“下剤を飲まない”選択肢(経鼻チューブ/内視鏡的注入:適応・費用区分は要確認)
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事前の便秘対策(例:酸化マグネシウム等の軽い調整)
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鎮静で“眠って受ける”検査(当日運転不可・休憩必須)
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早朝/夕方/土曜など柔軟な枠
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動画・チェックリスト提供(前日の食事・当日の手順を事前共有)
よくある質問(FAQ)
Q1.便が透明にならない時は? → 追加指示が必要です。自己判断せずすぐご連絡ください。
Q2.吐き気が強い/ほとんど飲めない → 一旦中止し、間隔を空けて再開や製剤切替、点滴・院内服用を検討します。
Q3.当日の食事・水分は? → 指示時間まで透明な水分のみ。乳製品・果肉入り飲料は不可が基本です。
まずは“便秘タイプ”を把握しましょう
ご予約時に**「便秘チェック希望」**とお伝えください。モビプレップ/サルプレップ/ピコプレップの中から、あなたに合う下剤と飲み方を最適化します。